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港区子ども家庭総合支援センターを視察しました

2023年7月13日(木)
港区児童相談所、港区子ども家庭支援センター

概  要 港区児童相談所、および港区子ども家庭支援センターの視察を行いました。
港区では子ども家庭支援センター・児童相談所・母子生活支援施設の3施設が2021年に開設された港区子ども家庭総合支援センター(ミナトイク)に入っています。
児童相談所の設置市としては特別区で4番目、全国でも7番目であり、様々な児童相談所に視察に行き検討を重ねて作られたものであるとのことでした。特に人員配置については国の配置基準を上回る人員配置となっています。また、児童相談所の設置に伴い、都の事務のうち16事務が区に移管されました。


所  感 ミナトイクの施設内を見学させていただきました。開設から2年しか経っていないこともあり、施設内がきれいであることはもちろんのこと、相談者同士が鉢合わせしないように工夫されているなどの動線の配慮、備品の種類や置き方にも細やかな配慮を感じました。館内の見取り図も工夫を凝らす等、情報の開示・非開示の区分けも上手くなされていました。
各部屋は他の児相とほぼ同じ内容でしたが、印刷もできるホワイトボード等、利便性の高い機器が中心に設置されていました。他の児相との違いでは・被害状況確認のためにカメラを設置している部屋と映像を確認できる部屋がかなり離れていること・採光を重視しつつ外から見えないように窓がかなり高い位置にあること、の2点が特に印象に残りました。
特に採光に関しては、内側の部屋はどうしても暗くなるため、大きな中庭を設け採光を確保されていました。
人員配置としては、児童福祉司資格を全員がもっているとのことで、他の児相とは違い、一般的な人事異動とは別枠で捉えているようでした。
他の自治体では他の部署と同じよう扱われ、新設した児相も短いと2年程度で交代の時期が来ると頭を悩ませていましたが、港区では最低8年程度人事異動しないことを前提としているそうで、異動についてはその頃を目途に考える予定であるとのことでした。
児童福祉司の採用は公募で行い、港区からは他の自治体からの経験者も含め順調に人が集まったとのことです。
実際の職員の配置(席)については、同じ部屋の中に児相の職員、子ども家庭支援センターの職員等が配置されており、いつでも気軽に情報交換ができるものとなっていました。両者は区民からの連絡先が異なっていますが、区民は厳密に相談先を選べていないこともあるので、その場合でもすぐに正しい担当課に引き続きができる点等、大変便利だと感じました。
港区の児相計画が発表された当初、反対運動があり、それに対し区が「まとまった土地が必要」と繰り返し説明されていた記憶がありますが、このような部署間の連携のために必要だったのだ、と実感することができました。
保護所については定員が12名、男児4名、女児4名、幼児4名ですが、全体の職員数に対して少ないな、と率直に感じました。ただ、定員は上回ることが多く、定員以上預かることもあるとのことでした。また、幼児は少なく学齢児が多いという特徴もあり、これは港区の特徴として教育虐待が多いということが関係しているのかなと思いました。分析等はまだ行っていないそうなので結果を待ちたいと思います。
加配については心理職が一人、福祉司は加配していないとのことでした。開設当初はもっと加配していたそうですが、区の自費になるのでやはり港区でも難しい様子でした。
児相の他に子ども家庭支援センターも見学させていただきました。ボランティア活動が他の自治体と比較しても活発な印象を受けました。
その他、港区には養護施設が無いので児相があってもその点は他の自治体に頼らざるを得ないこと、海外に比べて日本の虐待対策、対応の未熟さや今後の展望等をお話しいただきました。全体の印象として、建物は他の自治体と大差はありませんが、虐待の背景やボランティアを希望する住民の数等、住民の生活背景がこれまで見てきた他の自治体や町田と異なることが印象的でした。
最後に、視察を受け入れてくださった港区の職員の方々、設えていただいた親子・子育て応援ラボの横山議員に厚く御礼申し上げます。

(文責・東友美 町田市議会議員)