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『もっと知りたいコーヒー学』

工学屋が探求する焙煎・抽出・粉砕・鑑定etc.

広瀬幸雄 著
出版社 旭屋出版
発行日 2007年8月6日
ページ数 200ページ

著者の広瀬幸雄さんは大学教授で材料強度学が専門で、「鳥を寄せ付けない銅像の科学的研究」でイグノーベル賞を受賞している人なんです。
工学屋がコーヒーを研究すると、内容が深いので驚かされる。一般人には馴染みのない「SEM」(走査型電子顕微鏡)でコーヒー豆の断面を詳細に観察するなんて今までのコーヒーに関する本で見たことが無かった。
想像するだけだったコーヒー豆を焙煎した後の穴ぼこだらけの豆の断面やその穴に付着したコーヒーの成分を直接見ることのできるのは、ちょっとした感動だ。

今までは、通説とか俗説とか、~だろう的な話が実際に検証されていく様子はゾクゾクするほど楽しい。
「直火焙煎」なんてと言われていたが、本書では直火(コーヒー豆を入れるドラム部分が穴あきのパンチングで出来ている)と穴なしのもので比較もしている。
従来は直火とか炭火とか意味がないと言われていたけど、違いがあることが分かってきた。(あくまでも実験者の感覚であるが)

とにかく、実験と検証を通して明らかになっていくコーヒーの世界は、今までのものと少し違って、自分の中で混乱しているのが分かる。

多少物足りない部分もあるが、コーヒーを工学的に定量的な視点で解説しているので、ぜひ一読されると、コーヒーに対する見方が変わってくるかもしれない。

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