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毎日1曲『三種の神器』20220202 - 夜に駆ける

作詞、作曲、歌唱、演奏、DTMを趣味や仕事にしている人に向けて書いています。毎日1曲、頭に浮かんだ曲を取り上げて、僕が独断で『ヒット曲の三種の神器』と呼んでいる、世界のヒット曲に共通する不思議な法則を数値化して解説をしているコラムです。興味を惹かれたら『ヒット曲の三種の神器』の詳細についての過去記事もご覧ください。

今日の1曲

日付:2022年2月2日
タイトル:夜に駆ける
アーティスト:YOASOBI

『三種の神器』度数

ヨナヌキメロディ度:0
弱起度:9
客観描写度:1
解説:
メロディはヨネヌキ度0ですが、ほとんどのメロディパートが弱起で、気持ちの良い前進力を作っていて弱起度が9です。歌詞は具体的な描写よりも抽象的な表現が続く、客観描写度は1にしました。

YOASOBIは「小説を音楽にするプロジェクト」として発足したユニットとのことで、どの曲にも原作となったネット投稿小説が存在します。この曲の原作小説「タナトスの誘惑」のテーマは「自死」。

小説は短編で、ドラマの台本のような2人の登場人物のやりとりが描かれています。いたずらに言葉をこねくり回さない、SNSの会話のようなそっけなさが現代的で、自死なんてこれくらい日常的で、ありふれた恋愛みたいなもの、と言われている気がしました。

monogatary.comというソニーミュージックが創設した小説投稿SNSで公開された、星野舞夜さんという作家の作品です。

コメント:
「夜に駆ける」というタイトルが好きです。
昨日の「うっせぇわ」に先立ち、ネットで大旋風を起こした作品ですが、WikipediaなどでYOASOBI誕生の経緯や、原作小説の成り立ちを読むにつけプロデューサーの存在が見えます。

僕にとって初期のインターネットは、マスメディアのように利権に左右されない、自由に世界中の誰とでも繋がって共感できる場所、というイメージがありましたが、今やツイッターやYoutube、InstagramなどのSNSはテレビ以上の影響力を持つ広告媒体となりました。

企業が巨費を投じてテレビで宣伝してもモノが売れないのに、素人がニコニコ動画でバズって大ヒットしてしまうのを見れば、当然の流れです。

ギターと旅から生まれた歌と、SNSに溢れる情報の、どちらを信じながら眠るかということに、古くさい我が頭が悩むことがあります。

「夜に駆ける」は恋愛物語ですが、そんな現代の生きづらさを描いていることに共感が集まっているのかもしれませんね。

各種リンク

夜に駆ける(Youtube)
夜に駆ける(Wikipedia)
YOASOBI(Wikipedia)
タナトスの誘惑

『ヒット曲の三種の神器』解説記事

大平太一流 作詞作曲の必殺技『ヒット曲の三種の神器』解説記事です、是非あわせて読んでみてください。
①ヨナヌキメロディ/なぜか覚えやすい音階の不思議
②弱起/インパクト大!言葉やメロディが飛び込んでくる
③客観描写/具体的で無感情な描写が人の心に感動を生む


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