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カリギュラ2で恥ずかしげもなく狂っていけ

過去の後悔から解き放たれた理想の世界から、現実への帰宅を目指す学園ジュブナイルRPG

カリギュラ2公式サイトより

理想(お前)に現実(地獄)を見せてやる

どうも、カリギュラ2に最高速度で正面衝突したオタクです。最近「カリギュラ2ってどんなゲームですか?」って聞かれたときにあのときもっと上手く答えられたよな…と後悔したので文字にしたためました。
まずはカリギュラ2の基本情報について公式の文章をご覧ください。

後悔のない世界”リドゥ”
謎のバーチャドール・リグレット。
彼女の歌を聴いた人間は次々に別世界にとりこまれていく。
彼女が創った“リドゥ”は人々の後悔が創り出す仮想世界。
『あのとき、ああしていれば……』
誰もが密かに抱える人生をやり直したい想いを実現してくれる世界。
選ばなかった選択肢を選んでいた世界の自分――リドゥとは
そんなifの人生を体感できる、後悔のないぬるま湯の世界である。

もう1人の歌姫と帰宅部
偽りの世界”リドゥ”の破壊を試みるもう1人のバーチャドール キィ。
彼女は現実に目覚めかけていた主人公をパートナーに選び、力を与える。
あるきっかけで現実の存在を知ってしまったメンバーを集め、現実に帰るべく『帰宅部』を結成。
世界の創造主を相手に、もっとも困難な帰宅が始まる。

カリギュラ2公式サイトより

わかったような、わからないような。ここまで読んだ方はそう思っているんじゃないでしょうか。
簡単に説明します。
現実の世界で後悔しリグレットの歌に魅了されてしまった人々は現実での記憶を忘れリドゥという仮想世界に囚われています。ひょんなことから現実の記憶を取り戻した主人公(部長)たち帰宅部メンバーは、辛い自分の過去と向き合い、この歪な理想郷から現実に帰ることを目指す、というのが大まかなストーリーです。
おわかりいただけたでしょうか?

カリギュラ2とは2020年代の群像劇である

さて、ここからはカリギュラ2のどこがクリティカルに刺さったのか、カリギュラ2の魅力についてお話ししていきたいと思います。まず、単純にカリギュラ2の群像劇的なストーリーが面白いと感じたからです。心に傷を抱えた年齢も性別もさまざまな人たちが、最初は単にたまたま集まっただけなんだけど次第に困難に立ち向かっていくために力を合わせて戦う姿に心を打たれました。こういうのに弱いんです。リグレットを倒してリドゥから現実に帰るということは、一度目を背けた自己と真正面から向き合うということでもあります。辛い過去からは逃げたいしできることなら後悔を無かったことにしたいけど、現実の自分自身としっかり向き合って前へ進む帰宅部のみんなの成長を見ていると、少しだけ自分も前向きな気持ちになれるような気がします。みんな何かしら理由があってリドゥに来ているってわかっているから、プレイヤーも帰宅部のみんなに寄り添うけれど、みんなも部長のことを愛してくれるんですよね。だからカリギュラ2ってすごく優しい物語だなと思っています。現代社会で揉まれ沢山の傷を抱えている人たちには本当におすすめです。

半人前の歌姫キィの成長

前作に登場したバーチャドール(こちらの世界でいうボーカロイドのようなもの)、μやアリアとは違い、今回登場するキィは世の中にまだ出ていない未発売のバーチャドール。リグレットの暴走を止めるためにリドゥにやってきましたが、リグレットの影響力が強いリドゥではキィは主人公を宿主としなければ存在できません。しかもまだ世の中に出たことがないので人間のことが全然理解できません。コンポーザーの作る歌を通じて人々の悩みに寄り添ってくれるリグレットという存在を一人前とするなら、キィはまだ色んな意味で半人前の歌姫なのです。そんなキィが、ストーリー本編はもちろん、帰宅部の仲間たちの個別のキャラクターエピソードやサブクエストを通じて人間のことを知っていき、成長するのもこのゲームの魅力です。最初は自由奔放で言いたいことをズバズバ言うキィにちょっとついていけない人もいるかもしれないですが、きっと最後にはキィのことがかわいくてしょうがなくなるんじゃないでしょうか。私はエンディングでボロクソに泣きました。


楽曲の良さ

カリギュラといえばなんといっても楽曲が魅力です。リグレットの側には彼女に曲を提供する楽士というお抱えのコンポーザーたちがいます。彼らも少なからず心に闇を抱えていて、それらを曲として表現し、リグレットに歌ってもらっています。「死に対する恐怖」、「愛していた人からの裏切り」、「自罰」etc……その主題は様々です。ゲーム内では楽士というキャラクターたちが作曲しているということになっていますが、実際に曲を作っているのは普段からボーカロイドを使用して音楽を制作されている、いわゆるボカロPの皆様です。私は正直その界隈には疎いのですが、作った曲名を聞けばアレか!とわかるレベルで有名な方たちです。最近はYOASOBIとしても活動されているAyaseさんも参加されています。そんなキャッチーな楽曲をたくさん生み出してきた人たちが作る楽曲が各ステージで戦闘用BGMとしてガンガン流れるので、1章終わるごとに耳から離れなくなります。また、ボス戦ではそれらの楽曲のRemix版が流れるのですがこれがまたものすごくカッコいいアレンジなのです。Remixを手掛けるのは、『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』などでお馴染みTeddyLoidさん。原曲とはまたガラッと変わったアレンジになっていてこれもまた最高です。
普段からボーカロイドの楽曲をよく聴かれる方は、楽曲クロスフェードPVがありますので、こちらを先にご覧になってみるのもオススメです。


キャラクターの掘り下げ甲斐

「キャラクターのヴィジュアルが刺さった。もっと彼/彼女のことを知りたい。」という方に福利厚生が手厚い、そんなゲームがカリギュラです。
帰宅部の仲間たちにはキャラクターエピソードと呼ばれる個別シナリオがあります。パーティに入れて一緒に戦い、親密度を上げるとエピソードが解放されます。なぜ彼らはリドゥに喚ばれたのか、彼らの「後悔」とは一体何なのか、現実で何があったのか…その心の闇に踏み込むことができます。誰のキャラクターエピソードが1番刺さったか、プレイした人と語りたくなること間違いなしです。ちなみに私は鐘太が1番刺さりまして、最終的に諸々狂ったオタクになりました。
また、キャラクターとメッセージのやりとりができるWIREという要素があります。キャラクターにさまざまな質問ができて、好きな食べ物とか好きな季節とか睡眠時間とか、キャラクターたちの以外な一面を知ることができて楽しいです。主人公の性別によって回答が変わるものもあるので、無限に楽しめてしまうコンテンツです。私もたまに無性に鐘太とWIREしたくなるときがあってめちゃくちゃ質問連投してしまいます。基本即レスしてくれるので嬉しいですね。ちょっとだけ私と釣巻とのやりとりをお見せしますので、「こんな感じなんだな」と思って頂ければ幸いです。

いっぱい食べる君が好き

「2」からやってもいいの?

結論から言えば、全然大丈夫です。
私も2から始めました。なんとなく「前作ではこういうことがあったんだな」という説明もありますし、前作をやっていないと2のストーリー本編が全く理解できないということはありません。もちろん前作をやっていた方が楽しめる要素もあります。でもそれは2をクリアしたとき、「そういえばアレってどういうことだったんだろう…?」と、どうしても気になったら前作もプレイしてみて、という気持ちで良いと思います。というか、ゲーム性的な面でも2の方が圧倒的にやりやすかったので2から入るのがおすすめです。

カリギュラ2、刺さる人には本当に刺さるゲームなのですが、いかんせんまだ他の学園モノRPG(ペ○ソナとか)に比べて知名度がそこまで高くないので、とにかく沢山の人にやって欲しいなと願っています。結構短いスパンでDL版のセールもやっているし、対応ハードも豊富(Switch、PS4、Steam)なので、気になる方は是非プレイしてみて欲しいです。きっとこのゲームだから救われたという人もいるはずです。

秋の夜長にカリギュラ2、いかがでしょうか???

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