見出し画像

衝動に正直になる日があってもいいじゃない

8時に一度目を覚ましたが、いつのまにか二度寝をしていたようで、布団から出たのは10時だった。

カーテンを開けると爽やかな秋晴れだった。

天気がいい日は気分もいい。

洗顔、歯磨き、コップ一杯の白湯。これでやっと目が覚める。

コーヒーを淹れて1枚のトーストで簡単な朝食をとる。

いつもはバナナとヨーグルトも食べるが、ストックがなかった。それに昼食が食べられないと困るので、軽めの朝食で良しとする。

食後にお皿を洗っていると、街に出る用事を思い出した。今日は調子も良さそうだし、午前中に済ませてしまおう。

コロナでマスク生活をするようになって、メイクはだいぶ時短になった。誰にも会わない日はもっと適当。目と眉があれば十分だ。

一人で街に出ると思うと、少し不安になった。涙が滲んでもいいように、今日はマスカラも無しにしよう。自分へのエールも込めて、いつもよりビューラーで念入りにまつ毛を上げておいた。

案の定、街に出ると少し息が詰まった。足早に用事を済ませ、帰路に着こうと思ったが、ふと本屋が目に留まった。

そういえば本屋さんに行くの好きだったな。買いたい本はこれと言って思いつかないが、今、本屋に行きたい。そう思ったので、入店した。

本屋に行くと思考が整理される気がする。気になる本を手に取ると、「自分は今この分野に興味があるんだな」と確認できる。

ちょっと寄るつもりが、1時間弱居座ってしまった。そして気づいたら1冊本を買っていた。「積読がたくさんあるのに」と思ったが、今興味があるものを読む方がよっぽど集中できる。だから良しとしよう。家に帰ったら興味が薄れる前に本を開こう。ちなみに今は雑学に興味があるようだ。脳がそろそろ情報に飢えているのかもしれない。「知識ゼロでも楽しく読める!物理のしくみ」(川村康文・監修、西東社)という本を買った。シリーズで数学と宇宙もあった。集中力が続けばそちらも買うかもしれないが、今はわからない。今はとりあえず、「気になる!」という衝動が走った本を読む。

ホクホクした気持ちで歩いて帰っていたら、突然「クッキーを焼きたい!」という衝動に駆られた。こんなことは滅多にない。お菓子作りは、年に一度するかどうか。普段あまりお菓子を食べないし、食べるとしたらほぼ確実に買う。そんな私がクッキーを焼きたい?でも今そう思ったのなら、早速しようじゃないか!材料なんてほぼない。買いに行く間にこの衝動がなくなったら?

そういえば、ホットケーキミックスがある!よし、ホットケーキミックスと紅茶の茶葉で、簡単クッキーを作ろう。

手の込んだことをするのも好きだが、今は達成感を味わいたい。たとえ失敗してもいい。そのときは、ほろ苦クッキーでガハハと笑おう。

勢いづいた私は、帰宅後簡単に昼食を済ませ、クッキー生地を作った。寝かせている間、買ってきた本を読んだ。20~30分経ったので、生地を形成してクッキーを焼いた。焼いている間も本を読んだ。

クッキーを焼くこと25分。焼き上がりが気になって、本を読む集中力も落ちていた。オーブンから甘い香りが漂っている。焼きあがったが、余熱でもう5分放っておいた。物理的には放置しているが、意識は完全にオーブンの中に持っていかれている。

そして、いざオーブンをオープン!なんだかしょうもない韻を踏んでしまったが、そのぐらい気分は上がっている。

オーブンの中のクッキーは、なんともいえない形をしていた。きれいに焼けているものもあれば、やや焦げのものもあった。なんとなくそんな気がしていた。大きさも並べ方も適当で「ええい、ままよ!」とオーブンに突っ込んだのだから。

不格好なクッキーを見て、いかにお菓子作りへの意識が向いていないか思い知り、思わず噴き出してしまった。やや焦げクッキーをひとかじりしたら、想像通りのほろ苦さでまた笑ってしまった。でもほんのり紅茶の味がして、けっこう美味しい。

衝動に任せて本も買ったし、クッキーも焼いた。何事も念入りに準備しないと行動に移せないが、今日は勢いで行動した。クッキーみたいにうまくいかないこともあるが、なんだかんだ形になる。そして意外といい味を出すこともあるようだ。

知識を蓄え、生産性のある行いをした。そして完成度はイマイチだが行動した過程を褒める日があってもいいと思えた。

不格好なほろ苦クッキーでガハハって笑ってやった。今日はいい1日だった!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?