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バーとレストランで違うノンアルドリンクの世界観

・バーとレストランのノンアルドリンクの名称の違い。
・バーとレストランのノンアルドリンクを取り巻く環境の違い。
・バーとレストランで違うノンアルドリンクのテイスト。
・現状とこれから

バーとレストランのノンアルドリンクの名称の違い

現在、バーとレストランで出されるノンアルコールドリンクでは名称に違いがあります。

BARで出されるノンアルコールドリンクは「モクテル」です。モクテルという言葉を知らないお客様は「ノンアルコールカクテル」という名称を使います

一方、高級なレストランで出されるペアリング用のノンアルコールドリンクはバーテンダーからするとモクテルですが、
レストランさんでは通常カクテルはあまり提供されないこともあり、そのまま、ノンアルコールドリンクとして提供されていることが多いです。

その他にも、「ノンアル」「オルタナティブドリンク」「スピリッツフリー」「アルコールフリースピリッツ」など様々な呼び名があるので、統一できたらもっと普及するのに、、、というのが個人的な感想です。

※モクテルという言葉が使われているのはバー以外では、一部のファミリーレストラン(ドリンクバーのジュースを混ぜて新しい味を作ろう的な)と居酒屋などです。
残念ながら、まだミックスジュース的なものも多いですが、世の中に広まっている光景を見ると嬉しく思います。


バーとレストランのノンアルドリンクを取り巻くの環境の違い。

ここからは私自身の経験と情報で書くので絶対ではないでのでご了承ください。

現状ノンアルドリンクの分野では、BARよりもペアリングメニューを出しているような高級レストランの方が進んでいます。
BARのメインの商品はやはり、お酒です。
昔は、ノンアルコールしか飲めないお客様は断られたり、嫌な顔をされたりしたのも事実です。

ですが、最近ではお店にあるフルーツやハーブを使いできる範囲でお客様のご要望に応えるBARも増えてきました。

今までがそういう雰囲気でしたから、BARにくるお客様はほとんどがお酒をある程度は飲めるので、ノンアルドリンク自体がオーダーされることが少ない

アルコールが入っていなく、賞味期限が短いノンアルコール素材をお店にたくさんストックしておくのも難しい

オリジナリティーと、クオリティーが両立しているようなモクテルを作ることが難しい。

結局、お酒を飲むお客様に集中しよう
というような悪循環が生まれやすい状況です。

一方レストランでは主役は料理です。料理を食べない方はいらっしゃらないので、普段から下戸の方も普通にサービスする環境です。
自然とニーズに応えていく形でノンアルペアリングも生まれたでしょうし、そういったコースでは予約制が多く用意しておく物も決まっているので凝ったものを提供できます。

バーとレストランで違うノンアルドリンクのテイスト

当然、バーとレストランでは供されるノンアルドリンクの質は違います。

レストラン
食事が主役で、ペアリング用のノンアルドリンクはあくまで引き立て役です。
お茶や発酵飲料、ブドウジュースなど食事に合わせやすいものをベースにしながら、料理と相性の良いもの、コントラストを生み出すものなどを巧みに組合せていることが多いです。
酸味のとり方などはバーテンダーから見ると、とても参考になります。

バー
食前or食後で利用されることが多いため、必然的にドリンクだけ注文されることになります。ナッツなどのおつまみは出しますが、
基本的にはドリンク単体で満足していただけるように作っていかなければならないので、甘味や苦味、酸味など、味の一部分を意識的に突出させたり、香りにインパクトを持ってきたりと色々工夫します。

バーでペアリング用のドリンクを出せば、少し物足りない感が出てしまいますし、レストランでバーで出すような味わいを再現したら、料理の邪魔をしてしまいます。
どちらがいいと言うわけではなく適材適所なんです。

現状とこれから

ノンアルコールドリンクを語る際、TPO抜きで語られたり、

普段お酒を飲む人の為のノンアルコールドリンクなのか、
それとも普段からお酒を飲まない人の為のノンアルコールドリンクなのか、

一緒くたに語られることが多く、堂々巡りで「やっぱり微妙」と評価されてしまう事もあるノンアルコールドリンク。
少しずつ広まり、みんなが楽しく食卓を囲める日がくるといいですね!

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