肩の力を抜きたい時に:ドラマ『きのう何食べた?』
エンタメに触れたいと思い立った。Netflixをぼんやり見ていると見覚えのあるタイトルが。
原作は同名の漫画。読んではいなかったが、ジャンルがBL×グルメと珍しかったため気をそそられ、タイトルを覚えていた。
しかしBLドラマは今まで満足した経験がなく……。(若手俳優を起用したドラマが多く、演技に説得力がない印象だった)それでも西島秀俊が好きなのもあり、ひとまず1話を鑑賞。
いやめっちゃめちゃ良いですね。気づくと9話まで見ていました。
まず登場人物が抜群によかった。西島秀俊演じる主人公・箕史郎はゲイを隠して生活している。社交性があるようでなく、面倒見が良いようで恋人の生い立ちを聞かない無関心な部分もある。ギャップがあり、目が離せなくなる人物だ。
そして史郎の恋人・矢吹賢二。ズボラでいい加減な男かと思いきや、明るく、史郎の気持ちを汲む聡明な性格。愛嬌があり、素直で可愛らしいのにどこかミステリアス。ちょっとした仕草や声色が色っぽく、演じた内野聖陽さんにもはまりそう。
史郎、賢二以外の登場人物も魅力的だ。ひとりひとりの性格とドラマの関連性がばっちりはまっており、リアリティがある。
なにより好きだー! と思ったのは食事シーン。
史郎の料理は見ているだけで美味しそう。再現できるほどしっかり調理工程を映すため、味の想像ができる。そしてそれを美味しそうに食べる賢二! 毎回さらっと味の感想を言ってくれる。こんな恋人に料理を食べてほしいと誰もが思うのではないだろうか。
重く張り詰めたシーンでも、テーブルに食器が並ぶと登場人物が穏やかな表情になる。緊迫感があってドキドキするのに、食事シーンがあるとほっと肩の力を抜いて鑑賞できる。
1話ごとにドラマがあると気疲れする。本作はドラマがあるのに、気持ちが和らぐ。食事シーンの光景があまりに日常的で、晴れやかに見えるから。
どうやら劇場版もあるとのこと。影響されてたくさんつまみを作ったので、自分もお腹を満たしながら鑑賞しようかなと計画中です。
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