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毎日1曲『三種の神器』20220312 - ポーリュシカ・ポーレ

作詞、作曲、歌唱、演奏、DTMを趣味や仕事にしている人に向けて書いています。毎日1曲、頭に浮かんだ曲を取り上げて、僕が独断で『ヒット曲の三種の神器』と呼んでいる、世界のヒット曲に共通する不思議な法則を数値化して解説をしているコラムです。興味を惹かれたら『ヒット曲の三種の神器』の詳細についての過去記事もご覧ください。

今日の1曲

日付:2022年3月12日
タイトル:ポーリュシカ・ポーレ
アーティスト:Origa

『三種の神器』度数

ヨナヌキメロディ度:0
弱起度:0
客観描写度:0
解説:
物哀しいロシア民謡的なメロディは、日本人の心の奥に刻まれています。ヨナヌキメロディ度、弱起度ともにゼロです。

歌詞にいたっては日本人が知る多くのロシア歌曲は、検閲や管理のもとで書かれているように見えます。この曲も元は軍歌です。

客観描写度もゼロで、このコラム史上初の三種の神器全度数が全て0の曲ということになります。つまり、ヒット曲とかいう一部の俗世とはかけ離れた、もっと実用的な、生きる為の道具として作られたものです。

感情を揺さぶられる悲しい旋律と、固い意思を感じさせる発声、ロシア語独特の強い巻き舌の発音が、傷跡のように心に残って忘れられません。

コメント:
ハワイの音楽が「弛緩」しかないとするならば、ロシア音楽は「緊張」しかない感じでしょうか。

戦争を繰り返してきた民族には、少なからず「緊張」の音楽表現があり、それが国や民族の決意表明のようなものだと感じることがあります。

ジャズやロックもどちらかというと「緊張」の音楽であり、今のポピュラー音楽のルーツを辿れば、実はそのほとんどが、幸せや平和や達成感ではなく、不幸、喪失感、疎外感から生まれているのです。

日本の最大の隣国はロシアと中国です。このポーリュシカ・ポーレを聞くとなぜか郷愁を覚えます。僕は今日の日本の音楽が影響を受けたのは、マイケルジャクソンのような米国のエンターテインメントよりももっと昔、むしろ隣のロシア帝国の文化だったのではないかと思うことがあるのです。

各種リンク

【和訳付き】ポーリュシカ・ポーレ(オリガ版)"Полюшко-поле" - カタカナ読み付き
Origa(Wikipedia)
【和訳付】ポーリュシカ・ポーレ / Полюшко-поле【ソ連軍歌】
ポーリュシカ・ポーレ(Wikipedia)

『ヒット曲の三種の神器』解説記事

大平太一流 作詞作曲の必殺技『ヒット曲の三種の神器』解説記事です、是非あわせて読んでみてください。
①ヨナヌキメロディ/なぜか覚えやすい音階の不思議
②弱起/インパクト大!言葉やメロディが飛び込んでくる
③客観描写/具体的で無感情な描写が人の心に感動を生む

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