kintoneで紙の在庫表の電子化に成功した話
長い間当社では紙で在庫管理をしていました。
月初に作成した在庫表に、入庫すればその都度書込み、出庫があればその都度消込を行い、月末に棚卸を行い新たな在庫表を作成する。
という文字にしただけでも地獄のような在庫管理をしていました・・・
ヒョウケイさん化はしましたが、データの共有をすることが難しく、結局紙に出力して手作業することからの脱却はできませんでした。
その後kintoneの導入によりほぼ完全に電子化が実現し、作業効率も格段に向上しました。
在庫管理を手書きからkintone化したことで
ペーパーレスで在庫表の共有ができる
在庫消込などの計算間違いの解消
モバイル端末等を利用し現場で作業ができる
kintone化したことにより、それまで会社以外での作業が可能になったことが最大の成果でした。
営業先で在庫を確認できて受注できるようになったのは大きいと営業も言っていましたし、出荷指図業務も在庫表を横に置いて作業していたのがkintone化によって在宅勤務でもできるようになりました。
手作業で消込をしていた時に生じていた計算ミスもなくなり、作業時間を減少させることに成功したと思っています。
在庫表の概要
一覧画面
前月からの繰り越し在庫数
当月の入庫数
当月の出庫累計
現在庫数
詳細画面
未出荷指図(受注残リスト)【関連レコード】
前月からの繰越
当月の入庫
当月の出庫履歴明細テーブル
レコードを修正した場合の変更履歴記録テーブル
在庫表の構成
全体の構成
在庫表は非常に簡単な構成でできています。
入庫伝票アプリと出庫伝票アプリから作成します。
それぞれのアプリも簡単な構造になっています。
「入庫・出庫二つのアプリを一つにして集計して0よりも大きくなるレコードのみ抽出」して在庫表にしています。
しかし標準機能のみではこの処理はできません。
そこで、神プラグインこと「krewData」を使用しました。
フローの簡単な説明
1.前月からの繰り越し在庫の計算
①入庫アプリと出庫アプリから前月までのレコードを抽出し、
「レコードの結合」を行います。
レコードの結合は、同じフィールド名のものは同一列にまとまり、異なるフィールド名のものは異なる列として結合されます。
②商品のロットナンバー単位でグループ化を行い、入庫数量と出庫数量を合計します。
③列を追加し、レコードごとに入庫数量から出庫数量を引き、在庫数量を計算します。それを繰越在庫数という列にします。
2.当月入庫数をレコード結合
④入庫アプリから当月入庫したレコードを抽出し当月入庫数というフィールド名にして、③のデータと「レコードの結合」します
3.出庫履歴データを商品と紐づけ
⑤出荷管理アプリから出荷済みのデータを④のデータと「アプリの結合」で左外部結合します。
⑥入庫商品と出庫商品が一対多になるので、出荷データをテーブル化。
商品在庫表アプリに出力し完了。
今後の課題
入力作業の効率化
→バーコードを読み取って情報入力できると楽だと現場からの声原料・中間製品の在庫管理との連携
→現状まだ紙から脱却できない財務の棚卸高の計算との連携
次は他の業務や他のアプリとの連携をどう撮っていくかがメインの課題になっています。
まだまだ改善ジャーニーは続いていくようです。
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