〈詩〉野つ原に

はろはろと 聞こえてくるは 人の声
野つ原に 風吹きすさぶ くもリ空
いづくより 聞こえてくるか 人の声

ふるさとを 遠く離れて 来し我に
野末はるかに おだやかに
聞こえてくるは 人の声

さはあれど 切なき思ひ 人や知る
果てしも知らぬ この広き
この野つ原に 人も会はぬかも

日暮れても 風吹き止まぬ 原中に
相会はば 物語せむ 我と人と
この野の末の くもり空の下

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