見出し画像

自己中心的でデリカシーのない医者がどうやって喰っていけるのか謎

長年の「痔主」なのだけど、今年は激務の中でまた新しい痔をこさえてしまいました。
書籍を1冊書くごとにできていて、今年は3つ同時にできていました。
(もうだいぶ良くなったのでブログのネタにしています)

20代初頭の頃から痔に悩み続けていて、もしかしたら小学生ぐらいの頃から自覚症状(痔核症状?)はあって、最初の手術をしたあとから、食生活とか姿勢とか、排便時のいきみ方とかに関しては「他人に指導できるレベル」の長年の痔主です。そう自負しています。自負しているだけで、実際には何も知らないのではないかしらというぐらい、「痔疾」の研究は進んでいます。

「痔疾」つまり、痔という疾病は静脈瘤だそうで、静脈瘤の研究は日々進んでいます。学会としては「日本静脈学会」なる学会があって、この分野は「下肢静脈瘤」なのか「肛門疾患」なのか、かかる医者の違い、やることの違いがあるようです。

痛そうな話を先にしておく

痔は痛いです。常に痛いですし、自分の肛門括約筋の力で、直腸の内壁を締め上げられるのですから溜まったものではないです。残糞感も常にあります。つらい。これは主に内痔核という「いぼ痔」の話ですが、世の中には「痔瘻」というもっと恐ろしい痔もあります。肛門や直腸の周辺に膿がたまり、皮膚を突き破って膿が排出される状態をいいます。肛門以外に穴がもう2-3個増えてしまうような恐ろしい痔です。

急性の痔の場合は迷わず肛門科に行ったほうが良いとおもいます。最近では肛門科も外科手術を行う「肛門外科」だけでなく、手術は行わないが、軟膏など保存治療を主体に診療を行う「肛門内科」といったように外科か内科かを明示するようになっているようです。急性の痔の場合は外科手術でさっと治ることもあります。
ちなみに手術は痛いです。当然、手術中は麻酔もあるのですが、しない場合もあります。いずれにせよ、手術をすると数日~2週間ぐらいはまともに排便はできないです。電撃のような痛み抜きには。そして出血もすごいです。生理用品を使うことになります。こんな出血に正気でいられる女性はすごいなと思います。助成に対する見方が変わります。そして外科手術は何度もできるわけではないので、手術後、数年は「大人しくしておこう」という気持ちになります。
でも書籍を書くたびに痔ができるような人生なので、書籍を書くたびに痔ができてしまいます。反省していないわけではないのです。体質とかもあります。
(モノカキ業の人々は、だいたい痔友だちなのです)

最近の痔主の常識をシェアしてみるね

最近の私は、肛門外科に行くことはないです。
いきなり外科にいくと切られるので、内科、特に下肢静脈瘤を専門にしている町医者にかかったほうが有効であることを学びました。
脚の静脈瘤、例えばエコノミークラス症候群なども同じ分野なのだけど、これを看板に掲げている医者というのはなかなかみないです。一般的には内科とか総合のかかりつけ医の中に、痔を専門にしている医師を探すのがいいと思います。

以下はあくまで患者の主観なので、詳しくは医師に相談して下さい。

まず最近は、軟膏がとても良くなっています。

・へモレックス軟膏
 1日1~3回塗布または注入。これが本当によく効く。ドラッグストアで売っている軟膏とかで耐えていた時代が馬鹿らしくなる。どんなに飛び出ていても、2週間ぐらいこれを使っていれば大人しくなる。

・ヘモナーゼ配合錠
 これはあまり効いているのかどうかよくわからない。

・乙字湯(漢方)
 漢方は詳しくないのだけど、なるほどなあという感じ。

漢方では、痔は滞ってしまった「血(けつ)」、すなわち「瘀血(おけつ)」が肛門にある状態と考えます。「瘀血」ができる原因はさまざまですが、冷えや便秘などが原因となります。
漢方製剤「乙字湯(おつじとう)」は、漢方理論をもとに、江戸時代の日本人医師が作った処方です。「血(けつ)」の流れを良くしてうっ血をとることで腫れを抑え、傷の治りも早めます。また、使用することで便の通りを良くして、排便時の痛みや圧迫をやわらげるとともに、筋肉の緊張を高めて、中の痔が出てこないようにする処方です。

 漢方薬というのは「薬が人を選ぶ」という常識があるらしく、「何日か飲んでみて合わないな」というときはやめたほうがいいらしい。かつては「漢方は体質が変わるまで飲み続けなきゃ駄目」という言われ方をしたものだけど、「合ってないからやめる」でいいのか、なるほど。そして「不味くて飲めない」みたいなのも「あってない証拠」らしい。
自分にとって乙字湯は「うまい、とは思わないが、不味くて飲めないというわけでもない」というライン。
なお「食間に飲まないと」というのも効果や吸収の話らしいのでそこまで気にすることはないらしい。

・食生活
 昔は、痔といえばコーヒーとか唐辛子とか生姜とかいった刺激物とかを禁じられたものですが、まあ確かに体感としてないことはないのですが、あまり気にしなくて良いそうです。調べてみるとコーヒーが血流を良くするとか逆に利尿効果を高めて悪くするとかいう話もあるし、唐辛子も丸ごと食べるような文化ではないので、直接傷にすり込むような食生活でなければ大丈夫でしょ、という感じもする。

・冷えを防ぐ
 実際のところ、冬場の冷たいバイクのシートとか自転車のほうがキツイと思う。温めることは大事だ。

・座り続けない
 尻圧については座り姿勢を気をつけることでだいぶ回避できるのだけど、やはり「座り続ける」がよろしくない。過集中するタイプのひとは、20分に1回ぐらいは立って歩いたほうが良い。AppleWatchのスタンドアップを設定しておき、通知する。屈伸したり特に股関節を開いたり閉じたりする運動はしたほうがいい。ついでに言うと四十肩とかの予防にも肩や腕をぐるぐる回したりするのは大事なのでよくやっている。大阪市立大学の「市大ストレッチ」は学生さんにもオススメ。


自己中心的でデリカシーのない医者がどうやって喰っていけるのか謎

そんなこんなで最近のかかりつけ医にしていた病院は下肢静脈瘤の専門の先生が集まっていて、物腰柔らかで説明も丁寧な女性の先生もいたりして良いな、と思っていたのですが、最近、非常に稀に、院長先生にあたったのです。

それが、
「おう、はじめてだな、痔か!」
みたいなオレオレ感のある先生で。

(これから私の肛門をこのオッサンが診るんだ…)
という気持ちになった瞬間に、尻の穴も緊張感が走ります。

ここから先は

1,108字

¥ 300

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?