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散開星団の渋滞エリア

はじめに

 ペルセウス座の2重星団を撮影してから、全くもってメジャーではないけど、なにか光るところがある領域を撮影してみるのもアリ?ってことで、実はマイブームです。

 今回は、カシオペア座の天の川の中に、たくさんの散開星団が集まっているエリアを一網打尽してみました。我々が地球からアンドロメディア星雲を撮影するといろんな色が生まれるように、我々の住んでいる天の川銀河も外から撮影するといろんな色があるんだと思います。暗黒帯とか分子雲とか、なんかよくわからない色々が実はあるんだと思っており、ただ散開星団をきれいに撮影しようでは面白くないので、バックグラウンドの色々を楽しむような感じにしてみました。

どこだ!

だいたいこのあたりです。いくつかのNGCナンバーがございます。

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いきなり撮影結果

 いろいろ書いても、何も伝わらないので、画像処理した結果です。

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 感想は、とても地味でした。星だらけです。

 でも、散開星団が4つほど見えたりします。暗黒帯がみられたり、バックグラウンドの色にも褐色ぽい部分とかみられます。バックグラウンドの彩度と輝星の彩度を別々に調整したりとか、簡単ではありませんでした。

 Annotateしてみたところ、3つのNGC天体、1つのIC天体がありました。

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撮影データ

 こんな場所なのに、贅沢に6時間半ぐらいの露出データを利用しました。これも、バックグラウンドの色を出すためです。本当に贅沢です。

[Technical Data]
Main Object Name: NGC 663
Date: 2021/11/25, 2021/11/26, 2021/11/27
Location: Fujigane Remote Observatry, Yamanashi, Japan
Scope: Astro System Austria 8N + 3“ Wynne Corrector
Focal Length: 730mm
F-Ratios: 3.6
Mount: iOptron CEM60EC
Auto-Guide: ASI120MM, KOWA LM100JC, PHD2 2.6.10 
Camera: Moravian G3-16200
Filter: 
 Astrodon LRGB Gen2 E-Series Tru-Balance Filters
Exposure: 
 L:  1x1 600sec x 22 -20C
 R:  2x2 300sec x 10 -20C
 G:  2x2 300sec x 10 -20C
 B:  2x2 300sec x 11 -20C
Imaging SoftWare: Sequence Generator Pro
Processing: PixInsight 1.8.8, Photoshop 22.2

画像処理

 いつもの通りです。星が飽和しすぎないように星マスクをかけてHistogramTransformationの作業を進めています。

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 処理のポイントとしては、Starnetで作成した星マスクを、Photoshopでマスクに利用して、明るい星はより明るく、彩度も強調し、暗い星はより暗く、彩度も薄めにしているところでしょうか。

 あとは、バックグラウンドの彩度とハイライトの彩度を別々に処理したりしております。そいういう部分は全部、Photoshopの「レイヤー効果」の設定に頼っています。

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 チャネルを赤だけにしたり、ブレンド条件で明るさの範囲を絞ったりと、天体写真の画像処理にとても便利な機能だらけです。

さいごに

 地味な領域でも、丁寧な処理をすることによって、地味ななかでも派手さをシッカリとアピールできるような気がします。

 星雲がないので、いつもは忘れがちな、星を丁寧に扱うという処理がメインの対象でした。

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