『悪魔』
アルケミスト双書 闇の西洋絵画史〈1〉
山田五郎/著
出版年月:2021年3月
ISBNコード:978-4-422-70131-8 (4-422-70131-2)
頁数・縦:63P 18cm
山田五郎 第2弾です。
ルシファー LUCIFER
神に背き、 地に堕とされた「光の天使」
光を運ぶ明けの明星を意味する 名を持つ天使ルシファーは、 神が土から造ったアダムを拝むことを拒んで地に堕とされ、悪魔サタンとなりました。 偶像崇拝を拒んだのだから褒められてもよさそうですが、正しいか否かの問題ではありません。神の意に背いて自らの意志を貫くこと自体が罪なのです。
地上の悪魔と化したルシファーは そそのか 蛇に姿を変えてイヴ (エバ)を唆し、アダムと共に知恵の実を食べさせた ため、彼らもまた神の怒りを買って楽園から追放されてしまいました。
つまり堕天使ルシファーは、人類 に自らと同じ罪を犯させたのです。 知 性や意志や感情を持つという原罪を。 それを「人間らしさ」と呼ぶならば、 人類は神の似姿である肉体に悪魔の精神を宿すことで、はじめて人間になったともいえるでしょう。
神と天使と悪魔、一神教であるキリスト教では悪魔も神が作ったものなのだと初めて知った。
多神教を信じている日本人にとっては少し衝撃的である。
中世の絵画は人物やキリスト教のエピソードを描かれているものが多い印象だが、特に神様はほぼ裸体で描かれている事が多く写実主義の時代にはなんだかとってもエロチックだ。
「淫夢を見るのは悪魔のせい」で色欲は大罪とされているのになんだか余計にムラムラさせようとしている気がするのは私だけだろうか?
この中で一番のお気に入りはミケランジェロの「最後の審判」で、YouTubeで解説を聞いてから抜け殻になったミケランジェロに目が釘付けでいつか、本物を見にいきたいものです。
この本では淡々と説明されていて、山田五郎のあの独特の解説は言葉の端々に散りばめられているだけとなっている。
とはいえ、解説は短い中に分かりやすく要点をしっかり説いているので楽しかった。
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