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ほどよい母親になる

ちょうど1ヶ月前の今日、ついに母親になった。飴細工のように繊細で壊れそうな息子の一挙手一投足に毎日翻弄されている。

子育てに関する情報は本当に沢山溢れている。どんな細かい事象でもわたしなんかの何百倍何千倍の子供に触れてきた人たちが発信している「正解っぽい情報」にも容易にたどり着く。

ではその「正解っぽいもの」をミスなく完璧に実践しつづけると、IQ200の全く病気をしない身長190cmの子供が育つかというと、そんなわけはもちろんない。

でも、少しでも子供を完璧に近づけたいという親心は痛いほどよくわかる。わたしのせいで何か間違いがないように、そして我が子の無限の可能性をなるべく摘み取らないように


そんな子育てのプレッシャーからわたしを救ってくれた言葉がある。それが「ほどよい母親(good enough mother)」だ。

小児科医で精神分析家のウィニコットは「Good Enough Mother」という言葉を残しています。これは乳児の欲求を全然読み取れないのはダメですが、逆にあまりに完璧に世話しすぎると本能的体験や自発性が失われるので、少し抜けているくらいの普通の母親の方が正常に育つということです。


わたしは家事も苦手だし、子供の教育にも明るくないけれど「ほどよい母親」にならなれそうな気がする。ほどよく子育てに向き合い、ほどよく自分の人生も生きる。子育てに刺激をもらっても、子育てを言い訳に何かを諦めたりはしない。

そう考えると、世界を発見する冒険をはじめたばかりの彼を通して、わたしもまた一緒に世界を再発見できる気がする。1人じゃ見えなかった新しい彼とわたしに出会うため、今日もまた可能性に満ちた1日を迎えよう。


2020/06/28 NAKAO AYUMI

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