NYのこども読書教室と4人きょうだいママから学ぶ「本を読む」こどもに育てる方法
本日は、「本を読む習慣」について綴っていきたいと思います。
タイトルにある「4人きょうだいママ」とは
私の母親のことです。
私達4人きょうだいのうち、3人が本好き。
(末っ子は、本が大好き!というほどではない。無類の映画好き)
幼少期はもちろん、大人になった今でも3人は本が大好きです。
私が妊娠中、ふと母に
「子育てでこだわったこととか、自分なりの教育方針とかってあった?」と聞いてみた。
母「え〜、死なない失敗は積極的にさせる。失敗したら、心の中で『よし!』て思う」
私「そんな風に思われていたのね」
母「いくら私が言っても言うこと聞かないし、失敗しないと身にならないでしょ?」
私「耳が痛い」
母「あ、いやいやもっといい答え(こだわり)あったわ!本だ!」
3/4の確率で成功した母のこだわり読書英才教育
母「本がなかったら今の私は無かったから。
子供たちに何かあった時、本が救ってくれるかもしれないと思ったの」
母は、複雑な家庭で育っており
親から何かを教わった記憶がない。
常識や良識を大人から教わる機会がないまま
(良い言い方をすれば)自由奔放な子供時代を送っていた。
本を通して自ら様々なことを学ぶことができたおかげで、今では常識的な社会生活を送ることができている、と自負している。
母「本を読まなかったら、今頃どうなっていたかわからない、自分でも怖いよ」
母「それでね、溢れさせておいたの」
私「溢れさせておいた?」
母「そのまんまの意味よ。
なるべくジャンルが偏らないように、たくさんの本を家に置いておいたのよ」
確かに、思い返すと
幼少期に遊びに行ったお友達のお家や、夫の実家に比べ
我が家は異常に本が多い。
子供たちが大人になり、それぞれ自分の本を持っていったり処分したりなど
整理したにもかかわらず
いまだに実家には壁一面の本棚が4つある。
きょうだい皆、それぞれの部屋にも本を持っていたし
図書館通いも大好きだった。
(図書館は末っ子も好きだった。小学生までは本をたくさん読んでいた。)
私「へーー!!気が付かなかった。
上の3人は、まんまとお母さんの思惑通り本の虫だ!」
母「最終的には子供自身の個性(趣味)だと思うよ。
でもね、私なりに頑張ったよ」
私「ジャンルが偏らないように?」
母「そうそう、女の子だから男の子だからとか偏見を持たないように選ぼう〜とか
いろんな作者やキャラクターのものを〜、とか。
絵本だけじゃなく図鑑やなぞなぞの本や雑学の本とか
何がその子に刺さるかわからないから、もうとにかく色々集めたね」
私「本の色合いとか、どの国の本なのかとか、いろんな切り口があるね」
母「そう〜、考え出したらね、キリが無いの!笑
あとね、どれだけ自分が『ジャンルが偏らないように〜』と思っても、結局自分のフィルターを通して選んでいるでしょう?
だから、定期購入とかそういうサービスを利用して、私のチョイスじゃない本もたくさん用意するようにしたよ!
親戚からのプレゼントとか、何がいいか聞かれた時は『本』って答えるといいよ〜笑」
私「早速お姉ちゃんに出産祝い何がいいか聞かれてたから、絵本って言っておく」
母「うちの本も持っていっていいよ!
4人とも見向きもしなかった綺麗な状態の絵本とかあるから」
私「え!そんなのあるの?」
母「あるよ!見向きもしなかったものがあるって、それはそれでいいことなの。
大事なのはたくさんの中から自分で選ぶことだから。
選ばれなかった本も、”選ばれなかった”っていう役目を果たしているの。
それに本はこうやって譲ったりしやすいしね」
一度購入した本、子供に読んでもらえなかった時に
「せっかく買ったのに!もったいない」とならず
「選ばれない、というのも大事な役目」と捉える価値観は
私にとって新しいものでした。
実家にあった歴代絵本たちと
姉からのプレゼントを持ってニューヨークに降り立ち
私も母のこだわりを踏襲して(というか私はいまだに絵本が好きなので)(妊娠前から仕事終わりに図書館で絵本を読むほどに)部屋に本を溢れさせていた。
ニューヨークに来てから数ヶ月たったある日
生後3ヶ月から通えるという幼児向けの読書教室というものがあることを知った。
そのHPを見てみると、母の教えと同じことが書いてありました。
※その教室では、3ヶ月〜18ヶ月の赤ちゃんには読み聞かせや、読書のための準備遊びをするらしい。準備遊びってなんだろう、楽しそう。
NYのこども読書教室のHPに書いてあった「子供に読書習慣をつけてもらう方法」
子供に本を読む習慣を身につけてもらうには
5つのポイントがある、とのこと。
HPの内容を要約すると・・・
①興味やレベルに合わせ様々な本で囲む。
本がたくさんある環境は、自然と読書についての好奇心を育みやすくします。
②保護者が本を読み、読書のお手本となりましょう。
子供たちは、彼らが「見た」行動をします。
あなたが本を楽しそうに読んでいると、子供が自ら本を手に取る可能性が高くなります。
③あらすじ・キャラクターについてや、次に何が起こると思うか、子供たちに尋ねてみてください。
質問をすることにより、理解度が深まるだけではなく、読書が「共通の冒険」へと変化します。
④子供自身に選ばせてみましょう。
図書館でも家の本棚からでも、どこからでも良いので興味のあるものを選ばせてあげましょう。
興味のあるものを選ぶことは読書のモチベーションを促進するでしょう。
⑤読書を毎日のルーティーンに組み込みましょう。
一貫性は習慣を築くのに役立ち、読書を日常生活の一部にします。
私のはなし
私の感想
HPにあった①〜⑤のうち
母が実践していたのは、①④⑤
私が幼少期の頃を思い出すと、下の子達の子育てに忙しかった母親の読書姿を見た記憶があまりない。
②はその通りだと思うものの、私自身の経験には当てはまらない。
(子育てがひと段落し、また本を読めるようになった時の母の喜びようを思い出します。今でも実家に帰ると、母がいま読んでいる本がリビングにあるのを見つけて心が温かくなり、「自分の読書の時間を削って子育て頑張ってくれてたんだね、ありがとう」と思えます)
「③本を読みながら質問する」は、どうだったのだろう。
質問されたかどうかはよく覚えていないけれど
質問することによって、読む側(親側)が楽しくなって
その楽しい気持ちが子供にも伝わるのかな、と思います。
私の父はよく、おとぎ話をアレンジしてくれました。
大抵はお姫様が私の名前になり、王子様が父になる、というアレンジでしたが
それは大人になった今でも覚えているくらい幸せな時間でした。
父は少し悲しいお話(ゾウのはなこのお話など)を読んでくれる時、本気で泣いていました。誰よりも大泣きする父に母は少し呆れていましたが
今思うと、父はただ子供に文字を読んであげるのではなく、私たちと一緒に「本を読んで」いたんだなと思います。
⑤「読書を毎日のルーティーンに組み込む」を実践しているご家庭は、日本でも多いのではないでしょうか。
夫や友人に話を聞いてみると、「寝かしつけの時に読んでもらった」とよく聞きます。
私たち4きょうだい達も、寝かしつけの時に絵本を読んでもらっていました。
本当にこれらは効果があったのだろうか。
本にまつわる過去の記憶をたどり
私はなぜ本を好きになったのか、考えてみることにした。
私の読書歴。つまりは母の読書教育歴?
【ステージ1】0〜2歳くらい
リビングに小さな本棚があり、そこが「子供用」の本の場所でした。
本棚はカラーボックスのような簡易なもので二段。
よちよち歩きちゃんでも、上の段に手が伸ばせるくらいの背の低いタイプでした。
覚えているのはこれくらい。
【ステージ2】3〜5歳くらい
夜寝る前に必ず絵本を読んでもらっていた時代。
また、このくらいの時期から「どれがいい?選んできて!」と毎日きょうだい交代制で選んで自分でお布団に持っていっていた。
また、美術館に家族で行った際に姉が図録を欲しがったため
子供の本棚にピカソの図録などがあった。
私はそれが大嫌いで、姉がそれを取り出すとサーっと部屋の隅に逃げていた。(とにかく私はゲルニカが怖いのです。)
が、私の大好きなスヌーピーの本なども同じ場所にあったので、「本」自体を嫌いになることはなく、「ピカソが苦手」と
本の「好き」「嫌い」が出てきた。
祖母の家に行くときは幼児向け雑誌を買ってもらったり
ドライブに行くときはサービスエリアで小さめのおどき話絵本やシールブックを買ってもらい、本=楽しいもの!ご褒美!と思っていた。
親と一緒に本屋さんや図書館に行くのが楽しかった。
【ステージ3】小学生時代
小学1年生の時、初めて漫画の単行本を買ってもらい
そこから漫画を集め始める。
古本屋通いが始まる。
お小遣いは、ほとんど漫画か子供向け小説に消える。
この時期に完全に、本は「親から与えられるもの」ではなく「自分で選んで買うもの」になった。
ドライブの時には、なぞなぞの本や雑学の本などで
みんなで問題を出し合うように。
なのに、宿題として出された読書感想文の課題図書は進まない。
雨の日の図書館が大好きだった。
【ステージ4】中学高校時代
中学校で部活に入り忙しくなったものの
漫画は相変わらず大好き。
この頃には2000冊を超える漫画・本で部屋が溢れかえっていた。
高校生になり電車通学をし始めると、通学中に本を読む楽しさを知った。
(高校生らしく音楽を聴いたり携帯をいじったりももちろんした)
【ステージ5】大学生
お金がなかったため、大学の図書館で古事記など往年のヒット作を読みふける。大学の図書館は私の読書の幅を広げてくれた場所だった。
公共の図書館にも通う。
【ステージ6】社会人になって
本屋さんにも通う。本屋さんに行って「自分がどの棚に向かうか」を確認すると今の自分の興味の対象を知ることができて、頭がすっきりする。
相変わらず図書館通い。
NYに来て、IDより先に図書カードを発行。
私の「本好きなこども」になった理由
私にとって本は特別なものではなく
おもちゃの一種という感覚だった。
本ばかり読んでたわけじゃなく、外で遊ぶのが大好きで
人並みにローラースケートやファービーを買ってもらったりもした。
ただ、それらを欲しがるのと同じ感覚で図書カードを誕生日にねだる年もあった。
私にとって本は、まず「おもちゃ」だった。
それはきっと、おままごとの道具やリカちゃんと同じように
父と母が本で遊んでくれていたからだと思う。
父の読み聞かせはいい加減だったけれど楽しかった。
私の「小さい頃からずっと本が好き」な理由
小さい頃に絵本を読んでいても
大きくなるにつれて読まなくなっていた人も多いのではないでしょうか。
私はなぜ本がずっと好きなのだろうか。
私の中にも「つまらないな〜」と思う本や「よくわかんない」と思う本がたくさんあった。
本ならなんでも好きというわけではない。
小学生の時
教科書に載っている話は、正直読む気がしなかった。
犯罪事件が起きるミステリーや
ドラキュラや魔法使いが出てくる物語が大好きだった。
なんの知識も教養も授けてくれなさそうなギャグ漫画が大好きだった。(これが心の栄養になるんだなぁ〜!)
バトル漫画・少女漫画・SFなど
とにかく漫画が大好きで、お小遣いをほとんど漫画に注ぎ込んでいた。
母は私の趣味を曲げることや
押し付けることをしなかった。
それが私の本好きが止まらなかった理由かもしれない。
もし、「漫画ばっかり読んでいないで」とか「それよりこっちを読んだら?」などと言われていたら
ひねくれ者の私は、プイッと本から顔を背けていたかもしれない。
(下の子はゲームの攻略本をたくさん持っており、母と一緒に読み漁っていた)
大学生になり、やっと教科書に載るような小説(”こころ”のような)が読めるようになった。
社会人になり、やっと宮沢賢治の良さがわかった。
(大抵の本は、私には難しすぎたのである!)
興味の対象を誰にも邪魔されなかったことが
今でも本が好きな理由かもしれない。
絵本や小説に「対象年齢」が書いてある場合があるけれど
対象年齢はあくまで目安だと思う。
そして、対象年齢を外れる可能性はみんなが思っている以上に高いのかもしれない。
まとめ
母のこだわり読書英才教育方法
①とにかくいろんな種類の本を集める
②子供の手が届くところに本を置いておく
③何を読むかは子供の自由。強要しない
NYの読書教室が勧める読書習慣の身につけ方
①様々な本で囲む
②大人が本を読む姿を見せる
③本を読みながら質問してみる
④子供に選択権を与える
⑤読書をルーティーンに組み込む
私が本を好きになった理由と継続した理由
・本で遊んでもらっていたから
・本の種類を強要されなかったから
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?