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シンセの音作りを学ぶならSyntorial一択

僕は一応エレクトロニックミュージックをメインに制作活動してます。
バンドものやアコースティックな曲も作れますが、それら全てで何らかの形で必要になる重要楽器がシンセです。

ただ、昔からシンセに苦手意識があって、どうにも困ってました。

色んな曲を聴いて「ああ、こういう音出したい!」と思って真似しても、何か似ない。プリセットを買ってみても曲にうまくアジャストできない。

シンセの仕組み、フィルターとかLFOとかエフェクトとか大まかには理解しているつもりだけど、複雑なサウンドになると何をどうしたら思い描いているニュアンスに近づけるか手の付け所がわからないことが多い。

こんな悩みがあって、エレクトロニック作ってる立場としてもシンセをマスターしきれていないというのはコンプレックスでもありました。

こんな初歩的な悩みは早いうちに解消したい!と思っていた矢先にSyntorialと出会いました。



Syntorialとは

Syntorialはインストール型のシンセサイザーサウンドメイク教材です。

Syntorialの中にソフトシンセが存在し、それを使ってシンセの各機能について解説してくれ、その上で実際のサンプル音色を解説された知識をもとに自分で再現する、再現する耳を鍛えようというコンセプトです。

僕は座学的な勉強は基本的に苦手で、実際に体感したり経験したりが伴わないと自分のスキルとして使えないタチの人間なので、この「実践を伴っている」「暗記ではなく耳を鍛えよう」というコンセプトがとても気に入り、ちょうどセールをやっていたのもあって購入してみました。

バークリー卒の講師

教えてくれるのはSyntorialの開発元企業Audible Geniusの代表でバークリー音楽院卒のジョー・ハンリー。

https://www.linkedin.com/in/audiblegenius/

バークリー卒で活躍しているアーティストで個人的に好きな人はたくさんいるし、「習うならちゃんとした音楽的バックボーンのある人に習いたい」と思っている僕としては十分信頼できる経歴の人で、実際Syntorialのカリキュラムも適当ではなく、機能的な難易度や重要性、覚えるべき順番に基づいて基本から高難度に流れていく構成になっており、とても理にかなった内容になっています。

ゲーム要素があるから楽しい

基本の構成は、ジョーの解説ビデオ約8分、その後実際に触りながらサンプルで提示されるパッチ音色を再現する、途中で選択式のクイズを挟んで、最後に自習のための宿題が出る、までが1つのチャプターとなっていて、

1チャプターごとにフィルター、ディレイ、LFOなど1機能を解説していく流れになっています。

この再現テストやクイズをクリアすると☆3つ評価で「よくできた!」とか「まあまあ」とか評価され、進捗がゲームのトロフィーみたいに可視化されるので「全部コンプリートしてやりたい!」という欲望に駆られて、どんどん先へ進みたくなります。この作り方は上手い。

実際の画面

ある程度まで進捗すると「初心者」から「見習い」、「職人」、「錬金術師」とクラスが上がっていく表示になっています。音の錬金術師!呼ばれてみてえ!

以前は英語だけだったみたいですが、僕がやり始めた段階では日本語対応もされていて、機械的な翻訳ではなく人の手による日本語字幕が入ってるので、英語苦手な人でも取っ付きやすいと思います。

手っ取り早い正解じゃなく、体系的な知識

が得られるのがSyntorialの一番良いところだと思います。

時代なのか何なのか、みんなすぐに100点の答えを早く簡単に知りたいんだな、そのせいで「簡単」「誰でも」「すぐに」みたいに書かれたYouTube動画や有料noteが多いよな、と感じている(しかもそういうのに限って大したことは話されていない)んですが、

僕はそんな簡単に得られるインスタントな知識じゃなくて、その後に応用が効く本物の知識が欲しいです。

はっきり言ってSyntorialは簡単じゃありません。各パラメータをざっくりした数値にしたりと簡易にしている部分はありますが、「音を聴き取って特徴を掴んで探りながら答えを見つける」という耳コピを最初からガチでやらされます。

フィルターのカットオフだけ使ったシンプルなテストでも、ざっくりこんな感じ、というレベルの回答では星3つはくれません。

だからこそ、自力で正解を導けた時に成長している実感を得られて、その先に進みたくなる、とても本質的で音楽的ないい教材だと思います。

定番シンセにも対応

Syntorialには拡張パック的なものがあって、世界で定番とされるSerum、Sylenth1、Massiveなどの人気ソフトシンセでのレッスンパックもあります。

Syntorialで習得したことを各シンセで再現するならこのパラメータがここ、というような解説が入っていて、それぞれのシンセ特有の癖も交えて話をしてくれるので、買ったばかりの初心者が使い方を覚えるのにも最適。(僕もSerumは結構前から使ってるけど、デフォルト波形のMGという表記がMoogの略だったなんてことはSyntorialで初めて知りました)

なので、覚えたことは即制作に活かせるし、SerumとSylenth1は僕のメインシンセでもあるので本当に実践的だと思いました。

プリセットの向こう側へ

有料プリセットを買うのを悪いとは全く思いません。僕も全然買います。でも、音色探しって時間かかるしずっと聴いてて辛いし、自分でも再現できるものが多ければその分時間の短縮にもなるしなあとは以前から感じていて、

何よりシンセサイザーを理解できると音をアタック、ディケイ、サステイン、リリースという四要素+周波数とエフェクトという概念で捉えられるようになって、シンセに限らずサウンド全般に対する理解が深まるいい楽器だと思っています。

というわけで、シンセが苦手なのを卒業したい人、プリセットの向こう側へ行きたい人、音の錬金術師になりたい人はぜひSyntorial挑戦してみてください。

(公式サイトのリンク⬇️アフィリエイト貼ったりしてないので笑、安心して見に行ってトライアル版をやってみてください)


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