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『バールで立ち話』
「どんな珈琲が好きですか?」
こう、聞かれたら、何と答えますか。
今なら「トップノートのクリーンな珈琲が好きです。」と答えます。
焙煎を始め、香り豊かなクリーンなスッキリした珈琲を飲めるようになったのはつい最近のこと、その時の感想は「えっ!今までのはなんだったの?」でした。
そのきっかけを作ってくれたのは、「バールで立ち話」と言う本です。
著者は仙台で焙煎をされている宮嶋克雄さんという方で、以前はメールマガジンで配信されていて、記事を読んでいましたが、改めて、この本を購入して読み直しました。
何の気なしに飲んでいた珈琲は香りも味も違うものだったのです。一人前のふりをして焙煎を始め、通ぶって珈琲を飲んでいましたが、珈琲豆をミルで挽き、ドリッパーで淹れても珈琲の味には程遠いものでした。
貴方の今飲んでいるのは珈琲ですか?と聞かれ、胸を張って「はい珈琲です。」と答えた私に、「これが珈琲です。」と香り豊かな美味しい一杯を差し出され、今までの珈琲に対する概念をひっくり返されたような一冊です。
その中に、こんな記述がありました。
珈琲は加工済みのカフェの珈琲と自分で加工する生活の中の珈琲とがある。
この「加工済み」という言葉がしっくりくるんですよ、誰かが全ての工程の作業をして目の前に出てくる製品って感じで、言い当ててます。
本来は家庭で煎り飲まれていたものが、いつの間にか非日常空間のカフェを楽しむためのおまけという立ち位置になってしまっていて、焙煎から抽出まで自分で行うことで、全ての香りを独り占めできる幸せは、かけがえのないものです。
珈琲は一期一会の飲み物なのだともおっしゃっています。
不揃いの珈琲豆を無作為に10g取り出して一杯の珈琲が出来、二度と同じ味は巡り会えない。
そうなんですよ、毎日飲む珈琲の味はいつも違うんです。それがおかしいと考えていましたが、今はそれを楽しむことにしました。
産地を追いかけても、いつか淹れたあの時の美味しい珈琲に会えないのですね。
その他にも珈琲の歴史、地域による水の違い、その違いによる焙煎、挽き方、抽出方法まで細かく説明してあります。
この次は「All about coffee」を読んでみたくなりました。
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