見出し画像

困ったときに手を差しのべる人でいたい

これ書こうかどうか迷ったんですけど、トレーナーとしてリアルな話も紹介してみようという気になったので、ワタシのモヤモヤ解消にお付き合いいただければと思います。ワタシ、トレーナーとしてチームにたずさわっているはずなんですけど、何だかよろず相談所みたいな役割もありまして、もはやこれも役割の一つかと思い、時間の許す限りいろいろと相談にのってます。

卒業してから気づくトレーナーの専門性?

先日、卒業してから10年以上は経っているであろう、卒業生から突然連絡がきました。

今、少年野球の指導にたずさわっています。体力づくりのためにどのようなメニューがオススメですか?

いやぁ、こういう相談は本当によくきます。今は連絡手段が豊富なので、LINEやメッセンジャーなどを通じて連絡がきます。こちらとしては困ったときに思い出してくれるのがワタシで嬉しいなぁと思い、チーム状況などもう少し細かいところを聞いた上で、いくつか提案するようにしています。卒業して、結婚して、子どもができて、子どもが所属するチームのお父さんコーチなんですって。ワタシはその時点で時の流れにめまいがしそうでしたけど。

これと同じくらいケガに関する質問もきます。突然電話がかかってきて、

あ、ニャロメさん。今、選手が肩脱臼したみたいなんですけど、どうしたらいいっすか!?

「今!?」と驚きつつも電話越しに脱臼に関する応急処置を指導して、きちんと病院に行くように伝えました。ワタシはケガをした時、痛みのあるときはひとまずアイシングをすることを推奨しているので(状況によっては正解にはならないケースがあるかもですが、悪化させるリスクは少ないため)、「冷やしとき~」をしておけばいいですよね!と言われて、はいそのとおり!はいそのまま病院へ!と返しておきました。

この他にも卒業後もプレーを続ける選手からはトレーニングの相談がきたり、動画を送ってきてフォームを見てくださいという依頼があったりします。こういう場合は「現チームのスタッフに相談したのかな」って内心思うんですが、言えないのか、セカンドオピニオンがほしいのか、そもそも常駐のトレーナーさんがいないのか。それとなく探りつつ、現チームの方針に横やりを入れるようなことだけはしないように気を使って返事をします。そう、気を使うんですよ。

相談内容によってはメディアを使ってお返事

画像1

セミナーなどに参加すると最後に質疑応答の時間がありますよね。質問をしてもらえると、その疑問に対して参加者全員に向けて返事をすることができます。だから質問は後からこっそりするんじゃなくて、できれば勇気を出して手を挙げてみんなにシェアできるように質問してもらいたい。

指導している選手たちがどうしても上半身のトレーニングばかりやりたがるんですが、どうやってトレーニングの重要性を理解してもらえればいいですかね?

チームに何年もたずさわっていると、指導の現場で活躍する卒業生も増えてきました。電話がかかってきてこのような相談をされたので、ひとまず対策をいろいろと挙げてみたのですが、これはこのチームだけの問題ではないよね?と思い、コラムで再度書くことにしました。

コラムを書いている中には少なからず卒業生からの質問に回答しているものがあります(笑)。

ワタシを介して話をする

画像2

チーム内での人間関係についても相談を受けます。だいたいですね、ワタシも欠点だらけの自称ダメ人間ですから「ワタシに相談するなんて大丈夫?」とも思うんですが、中立的な立場で超個人的なアドバイスでよければ…と話を聞くようにしています。

ちょっと話は脱線しますが、ワタシも昔、とある人とガチンコ勝負するほど犬猿の仲だったことがありまして(お恥ずかしい限りですが)、相手の言動にいちいち苛立っていたんですよね。そんなワタシを見て、仲のいいトレーナーさんが「相手も悪いけど、ニャロメさんにも非があるでしょ。100:0ではないと思うよ」と言われてハッとして。さすがにワタシもまったく非がないとは言い切れず、相手の立場を思いやると原因はワタシにもあるんじゃないかと思いまして。

それを聞いてから思い直し「ワタシにも悪いところありました!ごめんなさい」と謝罪したらビックリされて。そうなると相手も「こちらにも悪いところがありました、ごめんなさい」ってなりますよね。その後から現在にいたるまで良い関係を築けています。ホント、あの時のアドバイスに感謝です。

と、そういう経験があったので、相談を受けたときは「100:0」ではないんではないかな~!とエラそうにやんわり話をしています。お互い相手のことを思いやれば、自分にも非がないか省みて、譲れないところと譲ってもいいところが出てくると思うので。まれに「100:0」のこともありますが、そのときは…個別対応ということで。

で、だいたいこういう相談は双方からくることが多くて、なんでワタシを介して話をしてるの?って思いながらも、それぞれの立場で話を聞き、妥協点を見いだせるようにいろいろと考えられることを提案しています。みんな相手にカンペキを求めすぎなので、60点合格説をひろめるようにしていきたい。選手がスタッフの不満を言うことは日常茶飯事ですが、スタッフ側の立場から考えるように促すとそこまで言うことなくない?みたいなところに落ち着きます。60点でOKにしてくださいよ、ホントに。

あとこの際、これも言っておくけど、恋愛相談を双方からするのはキツいのでできれば遠慮していただきたい。めちゃくちゃ応援してしまうので、うまくいけばいいですが、うまくいかなかったときはワタシまでしょげてしまいます…。

調子の良いときは華麗にスルー、でも…。

画像3

申し訳ないんですが相談がありまして…

ときたときはさすがにちょっと身構えました。なんだろ、マルチ商法の勧誘か?とも思いましたが、ダイレクトな経済的支援でした。驚いた。このご時世ですから会社をクビになっちゃったのかなとも思いましたが、理由はわからないまま。

アナタの人生に投資をしたい!と思えるような提案をしてください。ワタシはいつでも応援しています。

と返すのが精一杯でした。どうしよう、これが最後の砦でもう後がないとなったら。こう返事をしたものの、ちょっと心配しているんですよね。

それでもこうして相談をしてきてくれることは、多少なりと頼りにしてくれているのかなと嬉しい気持ちもあります。もちろん、今までたずさわった選手やスタッフ全員と良好な関係を築けているかといえば、そんなことはありえないですし、否定している人も中にはいるかもしれない。それは考え出すとキリがないので、たずさわったときの自分が全力でその人と向き合った結果と受け止めるだけです。

特に経験値の浅いなんちゃってトレーナー時代はいろいろと申し訳なかったなぁと思うことも多いですしね…。

調子のいいときは周りに多くの人が集まってきますが、調子が悪くなるととたんに波がひいたように人がいなくなってしまいます。勝負の世界ではこういう光景を何度も見ているので、人がいなくなったときにも声をかけられる存在でありたいなと思います。

勝ったときはいろんな人が連絡くれますが、負けて連絡くれるのニャロメさんだけっすね。

と言われたことがあって、それまで気にしていなかったんですが、ああ、そうかと。負けたときに連絡するのって相当言葉を選ぶんですが、それでもこれからも応援してるよ!っていう気持ちを込めてメッセージを送りました。

こう書くと、誰に送って誰に送っていないとか言われそうなのでアレですが、月日がたつとともに卒業生がそれぞれのステージで活躍していて、もう誰がどこでプレーしてどこで指導しているとか、カバーしきれません(言い訳)ので、あらかじめ連絡を入れておいてもらえると、もれなく負けたときにメッセージを送りたいと思います(笑)。

いやぁ、これだけ書いたらちょっとスッキリしました。長文にお付き合いいただきありがとうございます。トレーナーという立場で出会った関係ですが、ワタシの人生の一時代を一緒に過ごした仲間として、困ったときには手を差し伸べられる存在でありたいなと思います。


読んでいただきありがとうございます!セルフコンディショニングに関する知識や情報などを多くの人に届けるために活動しています。記事を気に入ってサポートしていただけたらとても嬉しいです。