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『Last Minute』ロードマップ

霊魂の主人公が色んな人に憑依してループを終わらせるRPG『Last Minute』の制作を始めてから、早いもので1年半以上が経ちました。現在はRPGツクールMZにて体験版である『Short Minutes』を制作していますが、本編では全体的に作り直すことを計画しています。この記事では、ラストミニッツの今後について個人的な備忘録も兼ねて記していこうと思います。

これまでの経緯

最初にラストミニッツの構想が浮かんだとき、このような複雑なゲームが本当に私に作れるのかを疑問に思いました。というのも、前作『Random Passage』はその複雑さがゆえにエターなった…つまり未完に終わったからです。

ラストミニッツは登場人物のほとんどに憑依することができ、その一人ひとりにエピソードがあります。また、それらは単独で完結しているわけではなく相互に関係し合います。『428〜封鎖された渋谷で〜』というゲームをプレイしたことがおありの方は、大体あのような雰囲気であるとお考えいただければ伝わるかと思います。普通の一本道シナリオさえまともに完成させた経験のない私が本当にこのようなストーリーを作り切れるのか?
それを確かめるためにシステムは本編に準拠するがお話はごく短く、また登場人物も最小限に絞った短編作品を作って、このようなゲームが本当に成立しうるのかをテストしたほうがいいだろうと計画しました。いわば体験版のような位置づけですが、このミニマムバージョンさえうまく作れないのであればそれよりもはるかにボリュームのある本編など到底作ることはできないわけで、その時点で制作をきっぱりやめることも視野に入れていました。

現在制作中の『Short Minutes』はこのテスト用短編に相当しますが、システムやインターフェースはすでに出来上がっているので、あとはシナリオ(イベント)さえ作れば完成するという段階にまできています。この段階までくれば実現性についてはおそらく問題ないだろうという感触があるのと、何より応援してくださる皆様や私自身のためにも、制作中止という選択肢はもはやありえません。

ところでラストミニッツ本編については、短編のシステムをそのまま使ってお話だけ差し替えて制作しようと思っていました。しかしあることをきっかけに、システムを含めて全面的に作り直すことを計画するようになりました。ツクールの新作であるRPG Maker Uniteの発表です。

今後の計画

MZで制作しているショートミニッツは新しいアイディアを思いつくたびに、プログラムの増改築を繰り返してきました。そのため現在のコードはスパゲッティとまでは言わないまでも、あまり整理されている状態とは言えないものになってしまっています。またそれが原因かは切り分けられていませんが、動作が全体的に重く、プレイヤーの端末のスペック次第では快適にプレイできないのではないかという懸念を抱えています。そのためいつかプログラムを全体的にリファクタリングしようと考えていたのですが、折しもRPG Maker Uniteが発表されたことにより、より良い改善案が浮かびました。ショートミニッツについてはこれまで通りMZで制作を続けるが、ラストミニッツ本編はRPG Maker Uniteで作り直す、という案です。

RPG Maker Uniteはまだ公式からあまり詳細が発表されていませんが、Unityをベースにすることによる拡張性や、マルチプラットフォーム展開には期待が持てます。どうせリファクタリングするならいっそのことこちらで丸ごと作り直したほうが将来性があるのではないか、と考えています。ご存知の通りUnityは今や押しも押されもせぬゲームエンジンの筆頭であり、企業・個人を問わず世界中で使われています。ラストミニッツが今後仮に商業展開をすることになったとしたら、メジャーなプラットフォームで作られているほうが多方面でスムーズに運ぶだろう、と感じられるのです。例えば家庭用ゲーム機で発売というお話が仮にあったとして、MZで作られているのとUnityで作られているのとでは移植の円滑さがまるで違うであろうことは想像にかたくありません(後者の場合そもそも「移植」という表現さえ当てはまらないでしょう)。

Unityは言語自体が異なる(C#)のでそれについては習得し直す必要がありますが、MZでもRuby→JavaScriptを再習得した経験がありますのでおそらく大丈夫だろうと楽観的に捉えています。
どうしてもC#が身に付かなかったり、あるいはUnite自体が合わないと感じたりしたらラストミニッツ本編についてもこれまで通りMZで制作しようと思います。
そもそもUniteはまだほとんど情報が出ておりませんので、現時点ではあくまでも構想に過ぎないということですね。

美術/外注

Uniteとは直接関係ありませんが、実は美術面についても現状にあまり満足しているわけではないのです。現状のUIも決して嫌いではないのですが、もっとスタイリッシュにしたいとは以前から考えていました。どうせUniteで作り直すのであれば、UI面も見直そうと思います。

現状のインターフェース

またショートミニッツではキャラクターの画像にMZの素材をそのまま使用していますが、こちらもオリジナルの素材に差し替えたいと以前から考えてきました。
気が早い話ですが仮に商業展開することになった場合、ツクール素材を使用していると知的財産権の扱いがややこしくなりそうだな、と思うのです。ツクールの利用規約上、素材を商業作品に使用しても問題ないことは知っています。ですがグッズにしてもそうですが、万一ラストミニッツが大ヒットしてアニメ化決定!となったとします。その場合、キャラクターデザインその他についての権利関連の各方面との調整がややこしくなるかもしれない、という懸念があります(今からそんなことを気にするなんて気が早すぎるだろ!というツッコミはごもっともです!)。
あらゆる可能性を考慮しているだけなのでそのようなことは杞憂に過ぎないにしても、単に愛着が湧くからという意味でもラストミニッツ本編ではぜひオリジナル素材に差し替えたいと思っています(ショートミニッツでは引き続きMZ素材を使用します)。
ですのでショートミニッツの制作が落ち着いたあたりで、イラストレーター様にキャラクターデザインも含めて発注させていただこうと考えています(具体的にどなたにご依頼するかは未定です)。

音声素材についても発注する可能性がありますが、まずはUniteの付属素材を確認してから検討したいと思います。
ボイスについては現在のところあまり考えていないのですが、どうしても声がほしい!となる可能性は当然ありえると思いますので、その際はご依頼させていただくことになるでしょう。

リリース形態

『Last Minute』はPC(Steam)およびスマートフォン(App Store・Google Play)用ゲームとして有償販売することを計画しています。『Short Minutes』はどこで公開するかは未定ですが、無償にてリリース予定です(おそらく前回の体験版と同じくゲームアツマールで公開することになるでしょう)。

終わりに

『Last Minute』はストーリー構成の複雑さもさることながらかなりの長編でもあるため、完成にはまだまだ時間がかかると思われます。応援してくださる皆さまのご期待に少しでもお応えすべく、今後も誠心誠意開発を続けていきます。

『Short Minutes』はRPG Maker Uniteの発売までには完成させて、Uniteが発売されたらすぐにラストミニッツ本編の制作に着手できるようにしたいところです。
現在シナリオ作業で少し行き詰まっている部分もありますが、もうすぐゴールデンウィークなので一気に進めたいところですね。

ここまでお読みくださり誠にありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします!


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