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モロウウィンド小史

モロウウィンド小史

今回はダンマー・ダークエルフ達のホームランド、モロウウィンドについての歴史の記事になります。モロウウィンドに関してはスッキリと時系列順になっている記述が少なく、そのためUESPの内容を筆者がまとめ概要を押さえた「小史」スタイルの記事としました。

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ヴァ―デンフェル沿岸部の巨大キノコ

モロウウィンドは火山性の土地や巨大キノコ、ネッチやクワマのような独特の原生物が作り出す独特の環境で知られている。また他国には見られない現人神崇拝やデイドラ信仰、そして5大名家による独立領の所有や奴隷制などの異色の信仰体系と統治機構を長年続けてきた国でもある。

ダンマーはもとはチャイマーと呼ばれるサマーセット出身のアルトマーの一部族であり、デイドラ信仰が根強く、特に預言者ヴェロスに従いアズラを重視することで知られていた。チャイマーの部族全員が灰青色の肌・赤目のダンマーへと変貌したのは1E700年の「レッドマウンテンの戦い」が契機となるアズラの呪いであるとされている。どのようにしてアズラがチャイマーに呪いを掛けたのか諸説あるが、トリビュナル達がアズラとの誓いを破って現人神となり彼女を嘲ったことが直接の原因であるとヴィヴェクは自著「レッドマウンテンの戦い」で記述している(「レッドマウンテンの戦い」は宗教裁判の記録であり、大衆の目に触れないよう禁書指定され宮殿内に保管されている)。ヴィヴェクたちはこのことを公にせず、ダンマーへの変貌は祝福であると大衆に伝えていた。

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トリビュナルの描かれたフレスコ画

レッドマウンテンとの戦いにともないその他にもダゴス・ウルの裏切りと死に伴うダゴス家の解体、インドリル=ネレヴァルの死、ドゥーマー種族の消失などの出来事が発生した。ドゥーマーが消失したのはチャイマーとの戦いに敗れそうになったドゥーマーがロルカーンの心臓から力を引き出そうとし、それに失敗した(あるいは成功し、霊魂の領域の存在となった)ためとされている。ダゴス・ウル、ネレヴァルの死に関しては作中でも記述が分かれている。「レッドマウンテンの戦い」によるとドゥーマーの消失後、心臓から力を引き出すのに必要な道具の引き渡しをダゴス・ウルが拒みそれをトリビュナル達・ネレヴァルが瀕死の重傷を負わせ殺した、さらにその後心臓の力を引き出すことに反対したネレヴァルをトリビュナル達が謀殺し、ヴィヴェク・ソーサ=シル、アルマレクシアの3名が力を引き出して現人神となったと記録されている。

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聖ネレヴァルのフレスコ画

レッドマウンテンの戦いの後、ダンマーはトリビュナル信仰を是とする者達とアズラ信仰を維持し反トリビュナルを掲げる一派に分裂した。反トリビュナル派は都市部を追われ、ヴァーデンフェル島の火山地帯でアッシュランダーとして暮らしている。少数派であるが、トリビュナルが現人神となるまでの経緯を知り反体制を掲げる寺院も存在した。

その後ネレヴァルの転生者・ネレヴァリンが3E427年にヴァーデンフェル島に再臨するまでトリビュナルの統治は続いた。トリビュナルは彼らの権力と現人神の力を用いて約3500年に渡ってダンマー達とモロウウィンドの国土を守り続けてきた。

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2E582年のヴィヴェク復活祭

2E882年、レッドマウンテンにて眠っていたダゴス・ウルが復活する。ダゴスは全タムリエルの支配を宣言し、トリビュナルは彼を倒すのに全力を用いて戦った(ダゴスはトリビュナル達よりも先に心臓の力を引き出し、不死の存在と化していた)。ダゴス・ウルがモロウウィンドに大きな被害をもたらしたのを利用し同年タイバー・セプティムはモロウウィンド帝国に一方的に休戦協定を突きつけ、帝国の属州とした。

第3紀の終わる直前の3E427年、トリビュナルの過去の過ちを正すとされるネレヴァリンがヴェーデンフェル島に再来し潜伏活動を開始する。ネレヴァリンの活躍によってロルカーンの心臓は破壊され、ソーサ=シル、アルマレクシア、ダゴス=ウルの3名は死亡する。ヴィヴェクは行方不明となる(プレイヤー次第では彼を直接殺害するルートもある)。ネレヴァリンはその後アカヴィル大陸へと旅立ち、ダンマー達の未来を彼ら自身に託したとされている。

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ヴァ―デンフェルの夕日

アズラの予言とネレヴァルの再誕が実現したにも関わらず、ダンマー達はその後度重なる災厄に見舞われる。ヴィヴェクの消失に伴いダンマー達はヴィヴェクシティー上空の巨石・バール=ダウをインゲニウムという装置を利用して浮かせ続けていたが、これには定期的に黒い魂を補填する必要があった。

4E5年、装置に自らの恋人の魂が使われていることを知ったダンマー・スルは装置を破壊し、その際巨石がヴィヴェクシティーに落下し都市が消滅した。更にその衝撃でレッドマウンテンが噴火し、モロウウィンド全域が壊滅的な被害を受けた。ヴァーデンフェル島は人の住めない土地となり、降灰後のモロウウィンド・ソルスセイムにおいてはアッシュスポーンのような火山灰由来の生物が出現するようになった。

その直後、アルゴニアがモロウウィンドに宣戦布告しアセッション戦争が勃発する。一時は占領軍が廃墟と化したヴィヴェクシティーにまで到達しモロウウィンド東・南一帯のほぼ全域が支配下となるが、レドラン家の組織した部隊がモーンホールドの奪還に成功しモロウウィンドの壊滅は防がれた。

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4E201年、ソルスセイム島から見たヴァ―デンフェル

レッドマウンテンの噴火およびアセッション戦争により多くのダンマーが難民化し、スカイリムやソルスセイムへの移住を開始した。4E16年、モロウウィンド主権国は難民受け入れのための土地の1つとしてソルスセイムをスカイリムから買い取り、正式な領土とした。レドラン家はオブリビオン動乱、および火山噴火と戦争勃発を受け帝国軍が撤退したのを利用しモロウウィンドの独立と再軍備を果たしていた。レドラン家はダンマーの間で信用を集め、モロウウィンド首都のブラックライト(古代レドラン家の評議会がある)への遷都を実現した。時期は不明だが、4E48年までにモロウウィンド主権国は正式に第三帝国からの独立を果たしたとされている。

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