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『世界を変えた6つの飲み物』

トム スタンデージ 著 新井 崇嗣 訳

コーヒーの歴史を探していたらこんな本を見つけました。

目次
第一部 メソポタミアとエジプトのビール
第二部 ギリシアとローマのワイン
第三部 植民地時代の蒸留酒
第四部 理性の時代のコーヒー
第五部 茶と大英帝国
第六部 コカ・コーラとアメリカの台頭

生きるために水は欠かせない物で安全に飲める水を作る努力を古代からしていたんですね。私はお酒を飲まないので文字もない時代からビールを飲んでいたとか、お酒を通貨代りにしていたとか、政治に利用されていた話などは新しい発見でした。

一番衝撃的だったのはビールからワインに変わり、それを蒸留してアルコール度数の高い蒸留酒を作り人々がアルコールに依存していく過程で、そのアルコールで奴隷を売買していたこともあったとのこと。西部劇でウィスキーをビンのままラッパ飲みするシーンがよく出てくるが本当のことなんだっんですね。当時のアメリカ大陸に入植者達は年間に4ガロン(15リットル)のラム酒を飲んでいたと言われている。ほとんど酔っ払っていたんですね。

そして、コーヒーが飲まれる様になる。

汚染の可能性が高い水よりもはるかに安全な飲み物として好まれていた。つまり、ビールと同じく水を沸かして作るコーヒーは、アルコール飲料に代わる、安心して飲める新しい飲み物として受け入れられたのである。しかも、アルコールの代わりにコーヒーを飲むと、軽く酔ったくつろいだ状態ではなく、きりりと冴えた頭で一日を始められるため、仕事の質も能率も格段に向上した。そのため、コーヒーはアルコールと正反対のものとみなされるようになる。飲むものを酩酊させる代わりに覚醒を促し、感覚を鈍らせて現実を覆い隠す代わりに知覚を鋭敏にする飲料、と考えられたのである。

酩酊から覚醒の時代に変化していく。コーヒーハウスが『小さな大学』として文学、科学などの研究者たちや、知識人の集まる所になり様々な研究結果が生まれていく。
ここでは、コーヒーハウスと社会との関係を分析していてコーヒーそのものの歴史に関しては残念ながら新しい記述がほとんどなかった。

そして、紅茶の時代に移っていく。今ではイギリスを代表とする飲み物になっているが、それまではコーヒーが飲まれていて、中国からお茶が入ってきて紅茶の国に移っていく。ほかの書籍で読んだがイギリスがコーヒーから紅茶に変わったのは産業革命が影響していると書かれていた。
世界の歴史を読むと改めてイギリスは傲慢で独善的、裏切りと暴力の国であると思ってしまう。

現代になり、炭酸飲料の時代となりコカ・コーラが世界を席巻する。世界中で販売されていてアメリカを象徴する飲み物となった。

飲み物から歴史を眺めると、たかが飲み物が戦争を生み、文化を生み、未来を切り開いていく姿が新鮮だった。
100年後のコーヒーはどのような飲み物になっているのだろうか。
コーヒーを飲みながらそんなことを考えてみた。

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