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三日桜(Oh_Mitsukabi)
2022年1月5日 18:14
倒幕有世のはたらきもあり、命からがら伯耆国に辿りついた帝一行は、伯耆国の地頭、名和長年に庇われ、伯耆国船上山にて挙兵いたします。この名和長年、伯耆国で海鼠や乾鮑を売って財をなしたおかげで、鎌倉から厳しい警めを受けており、倒幕の機運に乗じて帝に与した者です。商才たくましき者でありながら、その武は鎮西八郎為朝の再来とされ、特に弓術は並々ならぬ腕前にて、五人張りの弓をいとも簡単に引き絞り、放つ矢は同
2021年12月25日 22:57
秘策と秘術義貞を見届けた千種忠顕、長忠親子は男山(石清水)八幡宮から都を見下ろします。「長忠よ……、どうじゃ、ここから見る都は?」「父上、今日は良く晴れておりますな。比叡山が霞んでおりまする。」息子長忠はまぶしくて眼を細めました。鬼神尊氏が都に迫るなか、気は安まりません。「さて、我らも、もうひと仕事じゃ。」「……やはり河内殿のことでしょうか。」「あー左様左様。長忠よ、あの兄弟に
2021年12月17日 07:47
二心都を出立した官軍新田党は南西へ進路を取り、一路男山(岩清水)八幡宮へ向かいました。高祖八幡太郎義家が元服した源氏縁の社であります。 『南無八幡大菩薩』此度の戦は必勝なくば必死。神、仏、先つ祖(おや)、何でも縋(すが)りたい、何としてでも、再びこの地を踏むのだと、義貞は一心不乱に念仏を唱えます。時折、美しい麗子の顔が義貞の頭を過(よぎ)り、寂寞の想いにかられます。足利と新田は倶(と