見出し画像

カジュアルで貧乏な大統領『世界でもっとも貧しい大統領 ホセ・ムヒカの言葉』

こんばんは、オマンです。
今回は日本の政治家とは真逆の考え方をしているユニークな人を紹介したいと思います。

彼の行動があまりにも大統領のイメージと違い、現実味が無さ過ぎて疑ってしまうことがありましたが、彼の考え方を理解していくにつれて信憑性が高まってきます。

1. 紹介

『世界でもっとも貧しい大統領 ホセ・ムヒカの言葉』[著]佐藤 美由紀

2. 感想

本書の主役であるホセ・ムヒカはウルグアイの政治家であり、2009年の大統領選挙に当選して40代大統領を勤めていました。
そんな彼のスピーチを人生や経験と絡め、時代の背景、情勢をまとめて収載されています。

彼は真っ当な政治家とは言えないような異様な経歴を持っています。
・極左ゲリラに加入
・トラックや銀行を襲う
・複数の銃弾を浴びる
・ゲリラメンバー共々逮捕される
・トンネルを掘り、ウルグアイ最大の脱走劇を行う
・13年間の獄中生活(監禁状態)
‥‥

これらの経歴もまた人を惹きつける要因になったことは間違いないと思います。異色な存在の行動や言動に国民は魅了させられたのでしょう。
また、この獄中生活が彼自身をある意味プラスの側面から支えたのだと本書で理解できます。不自由であった獄中生活から唯一手配された本から「自由」を学習したことで、昔からあった自分の意志と対峙したことで今の彼を生んだのだと感じます。

*

あまり大統領の職業内容を深く考えず、できることから実行してました。自身の豊富な経験から国民の大多数が抱えている問題を的確に把握して生活の手助けにな政策を打ち出しています。

今の日本の政治家とは大きく違う点であると思います。
見かけだけのパフォーマンス、自分の地位や名声を重視する行動など見るからに無駄な政策を打ち出していることは彼との格の違いを見せつけられます。

大統領という職業をアルバイトをさせていただくと考えているからこそであり、このようなところがカジュアルに見える要因でもあります。

*

大統領の身分を偉く見せようとせずに社会の格差を本気で解決しようと取り組む強い姿勢を感じられます。
そのためにも、まずは自身の格差を是正するため生活水準を大多数の一般家庭並みに下げて、車や住む場所をこだわろうとはせず、大統領期間中に得た給料も慈善事業に寄付を行っていました。
このような行動は彼の犠牲ではなく、義務だとして国民に手を差し伸べています。

大統領時代は良い意味(慈善行為)でも、悪い意味(貧困層が多い)でも「貧乏」であったのだと思います。

*

彼のスピーチと合わせてウルグアイの国内情勢、外交関係、政治史について詳しく書かれているので、彼の言葉に深みが増してとても勉強にもなります。

消費社会に対するホセ・ムヒカのスピーチを分かりやすく汲み取ることができ、自分の消費的な行動を変えていこうと思えるので、ぜひ読んでみてください!

この記事が参加している募集

#読書感想文

189,023件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?