見出し画像

#22 続「ゾーンに入る」の話 実践編

みなさんこんにちは、お豆腐です。

普段は音声配信アプリ「Stand.fm」にて「豆腐メンタル会社員が毎日を生き抜くチャンネル」を運営しています。

以下は12月9日配信「#22 続「ゾーンに入る」話 実践編」のテキストバージョンです。音声でお聞きになりたい方は、ぜひチャンネルに遊びに来てくださいね。

#21に引き続き「ゾーンに入る」を考えてみます

今日は、前回配信に引き続き、「ゾーンに入る」ことについてお話していきたいと思います。
一応この配信から聴いていただいても意味が分かるようにしておりますが、もしお時間があれば前回配信も聴いていただけると嬉しいです。

配信のタイトルには「ゾーンに入る」という表現を使っているのですが、心理学的には「フロー体験」というらしく、これからお話しする内容もフロー体験について調べたことなので、以降は「フロー体験」という言葉を使わせてもらいます。

ということで、まず「フロー」というのはどんな状態かというおさらいですが、簡単に言うと以下のような状態です。

フロー(英: flow)とは、人間がそのときしていることに、完全に浸り、精力的に集中している感覚に特徴づけられ、完全にのめり込んでいて、その過程が活発さにおいて成功しているような活動における、精神的な状態をいう。(Wikipediaより)

で、本日は、
・自分がフロー状態に入りやすい条件を掴むにはどうすればいいか
・条件を掴めるとどんないいことがあるのか
の2点をお話していきたいと思います。

自分がフロー状態に入りやすい条件を掴むには?

この問いに対する答えは、端的に言うと
・(取り組むべき)目標
・(自分の)能力
この2つが釣り合う場所を知ること
です。

そもそもフロー状態というのは、7つの構成要素の1つにもあるように「目標と能力が釣り合っている」場合に生じやすいとされています。
そのため、目標・活動の難易度と、それに対する自分の能力をうまく釣り合わせるということが大事です。

ただし、ここで一つ注意すべき点があります。
それを説明するために、先日頂いたシリカさんからのレターを再度引用させていただくと、

※レターの内容は配信をお聴きください

ということです。

先程ご説明したように「活動の難易度と、自分の遂行能力が釣り合っていること」について言及してくださってますが、シリカさんは更に、その2つが「高いレベルで適合すること」というふうに書いてくださってます。
この「高いレベルで」というのがポイントなんです。

つまり、目標と能力の釣り合いが取れていたとしても、極端に簡単な目標を余裕でこなすような状況ではフロー状態には入れないということです。
いつもよりも難しい目標に、自分の能力を最大限使って、時に背伸びをしながら取り組むときにフローは生じるということですね。

ただ、この「ちょっと難しい目標」とか「背伸びをしながら」の度合いって、人によって違いますよね。
人それぞれ違う目標レベル、能力レベルをできるだけ正確に把握するには、どうすればいいのでしょうか?ここで、フローという概念の提唱者であるチクセントミハイが実際に行った研究を一つご紹介します。

人それぞれ違うフロー状態を探る実験

チクセントミハイの実験では、まず被験者にポケベルのようなものを持たせ、それを一日に10回ぐらい鳴らすようにします。

被験者はいつ何時でもポケベルが鳴ったタイミングで、
・何をしているか
・どんな気持ちか
・何を考えているか

などを記録するようにします。
これにより、被験者が日常の色々な活動のそれぞれについて、どんな感情を抱くかをつぶさに把握することができます。

そして、一定期間こうした記録を取ったあと、これらの活動を下記の2軸でグラフにマッピングしていきます。
・縦軸:活動の難易度。本人がその活動を遂行するにあたりどの程度の挑戦を要求されると感じているか
・横軸:活動に対する能力。つまり本人がその活動を遂行するにあたりどの程度の能力があると感じているか

このグラフに、日常の色々な活動をマッピングしていくと、活動の難易度・活動に対する能力という2軸のそれぞれについて、その人なりの中央値・平均値が出ますよね。
この平均値よりも高いレベルで目標と能力の釣り合いが取れた場合、つまりグラフにすると右上の方にマッピングされる活動をしている場合に、フロー状態に入りやすいということなんです。

画像1

ちなみに、逆に平均値よりも低いレベルで目標と能力レベルが釣り合っている状態を、チクセントミハイの研究では「Apathy:無関心」と名付けています。スキルを使ってる感覚も挑戦してる感覚もなく、何かに取り組んでいる感覚がしない状態です。
動画の中で「しかし残念ながら多くの人が経験している領域だ」というようなことをチクセントミハイ自身が言っていました。例として「観たくもないテレビをだらだらと見る」というような活動を話していて、少しギクッとしましたね。

ここまで厳密に自分の日々の活動を記録するかどうかは置いておいて、日々なんとなくこなしている活動をランダムにピックアップして、目標と能力の釣り合いを考えてみる、Apathyの状態に陥ってないかを見直してみる、というのは、自分のコンディションを把握する上で一ついいアイデアだなと思いました。

フロー状態に入る条件を掴めるとどんないいことがあるのか?

いい点は大きく3つあると思います。

1つ目は、多くのビジネス系の書籍なんかでも言われているとおり、高い集中状態に入ることで、活動の効率が上がったり、高いパフォーマンスが発揮できるということです。これは言わずもがなですね。

2つ目は、自己成長につながるということです。これまでお話してきたとおり、目標と能力が高いレベルで釣り合ったときにフローは生じます。ということは、フローに入ろうとすると、自ずと自分の平均よりも高い難易度の目標を選んでいくことになります。そして、仮にその目標に対して自分の脳力が釣り合ってなかった場合、人は能力を向上させようと努力しますよね。これが成長につながるということです。
ちなみにこの「高いレベルの目標に対して、自分の脳力がやや低い状態」はチクセントミハイの定義では「Arousal:覚醒」状態といい「コンフォートゾーンから押し出され、人々にとって最も学びが多い状態」としています。

そして最後、3つ目はフロー状態を生じさせる活動はそれ自体に価値があることです。
もともとチクセントミハイという人は、幸福や楽しみなどをいわゆる「ポジティブ心理学」の研究家で、このフロー状態の理論も「人生において価値のあるものは何か」といった文脈で語られることが多いんですね。
だから、フロー状態に入り、それ自体に喜びと満足を生じさせる活動はそれだけでやる価値があるってことなんです。
人生において、そういう活動が増えたら、確かに幸福度は増しそうですよね。

ということで本日は、
・自分がフロー状態に入りやすい条件を掴むにはどうすればいいか
・条件を掴めるとどんないいことがあるのか
ということをお話ししました。

スタエフ初めて始めての前後編構成で、少し長くて聞きづらかったかもしれないのですが、聴いてくださった方ありがとうございました。
また、この配信をするきっかけになったレターをくださったシリカさん、ありがとうございました。過去の配信の内容を覚えててくださって、わざわざレターで教えてくださる優しさ、本当にあったかいなと思いました。本当にありがとうございました。
それでは皆さん、本日もお疲れさまでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?