エッセイ『二十歳までの断片』 2 安西 2019年7月19日 00:28 ¥100 死のうと思ったのは十八歳の夏だった。どうしても自分の人生というものが立ち行かなくなって、さまざまな義務を放擲した挙句、私は最後の《逃亡》に手を染めようとしていた。これで楽になるのだ。これで自分の肉体はきれいさっぱり焼き払われ、自分の骨は海に撒かれて、後にはなにも残らない。驟雨が去った真夏の路上のように、むせ返るような匂いを少しばかり放射して、それで何もかもが終わり。 ダウンロード copy ここから先は 1,726字 ¥ 100 購入手続きへ ログイン #エッセイ #短編小説 #書くこと #自殺 2