2023年の初めに「アブソリュート/服従者」を観た件

年に20〜30回ほどしか劇場には行かないもんで、映画好きな人からしたら全然観てない部類だとは思いますけども、自分としてはそれなりに楽しく映画を観ておりまして、年初め一発目の映画館は何を観に行こうかなんてのは楽しく選んで行くのが毎年の習わしというかなんというか、そんな生活です。
ってことで「アブソリュート/服従者」を一発目に選んでみましたというだけの話。

「未体験ゾーンの映画たち2023」にて

何年前から始まったのかは知らないんだけども例年開催しているのが個人的には馴染んでおります「未体験ゾーンの映画たち」という特集上映に行ってきました。
何だかんだで開催されると上映作品をチェックしてることが多く、毎年行くわけじゃないけど過去にも観に行ったことはあるという特集上映です。
今調べたら今年で第12回だそうですね。スンマセン、1、2回ほどしか行ってませんでした。

「アブソリュート/服従者」をとりあえず選んでみた

ということで「未体験ゾーンの映画たち2023」の中で「アブソリュート/服従者」を観てみました。
アレな大学教授が女生徒を監禁して拷問やら洗脳やらする話、ってなとこだけ知って観に行ったもんで、てっきり監禁・拷問シーンが延々と続くタイプの映画なのかしら、なんて思ってたら意外とちゃんとしたミステリー・サスペンス仕立てで、捜査官が事件を調べて行く過程とか描かれている映画でございました。
ただその点の展開で惹きつけようとする映画ではなく、展開自体はしっとりと進んで地味目の演出になってましたが、個人的にはそれが好印象。
監禁・拷問の異常性を観せるとか、犯人を追い詰めたい展開を観せるとかではなく、登場人物みんなの歪みを観せる映画なんじゃなかろうか、なんて考えました。
犯人も捜査官も被害者も捜査官のお母さんも、みんな歪んでる。なんなら犯人の歪み方が一番分かり易いくらいにみんな歪んでる。
そこが人間的にリアルで、中には何でその行動を取ったのかが分かりにくい人物もいるんだけど、現実でも他人のことなんてこんな感じにしか分かり合えてないよなって納得させられるような、生きてる人間感みたいなのを観せてるのかなと。

感情の動きの表現って

今回の映画では感情の動きが分からないことで登場人物がリアルに感じられたのに、前回みた「すずめの戸締まり」だと、同じような点で物語に置き去りにされたってのは何故なのかなと後で思っいまして、もちろんその他の演出とか、そう思わされるシーンまでの時間とか、要素はいくらでもあるんだろうけども、もしかしたらアニメと実写ってのも影響あるのかななんてことも少し思いましたね。
絵で人物を表現するにあたっては現実よりも分かりやすく伝わりやすく、ある程度トゥーマッチに表現しなきゃならないけど、実写だと実写ということだけで少しリアリティが増してるのかも。
フィクションで人を表現する時点で、現実よりも分かりやすく矛盾の少ない一貫した人格・キャラクター性にした方がリアリティを感じられるのはどちらでも一緒だとは思うんだけども、アニメの方がよりその傾向が強いのかもしれませんね。
現実の人間性やら感情の動きなんて一貫性もないし矛盾だらけなんだけどもね。


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