拝啓19歳のきみへ

拝啓19歳の君へ

ついに家を出たね。さみしくてゴールデンウィークもちょっとした長期休みも帰ったよね。
やっと解放されたはずなのに、全然自由じゃないね。
「なんでこんなことになったんだろう。どうしたらよかったのか正解が知りたい」と心理学を学ぶことにしたのに、全く役立たずで腹が立っていたね。
心理学の本棚で泣きそうになっていたね。勉強しにきたのに全然手がつかなかった。症例を読んでは泣いていた。


もっと怒っていたのは「カウンセラーになりたい」子たちの、身勝手さ。私、あんたにカウンセリングうけたくないけど。って人ばっかり。
お母さんが「カウンセラーなんて役に立たない、結局こどもを一番わかってるのはそばにいる私。なにも言ってくれないうえに、聞き出されるばっかりで嫌」と言ってた。
私も思ってた。私は吐き出して楽にはなっていたけど、どうにもしてくれないカウンセラーに絶望もしていた。

精神科医にも「死んでないからいいじゃないですか」と言われた。

今でも震えるほど腹がたつ。死んじゃいそうで心配で病院に連れて行っているのに、そんなことなぜ言われなくてはいけないのか。じゃあどしたらよかったの。それを知りたくて大学に来たのに求めていたものはぜんぜん見つからない。

今振り返ったら、実家が自分のなかで消化できていなさすぎて、心理学の学術的な文章をちゃんと読み砕く体力が残っていなかった。
本当に大学の心理の人たちそう
いう仕事する気あるのかな、自分のことも見つめられていないくせに??意味分かんないなって思ってた。院にいきたいってうそでしょ?
私は勉強はするけど、自分自身がこんなにも不安定なのに人を援助するなんてそんなことできないって思ってた。

やっぱりカウンセラーってこんなもんか。と思った大学一年生だった。
とにかくさみしくてさみしくてたまらなかった。
メンヘラ製造機と5月に付き合って8月に別れた。彼も、母親に捨てられた経験があったり闇が深いひとだった。とにかくマメにかまってくれて、ふりまわしてくれて、どきどきして依存して、実家のこと考えないで済むように必死だった。

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