〈詩〉魚たちの眠る空の下
明るさは 雲の下 僅かな隙間から
訪れる いつも少しずつ違う色合い
鳥たち 囀ずるよ 枝から枝へ渡りながら
川の流れは
速く ゆるやかに
魚たち 速い流れに流されて
気がついて
玉藻なす 尾をなびかせて 泳ぎ出す
さやさや なづの木
玉の音 ゆらゆら
築き立つる 柱
メタセコイヤはもみぢして
ピラカンサ 赤い実似合う 空
支えている
魚たちは眠る 川の底
ぼくは立っている 川のほとり
静かな空 底 深いところ
声 聞こえて
歌っているのかな 微かに
さやさや なづの木
玉の音 ゆらゆら
魚の寝息 同じ歌が巡る
一万年昔から
生まれたり 死んだりしながら
歌は ぼくに 聞こえている
雲 空の高い所に
形を変えながら 動かない
一万年昔から ずっと
その姿は 見られている 命に
なづの木の さやさやなびく
川底に 揺れる魚は
空の上に眠る
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