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「損することが苦手」からの脱却。

私は、株式投資が好きで、日系の個別銘柄を中心に、短期保有のデイトレードから長期保有の運用まで、かれこれ10年近く続けています。パフォーマンスは相対的に見て "そこそこ" くらいで、勝ったり負けたりを繰り返している感じです。

株式投資の考え方は、会社経営にも活かせる部分が非常に多くあると思っています。中でも「損切り」の考え方は、その経営者(投資家)のスタンスや哲学に大きく反映されるものですが、私はそれが苦手です。負けが漬け込んでいたとしても、サンクコスト的な考え方で「最低限かけた分は取り返したい、プラスマイナス0に持っていきたい」という思考が働き、時間だけが経ってしまう。また「損出を出す可能性を理解した上で、大きく投資をする」ことも苦手なため、大きな成功も失敗できず、"そこそこ" に留まってしまう。そんなことが要因だと自己分析してます。この状態を脱却したく、今回のnoteを書いてみるに至りました。


「損切り」ができない性分。

損切りとは、投資でよく用いられる用語で「損失を抱えている状態で保有している株式等を売却して損失を確定させること」を言う。冒頭で触れた通り、私はその損切りを "上手に扱うこと" が苦手で、「損出を出す可能性と覚悟を理解した上で、大きく投資をする」ことできなかったり、仮に負けが漬け込んでいる状態としてもサンクコスト的な思考が働いてしまったりする。それだと利益を得たとしても小さくまとまった結果にしかならない。
経営者の自分にも同じことが言える。事業作りにおいて、損失を最小限に抑えられるような範囲内での投資しか行えていないし、上手くいっていない状態が続いてもなんとか取り返そうと無為な努力を続けてしまっている。

株式投資で大損した経験。

今年に入ってから長年塩漬けしていた株式の損切りを行った。具体的な金額の明記は避けるが、自分の総資産額から見ても、結構な損出だったことは伝えておきたい。数年前に上昇している時期に断続的にデイトレで買いを続けていた銘柄で、最初は利益を得ていた。下落が始まってからも「また浮上するだろう」と信用取引でのナンピン買いを止めず、結果下げ止まらず、長期に渡って塩漬けとなっていた。(投資が分かる人からすれば「下手だな〜」と笑われても仕方がない運用方法だったと思う)

しかし、大きな損切りを行った時、自分のメンタル的なダメージは意外と小さかったことに気づいた。むしろ、含み損が消え去ったことで気持ち的に楽になったというか、スッキリした感覚のほうが強かった。
一番メンタルダメージが大きかった時期は、徐々に下落が始まり、戻るだろうと思いながらもジリジリと下げが続いている段階の頃合いで、金額的なダメージもさることながら、自分の判断力の稚拙さや甘さを痛感し、意外と喰らっていた。もちろん早いタイミングで基準値を決め、機械的に損切りを行うことができていれば良かったのだろうが、含み損が大きくなっていくことを見て見ぬふりをしていると、その状態にも徐々に慣れがきて気にしなくなっていった。そんな状態が数年は続いただろう。
そして、ようやく今年になって訳あって損切りをしたが、損切りした瞬間から過去の事象となり、後悔しても仕方がないということで、損出が確定してしまったにも関わらず、割とすぐに切り替えられる自分に驚いた。ジリジリと下落が続いて自分の情けなさを痛感している時と比べて、メンタル的には全く問題ない状態だった。

機会損失が一番ダメージが大きい。

上記の自身の経験から、損出が確定した段階での物理的なダメージより、ジリジリと下げが続いて時間やお金を失っていっている初期状態の方が自分にとっては与えるダメージ自体は大きいと言えるだろう。ということは、損することにビビって躊躇するより、もう少し大胆に動いてみても良いんじゃないかということになるし、仮に含み損が出ていて一定基準ラインを超えたら損切りの意思決定をした方が時間やメンタル的な安定も生まれるし、次の機会を得られるはず。株の大失敗の経験からそんなことを学んだ。