見出し画像

地域に「プロモーションの戦略」が成り立たない理由

2020年10月より日本一活発な火山、鹿児島は桜島に着任した、地域おこし協力隊で私がしている活動の紹介をしてまいります。

元々広告代理店で働いており、地域の広告活動のお手伝いができれば、とも考えて移住しました。待望の地域の広告活動のお手伝いをさせていただいているのですが…

やりたいと思っていたことに力を注げる環境はとてもありがたいです。しかし、悩ましいことに私の地域で関わるプロモーション活動にはそもそもの課題があるのだなぁと実際に関わることで気づいたことがあります。

お手伝いさせてもらっている中で、地域でよく起きていることは、わからないにも関わらず、とりあえずプロモーションする、ということが決まっている、ということです。それ以外はそんな予算がないことが大半。そうした案件のサポートをしているのが協力隊の仕事だとも思いながらですが…

本来、プロモーションをする目的が先にあることが当たり前のように感じますが、地域にはそれがないことの方が多いのではないでしょうか…(私が関わっている案件に多いのかもしれませんが。)

とある案件では、チラシを制作することも決まっていてその予算もあるが、デザイン代がない。なんてことも…また、何のためのプロモーションかを考えずにくつられるクリエイティブのメッセージが不明、だったりイベントや告知方法がチグハグなんてことも。
こうした地域にはびこった問題を少しずつでも方向修正していけたらと思いながらさまざまな案件に顔を出しては、提案をさせてもらっているのですがこの地道な活動な思った以上に大変だということ。

プロモーションを戦略的に考えましょう!という言葉が通用しないことも多いため、共通認識をもって話ができるようにするまでの解説の時間が多くなりがち。
評論家ぶってないで手を動かそうと、誰にどうして欲しいか、なぜ?からヒアリングを開始しながら、戦略的なプロモーションを構築していく。さらには、その広告クリエイティブまで作り上げようという段階では予算もないため、本来であれば予算がかかる話も思いやり精神でやることがしばしば。戦略にのっとったクリエイティブも、そもそも計画段階まで理解されずに修正がバシバシと、負の連鎖。

これがやりたいことだったんだっけ?と自問自答しながらなかなか思ったようにいかない地域の現場に、自分の仕事の進め方にも反省しているところです。

そんなこんなで、顔を出す案件は多く、時間もかかりながら地域のプロモーション効果の向上に努めているところでして、もちろんそこにいかに対価を発生させるか、自体も大きな課題であります。合わせて解決していかないと持続性がない本末転倒なサポートなのでシステムやある種地域の風土を変えることの大変さを噛み締めているところです。

昔、苦労は買ってでもしろ、という言葉があるのですが、こうした途方もないようなことに対して使う言葉なのかなぁと、良い経験をさせていただいていると、言い聞かせて前に進んでいかねばです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?