【グリーン投資探訪】外骨格(エクソスケルトン)投資までの思考プロセス vol.1
外骨格(エクソスケルトン)市場への投資に向けた、ビギナーなりの思考プロセスです。
そもそも外骨格に注目し始めたのは、TwitterのTLで偶然、下肢障害を持つ方に向けた器具を開発しているRWLK(ReWalk Robotics)を見かけたからでした。
ちょうどその時、こんなことを考えていました。
この中のリストの一つ「健康 身体」のカテゴリとして外骨格(エクソスケルトン)に注目し始めました。
外骨格とは?
外骨格は、人間の知性と機械の力を組み合わせたウェアラブルロボットです。
例えば、以下のような分野で利用されています。
ヘルスケア:リハビリテーション、下肢障害を持つ方のサポートなど
産業用:空港、自動車工場、家電工場、物流倉庫など
重いものを持って腰痛に悩まされる従業員の健康増進や、労働者の高齢化に対応することで需要が伸びているようです。
外骨格ビジネスの市場規模
外骨格ビジネスの今後の市場規模を掴むために、まずいくつかのレポートなどを引用します。
世界の市場規模は2019年の2億3650万ドルから、2025年までに11億400万ドルに達するでしょう。
外骨格ロボットスーツ市場規模(収益)は、2019年の3億1610万ドルから2025年の26億ドルへ、拡大すると予想される。
Exoskeleton Market Size Worth $4.2 Billion By 2027(外骨格市場のマーケットサイズは2027年までに42億ドルになりうる)
調査会社の「ABI Research」によると、外骨格ロボット市場は、10年以内に50億ドル(約5000億円)規模の市場に成長するという。
細かな数字を把握することが目的ではないので、ざっくり掴みます。
2020年の市場規模が3億ドルとします。
2025年の市場規模を、控えめに見て12億ドル(3億ドルの4倍)、強気に見て30億ドル(3億ドルの10倍)、とします。
世界のゲーム市場規模が約1700億ドル、EC市場規模が約4兆ドルとすると、相対的に市場規模が大きいとは言えません。ただ、市場規模が5年4〜10倍となる見込みがあるのであれば、私は投資する価値あり、と見ます。
外骨格ビジネスの今後の展望
2018年の記事ではありますが、紹介します。
この記事を読むと、外骨格の課題は以下のようなものがあると思われます。
・従来の硬質なものより、より自然で柔軟なものが求められている
・重量が重い
・動力の伝達に技術的困難
・コストが高い
逆に言えば、より柔軟で、重要が軽く、動力伝達が正確に行え(AI技術含む)、低コストなものができてくれば、すでにある市場の需要を満たせ、はじめに紹介したリサーチやニュースで書かれているように拡大して行くと考えられます。
外骨格市場の主要プレイヤー
今回ピックアップした企業はこちらです。
※朗報!マネックス 証券が、MYOを取り扱いスタートした模様です
これが全てではないですし、漏れもあると思います。
あくまでも投資目的の調査なので、上場している企業を中心に集めました。
私の銘柄選定基準
では、私はどの企業に投資するのか?
外骨格(エクソスケルトン)市場における銘柄選定について、私なりの考えです。
・心から共感できる、言語化されたビジョンやミッションがあること(凝縮された言葉に企業の素顔が見えるかどうか。これで企業の性格を見極めます)
・時価総額が1億ドル(約105億円)未満(成長余地があるかどうか)
・主要ビジネスが外骨格ビジネスであること(株価を押し上げるファクターが外骨格ビジネスにあるかどうか)
・軍事用に展開していないこと(私の定義するグリーン投資の観点で除外)
・営業CFがマイナスだとしても、ここ数年のアクションや決算資料から見て十分な成長余地とマーケットシェア増のイメージが湧くこと(投資を適切にビジネスへと繋げられているかどうか)
選定基準を満たす企業は?
では、私の選定基準を満たす企業はどこなのか、考えていきます。
各項目最大3ポイントとしました。全く当てはまらない項目は0、どちらとも言えない項目は1、当てはまる項目は2、かなり当てはまる項目は3としています。一旦、最後の項目は除いています。他の4つをクリアできる企業だけ、次の調査に進めるためです。
項目が4つなので、合計最大12ポイントです。
結果は、以下の通り。
ReWalk Robotics Ltd. 12ポイント
Myomo, Inc. 11ポイント
Ekso Bionics Holdings, Inc. 7ポイント
CYBERDYNE 7ポイント
Parker Hannifin Corp 3ポイント
では、私が各項目をどのように判断したのかを書き残しておきます。
■ビジョンやミッションの観点
私が評価したのは、以下のような内容です。
ReWalk Robotics:「下肢障害を持つ個人の生活の質を根本的に変える」
Myomo:「人々の生活を向上させる」 「上肢麻痺のある方の生活を改善する」
一方で、それよりも評価が低くなったのは、Eksoです。
Ekso Bionics:「私たちはテクノロジーを利用して、人間の機動力を強化します」
太字にしたところは、動詞=行動目的の表れと私は捉えています。
人間の機動力を強化した先にどのような意志があるのか?Eksoからは、企業意志がもっとも凝縮されているはずのビジョンにそれが見えなかったので、ポイントが低くなりました。
ReWalkとMyomoは、明確な行動目的が見えたように思います。
■時価総額の観点
これは単純に、EksoとCYBERDYNEは文字通り桁違いの時価総額なのでポイントが低くなりました。
■主要ビジネスの観点
Parker Hannifinは、年商一兆円規模を誇る企業です。モーション・コントロール・テクノロジーを中心として多角経営を行うメーカーのため、外骨格ビジネスが株価に及ぼす影響は大きくはないと判断し、ポイントが低くなりました。
■軍事用展開の観点
Parker Hannifinは、外骨格ではないのですが、事業の一つとして軍用機のOEMがあるという情報を見ました。Eksoは、外骨格を軍事面で転用(兵士が重い器具を長時間運搬する際の介助など)しているようです。私の視点では、この二社はどうしても優先度が下がります。
ではこの結果を受けて銘柄選定をどうするのか?
また、気分が乗れば続きを書く…かもしれません笑
ではまた。
もし価値を感じていただいた方は投げ銭いただけますと幸いです。もれなく妻のおやつ代とさせていただきます。
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