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EP15 犬が猫を見習うと

このnoteは2021年5月1日に収録した音声を文字起こししたものです。

こんにちは。ニューヨークライフバランス研究所の松村亜里です。幸せを科学的に研究するポジティブ心理学や、ウェルビーイングの研究を分かりやすく伝えています。

そのままを受け入れる

今日は、そのままを受け入れる、というテーマでお話ししていきたいと思います。
私の最近のテーマかなと思っているのですが、最近、娘とうまくいかなかったりとか、(もうすぐ13歳になるのですが) ちょっと難しかったり、あとは日本に引っ越すかもしれなくなって、夫に対して凄く非難してしまったりすることがあって、その元にあるものが何なんだろうなーっていう感じで考えていて、私なりに最近いろいろ気づいたことがあったのです。

こんなに夫を責めている時に、本当に許せないのは、自分なんじゃないかなとか、そこら辺の心のメカニズムみたいなものを色々考えていて、ブレネー・ブラウンさんの、新しい本を読んだりしていたのですが、その上で今日、こんなエピソードがありました。

日本を変えたら日本じゃなくなる

息子の話です。息子が来年日本の高校を受験したいと思っています。そのコンサルタントみたいな方と話をしていて「この質問に答えてください」って言って送ってきた質問用紙があって、それを息子と話しながら答えてもらっていたのです。

日本語があまり書けないので、私がそのメモを取ったりしたのですが、こういう質問があリました。アメリカに住んでいる日本人として受験するので、「どこの国に滞在していましたか?」とか、「驚いたことは何ですか?」とか、「困ったことは何でしたか?」とか、「楽しかったこと、つまらなかったこと、日本の生活と異なること、日本と滞在国を比べて良い点、悪い点」みたいな感じで、進んでいって、さらにこういう質問がありました。

「滞在国を見習って、日本は今後どういう点を直していけばいいと思いますか。」

それに対して息子が、こういう答えをしました。「えぇ? 日本を変えたら、日本じゃないよね?」まあ日本だってもちろん、たくさん変えたい所とか、あると思うのですが、本人は日本が好きだし、子どもだから見えていないということも、あるとは思います。

「でも日本を変えたら日本じゃなくなるよね。だってさ、猫を見習って、犬はどういう点を直したらいいですかって言ったら、それもう犬じゃないじゃん」みたいな感じで言ったんですよ。凄く面白いなあと思ったし、素敵だなと思いました。

寛容さと理想像と

息子は、ポジティブ心理学者たちが開発した、世界唯一の科学的な強みのテストである、VIAというテストで、強みのトップ5が勇気、謙虚さ、親切心、感謝、寛容さなんです。ちょっと親バカになりますけれど、結構いじめっ子を止めたり(勇敢さ)、お弁当が落ちた時に、自分のおにぎりを無言でその子に差し出したり(親切心)ということがありました。

そして、寛容さも高いです。本当に私も夫も酷いことをいろいろしてきましたが、許してくれます。先月の日本滞在時は車で移動しました。その時に、日本の首都高速が分からなくて、間違って高速に入ったり降りたり何回もして、もうくるくるしてなかなか東京から出られなかったのですが、その時に息子も娘も、一言も私を責めなかったですね。ただずっと何も言わずに。子ども達が親に対して寛容なのですが、私は結構理想の子ども像みたいなものがあったのか、それで娘との関係が難しいということが、今あるのではないかなと思います。

娘が凄く変わったのです。本当に去年までか、半年ぐらい前までって、ママが大好きで、明るい色の服着て、人と話すのがすごく好きで、本を読んで、優しいし、賢いし、成績もいいし、多分自慢の娘だったのかなって思いますが、もうすぐ13歳になるんですが、今難しいです。引越ししたり、コロナもあって、友達がいない、なかなかできなかったり大変だったのですが、今は友達ができてきて。

日本に来た時に、とても濃いアイライナーをしていたんですよ。お友達とお散歩に行こうって言ったら、アイライナーして、短いショートパンツに黒いタイツ、これがアメリカだとファッションみたいですが、私は「ちょっとアイライナー引かなくていいんじゃない? ちょっとショートパンツ短すぎるんじゃない? 黒いタイツ履かなくて良いんじゃない?」みたいなコメントとかをしてしまって、変わった娘を受け入れられない。「ママ、ママ」って言っていたのに、一人でいたい娘がいて、そういう娘の変化が寂しかったりしました。

夫に対しては、結構しっかりして欲しいとか、色々計画して欲しいとか(そういうのは全く苦手ですが)、ご飯を作ったりはしてくれるのですが、学校のこととか、英語だし色々助けて欲しいと思うのですが、それがなかなか上手くいかない。こうなって欲しい相手を愛していて、今の目の前の相手をちゃんと受けていないのかなって、凄く思ったのです。

一種の喪失体験

思春期の親と子の確執ってこれまでも聞いてきて、怖いな怖いなと思ったのですが、思春期に何が起こっているかって言ったら、子ども自身が「ママが大好きだったという自分」が変わっていくというその戸惑いですよね?

娘もちょっと「一人にして」とか言った後に「ママごめんね」とか、私のことを突き放したい、でも自分でも悪いと思っているといった感じで、確執や葛藤があるのだと思います。子ども達も今までの自分から変わっていく自分、娘もすごく自信満々だった自分が信じられないと言っています。今は、いろいろね、自信がなくなってきて、彼女も何かをなくしている時期なのだと思います。

私も親として、明るくて、天真爛漫で、素直で、優しくてという娘から、「自分は誰なのだろう?」のように苦しむことへ変化していくのをただ見ているのは辛いですよね。思春期なので当然で、じっくり見てあげられたらいいですが、辛くてついついアドバイスしちゃうんですね。親は「いつまでも明るく元気で、世の中に対して何の疑問も持たずに生きてほしい」みたいなところがあると思うのです。これまでの子どもが、やっぱり親の中でもなくなっていくし、そういう一種の喪失体験でもあるのかなと思います。今の子の難しさとか苦しみというのは、今この目の前のこの子を、ちゃんと受け入れるところに、ヒントがあるのかなと思っています。

あとは、最近読んでいる、ブレネー・ブラウンさんの本の中に、凄く面白い研究結果があったので、それがヒントになるかなと思います。ちょっとまだごちゃごちゃして、自分のなかでまとまっていないのですが、5月8日のオンラインサロンで「相手も自分も思いやるコミュニケーション、非暴力的コミュニケーション NVC 」も取り入れて、理想の相手ではなく、そのままを受け止める為にできる事をお話ししたいなと思っています。

まとまっていなかったかもしれませんが「猫を見習って犬はどういう点を、直していけばいいですか」っていうのはおかしいよね。その子はその子でいいよねということを、シェアしたいと思いました。

オンラインサロンAri’s Academiaでは最新のウェルビーイングの講座や、同じ志を持つ仲間とのつながりの中で幸せを増やす行動を習慣化することができます興味のある方は覗いてみてください。
それでは今日も良い1日をお過ごしください。さようなら 。


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