201.心理学で恋愛を語ってる人多いけど、そんな都合よく行動する人間いないよな!

こんにちは、梅田王子です。
今回は、「心理学の限界はいい人止まり」というお話をしようと思います。

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悪用厳禁・🙅‍♂️・心理テクニックまとめました・類似品注意!

さて、最近はびっくりするほど「心理学を使った恋愛テクニック」ブームです。とは言っても、独自考察・研究されたものはほとんどなく、物の本に当たればどこにでも書いてあるような内容のダイジェストであることが大半ですので、せいぜい新種の「まとめNAVER」のようなビジネスモデルであろうと私は考えています。

ところで、ここまで心理学を使った恋愛テクニックが氾濫すると、皆さんもある程度知識がついてきて、突っ込みどころが見えてきたという人もいると思います。
その感覚は正しくて、表面だけを通りいっぺんになぞった知識では、一つのパラグラフの中にたくさんの小さな矛盾を抱えるようになり、スッと腹落ちしない感覚がわかるようになってきます。

これは、最初はスポンジのように知識を吸収する一方、限度を満たすと頭の中で再構成、再解釈を始めるので、「なんであの時納得できたのだろう?」という疑問が生じてくるのです。
さて、では「心理学を使った恋愛テクニック」に感じる違和感とはなんなのでしょうか?

それは、そんな都合よく行動する人いないよな!

というツッコミです。

いくら猫を拾っても不良は不良だろ!

例えば、不良が猫を拾ったらなんとか効果で余計にいい人だなと思うから、最初は悪い印象から入って、後半でいい人を演じて惚れさせよう!とか、そういうテクニックがあります。

しかしですね、もう最初に「悪い印象」を与えたら、その後何をしても「印象の悪い人」は最後まで「印象の悪い人」なのです。表面上、不良が猫を拾ったら「なんかいい人」と表面上では解釈しても、やっぱり「不良」は「不良」なのです。

理性と感情:メンタルとエモーションの違い

まず、心理学と一言で言っても、理屈によって制御される心理と、感情によって制御される心理と、大きく分けて二つに分類されます。巷の心理学は「理屈によって制御される心理」を扱い、これをメンタルなどと呼びます。一方、「感情によって制御される心理」というのもあり、これをエモーションなどと呼びます。

この二つは似て非なるもので、随意筋と不随意筋のように、自己のコントロールが及ぶか及ばないかという点で、大きく異なります。
「頭ではわかっているけどやめられない」
こういう現象がありますが、「頭ではわかっている」というのが「理屈によって制御される心理」、「けどやめられない」というのが「感情によって制御される心理」です。

感情は理性で変えられない

先ほどの例では、「不良が猫を拾ったら余計にいい人だなと思う」の、「余計にいい人だなと思う」というのが「理屈によって制御される心理」、「不良」というのが「感情によって制御される心理」です。頭では、不良が猫を拾ったら「なんかいい人」と表面上では解釈するかもしれませんが、感情としては、やっぱり「不良」は「不良」なのです。

一般に、心理学というのは「頭ではわかっている」つまり「理屈によって制御される心理」を扱い、心理療法というのも、一般的には「頭ではわかる」ことができる範囲までの誘導が限界で、感情が司る「好き」「嫌い」「楽しい」「悲しい」といった領域の誘導、コントロールはできません。
「頭ではわかっているけどやりたくない、けどやらないといけない!」のであれば、向精神薬によって脳をコントロールする以外に方法がありません。これが、精神科が薬漬けと揶揄される理由です。「感情によって制御される心理」は、薬という物質を強制的に流し込む以外に、コントロールすることはできないのです。

およそお分かりいただけたと思いますが、「好き」という感情を誘導したくても、「好き」は「感情によって制御される心理」ですので、精神医学上、その誘導はできません。「理屈によって制御される心理」を刺激して、その結果、感情を自発的に動かして「好き」という感情を抱いてもらう。これが現実(限界)なのです。

いい人なんだけど、生理的に受け付けないの!

心理療法でタバコをやめさせるとか、不良行為を改めさせるとか、いろいろそういう話を聞いたことがある人も多いと思いますが、大抵成功していません。
タバコの害を頭では理解させて「タバコはやめるべきである」という心理を形成させても、では実際に「タバコをやめました」という行動に全員が全員移行しないのは、結局、感情が「タバコをやめたい」という「タバコが嫌い」の心理に移行してないからです。

「心理学を使った恋愛テクニック」では、「この人を好きになるべきである」という理屈の制御を行うことはできるかもしれませんが、「でも生理的に受け付けないわ!」といって一線を引かれることの方が実際は多いでしょう。
特に、女性の方が感情の支配領域が大きいため、「いい人なんだけどねぇ〜」という結論を出すことが日常茶飯事です。
「どんなに頭ではいい人だと思っても、生理的に受け付けなければ指一本触れさせない!」これが女性です。少なくとも、男性であればこの感覚は絶対に把握しておくべきです。あらゆる女性トラブルの元は、ここの不理解から生じるといっても過言ではないでしょう。

最近は女性でも男性向けに「女性が教える女性にモテる心理テクニック」といったものが出てきていますが、そこに女性ならではの観点とか、そういうリアルを感じることはあまりありません。
最後に、「まあ、私はついていかないですけどね。」とかつけると、妙にしっくりきます。女性はこれくらい、メンタル(理性)とエモーション(感情)を分けて行動することができるのです。
好きな男相手なら他の男の一物を咥えて金に変え、その金を全額差し上げる。こんな行動でも、好きな相手が喜ぶだろうなという感情が理性を上回ると、本当に見ず知らずの男の一物を咥えて口の中に射精させるのも厭わない。
冷静に考えて、凄くないですか?

理屈なんかに口説かれる女性はいないのだ(安部公房)

特に、男性は理性が司り、女性は感情が司ると言います。私たちの感覚でも、この傾向は正しいと思います。では、男性は「心理学を使った恋愛テクニック」に弱いということになりますが、そうです、大正解です。男性こそ、女性にいいようにコントロールされて、女性の思うがままに全リソース(時・金・労力)をそっくりそのまま御献上させられかねないのです。

そういう意味では、感情が支配する女性を、特に「理性を支配する」心理学というアプローチで意のままに操ろうなど、恐ろしく効率の悪いアプローチと言わざるを得ません。そもそも、理性や理屈なんかに口説かれる女性などいないのです。

せいぜいいい人だなと思われるいい人止まり。それが心理学の限界であり、現実です。「ああ、好きすぎてやばい、私の話なんか全然聞いてくれないけどなんとかして振り向かせなきゃ!」これが、女性です。
悪く言えば、机上の空論、「そんな都合よく、理屈通りに行動する人間いないよな!」が、心理学の限界の先にある、現実なのです。

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