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さらばスバルよ♫ 2020年も終わりなので、プレアデス星団を撮影してみました

はじめに

 プレアデスといえば、、、Wikipediaを調べてみよう。

 ギリシャ神話の7姉妹、プレイアデスさんですね。

 自分は肉眼で何個までみえるかを小学生の時に友だちと競った思い出ばかりです。塾から自転車で帰る時に、真上に輝いているスバルをみて、何度も電柱にぶつかりかけたことがありました。

 天文写真屋としては、プレアデス星団の撮影は、秋ごろなのですが、自分は一番美味しい12月の新月期の合間で撮影してました。

構図決め

 観測所のカメラ位置を縦構図で固定にしていたので、縦構図だとプレアデス星団はアンバランスかなあと思っていたのですが、もしかしたらということで、ちょっとサイトでみてみたら、案の定、ジャストサイズでした。

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 これだと、印刷したときに見応えありそうです。

撮影

 3夜です。19時ぐらいから既に天頂付近にいるので、早めの時間帯で撮影しています。ただ、Rフィルターについては、23枚もコンポジットに使っています。BもGフィルターもそれなりに撮影し、さらにLフィルターもそれなりに撮影していたのですが、モヤが少しかかっていたみたいで、ソフトフィルターをかけたように星の周りがボヤーーーとしていたので、それらはボツにしています。

[Technical Data]
Main Object Name: Pleiades Cluster
Date: 2020/12/16, 2020/12/17, 2020/12/18
Location: Fujigane Remote Observatry, Yamanashi, Japan
Scope: Astro System Austria 8N + 3“ Wynne Corrector
Focal Length: 760mm
F-Ratios: 3.6
Mount: iOptron CEM60EC
Auto-Guide: ASI120MM, KOWA LM100JC, PHD2 2.6.9dev2 
Camera: Moravian G3-16200
Filter: 
 Astrodon LRGB Gen2 E-Series Tru-Balance Filters
Exposure: 
 L:  1x1 600sec x 17 -25C
 R:  2x2 300sec x 23 -25C
 G:  2x2 300sec x 7 -25C
 B:  2x2 300sec x 8 -25C
Imaging SoftWare: Sequence Generator Pro
Processing: PixInsight 1.8.6, SellaImage7, Photoshop CC 2021

仕上がり

 超自然な仕上がりを目指してみました。コントラストも無理せず、星の感じも自然よりです。やろうと思えば、ハイパスゴリゴリでウネウネだせるのですが、ソフトライトでちょこっと微細構造だけ強調してます。

 特に七人のプレイアデス姉妹の存在感を目立つように仕上げております。全体の星というよりも、7つだけ大きくしたという感じです。

 バックグラウンドの明るさが難しいです。明るくすると分子雲も見えるのですが、それはそれでプレアデス本体を主題とすると、見せたくない汚物なので、この際、暗くしあげました。

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画像処理

 画像処理ですが、いつものフローです。ABEしてからコンポジットしてます。

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光条の処理について

 私の鏡筒、ASA8Nはダブルスパイダーの反射望遠鏡です。光条が非常にシャープで長くでるのが特徴です。ピント合わせも2重の光条を合わせれば良いので楽チンです。

 ただし、明るい星があると、すごく長い光条が発生します。たとえば、今回のプレアデス星団(Lフィルター)では普通にやるとこんな感じでした。周辺部をみて欲しいのですが、輝星を起点とするスジが斜め45度の角度でたくさん走っています。

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 わかりにくいので右上をクローズアップしました。

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 これをPhotoshopで補修とか補正とかするのは非常に難儀なので、何か手がないかと探っていたのですが、PixinsightでImageIntegrationの際に人工衛星を強力に消してくれるオプションがあるので使ってみました。
 Large-Scale Pixel Rejectionです。数年前から実装されているようです。こちらのパラーメーターを両方ともチェックして、それから、Sigma highをdefault valueが3のところを1+αぐらいで追い込んでいきます。

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すると、周辺部に目立っていた光条が、目立たない程度までRejectionすることができたのです。

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 強力にRejectionしていることもあって、ノイズが出ちゃうので、周辺部だけ利用するように合成を行っています。

さいごに

 プレアデス星団の撮影も、初体験です!非常に明るい対象なので、初心者でも簡単に画像処理できますね。

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