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kintone経理 番外編『大切なのはツールを「使えること」ではないという話』

「Excelを教えてください」

社内でそういってくる人がたまにいます。
ですが、長く続いたことがありません。
もちろん何も聞かずExcelも使えない人よりは断然マシなのですが、なぜ続かないのでしょうか。

私の教え方に問題があるかもしれませんが、本人にExcel習得後の業務に活かすイメージを持てていないからではないかな、とも思うのです。

私はツールの使い方ではなく活かし方を覚えてもらいたいのです。

とある問題解決までの道のり

ある取引先さまとやり取りをしていた中で発生していた問題がありました。

取引の概要

・取引先A社から原料の仕入れをしている
・取引先B社に対してA社経由で製品を販売していた
  ↓↓
大人の事情により、B社は製造メーカーと直接取引しなくてはならなくなった
  ↓↓
・B社への販売はA社を通さず直接行うことに
・B社へ販売したときは、A社に対して「販売手数料」を支払うことに
  ↓↓
・A社からは通常の仕入分と販売手数料分の2枚の請求書が届くことになった

ざっくり書くとこのように「B社の大人の事情」によって新たな商流が発生したのです。

不備だらけの請求書

取引先様がどのような管理をしていたか、そこまで踏み込むことはできませんが、新たに始まった手数料取引の請求書がひどいものでした。
抜けや漏れ、キャンセルになったものが請求されているなど、毎月何かの不備があり確認する手間を取られていました。

このまま無駄なことに手を取られるわけにはいかないと、改善を提案したわけです。

改善案として

改善案として私が提案したのは検収明細書の送付でした。

元々B社から毎月検収明細書が送られてきていたのでそれと同じようにA社に対して送付することにしました。
買掛の管理をしていたデータベースから検収明細を発行し、
この検収明細書を確認してから請求書を発行してもらうようにしました。

kintone導入前はExcelで作成していました。
データベースから帳票に転記するだけの簡単なものでしたが、Excelだとやはり属人化してしまったので誰でも出力できるようにkintone化しました。

これをやることで請求書の不備もなくなり、検収明細書の発行の手間は残っているものの、以前の手間を考えると大幅に軽減されました。

思考とスキルが伴うことの難しさ

もちろんこれは一例にすぎませんが、こういうことが次から次へと起こる業務の中で私が教えるべきことは一体何なのでしょう。
表の作り方でしょうか。素早く表が作れるようにショートカットや関数、VBAの知識でしょうか。kintoneのアプリの作り方やkrewDataやプリントクリエイターの使い方なのでしょうか。

例えばワンクリックで帳票を作成する技術があっても、問題に対して改善アプローチすることができなければ残念だと思うのです。
もちろんスキルを身につけることは大切です。
システム化の依頼があれば応えることはできるでしょうが、依頼に応えるだけでは社内で高い評価を得ることは難しいかもしれません。

私が必要だと思うのは手書きでもいいから検収明細書の作成を提案できるアイデアを持つことです。後で効率良く作製できるスキルを身につけてもいいのです。

自ら業務改善を提案しそのために必要なスキルを身につけていく方が効率もよく、モチベーションを保ち学習も長続きするのではないかと個人的には思います。

ただそういった改善思考の教育は一体どうすればいいのでしょう。改善思考は持っていても「実際にやってみる」と行動に移せるような人間は果たして育成できるのかとすら思います。
ですが継続して改善していくためには担い手を増やすことは常に考えておかなくてはならないのも事実です。
そういう教育ができるよう私もさらに精進しなくてはなりません。

後進の育成、我々零細企業にとってはとても悩ましい問題なのです…

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