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ガリレオ『沈黙のパレード』で分かる人間不信レベル

子の寝かしつけに奇跡的に成功した夜…
連れ合いと酒を飲みながら、アマプラで『沈黙のパレード』を観た。

前作も、連れ合いと一緒に観ている。
『容疑者xの献身』が最高、という意見で一致している。
俳優の演技が真に迫る、ということで。

シリーズの他の作品は、観たけど忘れてしまったのだが、上記の二作については、共通するところがあると思った。
主要登場人物は、善人が多い。(と、いうか、正義を行いたいと思っている人という方が正確かも。残念ながら、正義と善人は、必ずしも一致しない)
ここが二作の特徴で、正義とは何かを観るものに考えさせる仕掛けになっていて面白い、と、ミステリー好きの私は思った。

※なるべくネタバレしたくないのだが、この記事をもしお読みになる方がいて、ガリレオも観てみようかなと思うなら、この先はご注意願いたい。やはり、ミステリーでネタバレはがっかり事案なので。

『沈黙のパレード』あらすじは、
アメリカから帰国した物理学者・湯川の元に、刑事の内海が少女殺害事件の相談にやって来る。容疑者の男は草薙が担当するも、証拠不十分で釈放。男は遺族の前に現れて挑発し、町中から恨みを買っていた。しかし秋祭りのパレード当日、男は殺害されてしまい……(引用:映画ナタリー)
というものである。

今回、映画を観ながら、連れ合いが珍しく犯人を当てた。
連れ合いは、根っからの人間不信である。
近寄ってきた人は基本的に営業か宗教だと思っている。
だから、某ネズミ講の人など、会った瞬間に察するくらいセンサーの感度が高い。

が、それで犯人を当てたわけではない。本人も言っていたが、キャストの顔ぶれと、考えられる動機から推測しただけだったのだが、その推測が性悪説をこじらせていて笑った。
連れ合いの予想は、少女を殺した犯人は蓮沼ではなく、俳優〇〇が少女に性犯罪を働いていて、それを隠すために殺害におよび、それを知った蓮沼も殺した、というものだった。
結構いい線いっていて、犯人は当たったが、殺害の動機については、はずれ。動機はそういう私利私欲まみれ系ではなく、愛ゆえ系だった。

ちなみに、わたしの予想は、連れ合いほど人間不信に基づいてはいない。
ストーリー展開からして、主要登場人物の誰が犯人でも気持ち悪い。なぜなら、善人だから。もし、実は善人ではなく私利私欲にまみれた悪人でした、となったら、設定の付け足し感が半端ない。だから、善人のうちの誰かが犯人なのは間違いないにしても、動機は私利私欲系ではないと思っていた。そして、その通りだった。

私が観たガリレオ二作は、殺人=悪行の立場を貫きつつ、善人がその悪行を行った経緯を描いており、面白い。殺される人物が、徹底的に悪人だったり、世捨て人だったりするのも、だから殺していいのかを考えさせられて、だいぶ気持ち悪い(いい意味で。なんか、モヤッとさせられるのだけど、生きていくにあたって考えるべき重要なモヤッとだな、という)

秋の夜長、ぜひ観てもらいたい二作である。

話は変わるが、私は『刑事コロンボ』『名探偵ポアロ』『シャーロック・ホームズ』のファンである。いずれもおじさんだが、タイプは全然違う。ミステリーの面白さの半分以上が、実は主人公のキャラクターなんじゃないかと思う。事件そのもののトリックは、実はウェイトとしてそれほどでもないような気がしている。

ま、その話は、また今度。


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