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NASM-PES取得に向けた勉強法

前回の記事で全米スポーツ医学協会が認定するPerformance Enhancement Specialist(NASM–PES)という「スポーツ傷害のリスク管理とパフォーマンス向上を専門とし、特に機能改善という視点からアプローチする」ことに長けたトレーナー資格を取得したというお話をしました。今回は具体的にどのような勉強をして資格試験に合格したかについて書いてみようと思います。これから資格取得を目指す方の参考になれば幸いです。

NASM–PESのオンラインコースを受講する

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日本ではR-body projectのオンライン講座を受講し、試験を受けて合格すると資格を取得することができます。NASMの本拠地はアメリカですが、日本でオンライン講座を受講すると日本語の講義動画(総動画時間約10時間)やテキスト、各章ごとの小テストなどが提供され、NASMの公式サイトでも個人アカウント作成後、エクササイズ動画の閲覧などが可能です。自宅学習するための教材は豊富であり、英語版の分厚いテキスト(全647ページ)も送られてきます(申し込みから約2週間後)。申し込みから1年以内に受験しなければなりませんが、日本語での受験が可能であり、多くの方は期間内に受験できるボリュームだと思います。

【受験資格】
1)4年制大学(学部問わず)、または日本のスポーツトレーナー系・医療系専門学校の既卒者。およびその卒業見込み者
2)米NCCA、NBFE、DETCの認定団体(NSCA、ACS、NESTA、ACSM、AFAAなど)の資格をお持ちの方。
※資格付与の為に上記①②の両方か、そのどちらかに該当することが必要。
【受講料】
一般 ¥132,000(税込)
学割 ¥92,400(税込)
※年会費や更新料などはなし、分割払いは応相談

日本語の教材を使って勉強を始める

NASM公式サイトへのアクセスには手続き上、しばらく時間がかかる(2週間ほど)ため、日本語の教材サイトにアクセスして早速勉強を始めていきます。一章につき一つ、ないしは二つの動画(前後半)があり、その一つひとつはだいたい20分程度なので、思い立ったら「あ、一つ見ようかな〜」といった感じで閲覧することができました。動画を見ながらテキストを確認し、終わったら小テストに解答して自己採点するという流れです。途中からNASM公式サイトでの動画閲覧や小テストなどと並行しながら勉強を進めていったのですが、日本語バージョンの勉強を一通り終えるのにかかった日数が37日間(1ヶ月強)だった模様です(計算した)。もちろん毎日ガチガチに勉強した訳ではなく、16章を2日で一つ学習するくらいのペースになったみたいです。

NASMへのアクセス権を取得する

NASM公式サイトへのアクセスができるようになると動画閲覧が可能になります。その数108項目!(テキストの閲覧などもあるので、そこは書籍が届いたら省略できる)。その代わり一つの動画が5分程度のものが多く、サクッと見やすい感じでした。ただし全て英語で、こちらも各章ごとにそれぞれ15問の復習小テストがついており(聞いてない)、ある程度英語力は必要になるかなと思いました。動画の内容をテキストにしたものがPDFで準備されているので、それを翻訳サイト(DEEP–L)に入れてしまえば大体の内容は把握できます。私は模擬テスト(英語で100問あってビビった。しかも×2セットw)の解答時に間違えた項目のみをDEEP–Lで見たのですが、さすが世界一高精度をうたっているだけあって、専門用語についてもかなり正確に翻訳されていて理解しやすかったです(最初から全部DEEP–L使えばよかった)。

そのうちテキストが送られてきたのでテキストの英語を拾い読みしながら、動画閲覧+小テストを繰り返し、公式サイトにある108項目についてもコンプリートしました(する必要はなかったんだと思いますがw)。でも結果的にこちらで勉強した内容が日本語の試験でも出題されていたりしたので、時間的な余裕のある方や英語力に問題のない方は目を通しておくといいかなぁと思います。

さらに日本語テキストと小テストをおさらい

NASM公式サイトでの学習も一通り終えたので、この時点で「オンライン受験してもいいかな〜」とは思ったのですが、NASMのコンセプトや言葉の定義などはおさらいしておいた方がいいだろうと思い、小テストを含めてもう一度見直すことにしました。すると同じところで間違っていたりしたので、やっぱり復習は大事だなと(汗)。さらっと流す程度にと思って見直しましたが、まる2日かかりました。

頭の冴えた午前中を選んで受験!合格!

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見直し勉強をした後にそのままオンライン受験…はやめて、しっかり睡眠をとった上で翌日の午前中にオンライン受験。90分の制限時間で100問の4択問題ですが、多分30分もかかっていなかったと思います。ちょっと早く解答しすぎたので、もう一度すべて見直し、「みなし不正解」をカウントすると14個だったので「86点か!なら合格でしょ」ということで結果をチェックするとまさにビンゴの86点合格でした(笑)。ただし「みなし不正解」のうち、本当に不正解が7個、「これはおそらく間違っていないだろう」と思っていたのに間違っていたのが7個でした。間違っていないだろうと思っていたのに間違えたのは大問題ですので、これはきちんと復習してなぜ間違ったかを確認。再テストを受けたら100点の自信はありますが(負けず嫌いかw)、その必要はなさそうなのでやめておきました。資格取得に向けて勉強を開始して43日目に晴れて合格となりました。

NASM–PESを受験した感想

受験資格にあるような資格を持っている方や、スポーツ医学、トレーニングなどに精通している方にとってはさほどむずかしい内容ではありませんが、NASMの持つコンセプトやエビデンスに基づいた段階的アプローチなどはとてもユニークで面白い!と感じるものでした。実際の指導現場や施術などでも大いに役立つのではないかと思います。今でこそスポーツ傷害を「枝葉ではなく森で見る」ことは当たり前のコンセプトではありますが、人間の動きは複雑で一つが機能的問題を起こすと、思いもよらないケガにつながることは少なくありません。その前段階で修正できる能力に長けた専門家として、今回学んだことを活かし、いろんなところに還元できればいいなぁと思います。

あと勉強した中ではNASM公式での学習動画108項目のうち、エクササイズ動画は閲覧しておくとイメージしやすいこと(エクササイズっていろんな呼び方をするから、わかんなかったりする)、各章のまとめ小テスト15問(英語ですが)はわからない単語をググりながらでも解答した方がいいなと思ったこと、そして模擬テスト(100問×2セット)もぜひ挑戦してみるといいかなと思います。模擬テストは間違えても後から解答を確認できるので、これは根性で突破しておきたい(笑)。ちなみに英語版の模擬テストでは67点と68点でした。「70点以上合格なのにあかんやつ〜!」ということで復習したのがよかったです(とだけ言っておこう)。

長々と書きましたが、これから受講してみようかな、資格取得してみようかなと考える皆さんの参考になれば幸いです。そして最後になりますが、資格取得はゴールではなく、そこで学んだものをどう活かすかが大切なので、ぜひそのことを忘れずに最初の一歩を踏み出してもらえればと思います。

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