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北アメリカ星雲を撮影したよ

はじめに

 梅雨まえに活動を再開した天体写真なのですが、遅い梅雨明けまでの1.5ヶ月のブランクをおいて、本格的にやりはじめました。満月から新月期の間ということもあり、1日に数時間程度(月がでるまでの21時ごろから23時ごろ)の撮影しかできないことから、一度撮影したこともある比較的明るい対象の北アメリカ星雲にしてみました。

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構図

 リモート撮影のConsは、カメラの回転ができず、構図が縦か横の片方になってしまうことです。撮影時点では縦構図でした。縦構図のまま北アメリカ星雲をフレームインすると、面白味がないので、右隣のペリカン星雲も配置しましたが、これだと横構図の定番なので縦構図にする意味がないので、両星雲の下側にある暗黒帯がグニュグニュゴニョゴニョするエリアを加え、北アメリカのメキシコ湾の暗黒帯を中央に配置してみました。

撮影データ

 8月13日は月が沈むまでR→G→B→Lの順番に撮影開始しました。ただし、雲がきたり、モヤがかかったりでオートガイドがストップしたりと条件が悪く、最初のRフレームが終わったのが21時半ごろ、そこからGを撮り始めるが同じような条件でボツだらけで23時前にGフレームが終わり、月が登ってくる0時すぎまでにBフレームは撮り終り、結局Lフレームは一枚も撮影できませんでした。
 次の日の14日は21時半ごろから空が晴れ、23時前には曇ってきたので、その間、Lフレームを8枚撮像。
 15日は最初から快晴で、残りのLフレームを21時半ごろまで10枚撮像。3日間も北アメリカ星雲を追っかけるとか観測所でないとできない芸当。遠征だと心が萎えちゃってたでしょう。

 結果的に、合計310分(約5時間)の光を集めることになりました!

[Technical Data]
Object Name: NGC7000
Date: 2020/08/13, 2020/08/14, 2020/08/15
Location: Fujigane Observatory, Yamanashi, Japan
Scope: ε-130Db βSGR
Mount: iOptron CEM60-EC
Autoguider: 
 Camera: QHY5L-II
 Scope: KOWA LM100JC
 Software: PHD2
Camera: Moravian G3-16200, -15C
Filter: Astrodon LRGB Gen2 E-Series Tru-Balance Filters
Exposure: 
 L: 1x1 600sec x 18
 R: 2x2 300sec x 8
 G: 2x2 300sec x 8
 B: 2x2 300sec x 10
 Software: Sequence Generator Pro
Processing: 
 PixInsight 1.8
 StellaImage7
 Photoshop CC 2020

画像処理

 Google画像検索で「北アメリカ星雲」「NGC7000」で検索するとワンサカワンサカでてくるようなメジャー対象なので、加強調されたやつとか、赤色しかないやつとか色々でてきます。そんなに画像処理的には難しくない明るい対象ということもあるので、基本的にはコントラストを整えて、カブリを引いていくことだけでした。画像処理フローについてはこちらの記事と同じです。詳細な画像処理については、こちらの記事を参照ください。

気をつけたことを以下にまとめました。

①北アメリカ星雲の合衆国付近からカナダのエリアについては透明感を残し、白っぽくならないようにし、色の抑揚が感じられるようにすること

②メキシコ湾の構造に注意し、さらに太平洋側の山脈ぽい明るい部分についても白くならないように、そして色が飛ばないように留意し、色で構造がわかるようにすること

星は輝きが感じられるようにすること ※これはどの写真にも気をつけること

さいごに

 このシステムで撮影した北アメリカ星雲は、以前プロミナーと60Daで撮影したときよりもノイズが全くなく、画像処理も非常にしやすかったです。冷却CCDによる長時間撮影は正義です!

 ただし、今回は調子にのって、強調しすぎたかな。。。

 最後のお楽しみのクローズアップコーナー。毎回やります。縮小なしの等倍での切り出しです。

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 おしまい

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