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ずっとそう

さっきと言うほどでもないが、いつもより遅めの帰宅になった。

半分だけ残ってしばらく経ってしまった大根を油揚げとお味噌汁にする。

冷奴に、刻んだ小葱をたっぷり、あと生姜も少々盛り付け、醤油をかける。

マグロのたたきと納豆とキムチでバクダンを作る。
寿司のりをコンロで炙り、四等分した正方形たちをバクダンの包み用に添える。

最近、“ごはんとおかず”というような重量感のある夕食を求めなくなった。

お酒があってもなくても、晩はちょっとずつをゆっくり食べたい。

汁物は好きなので、お味噌汁はよく作る。
冷蔵庫には赤味噌も白味噌も合わせ味噌も常備している。

晩ごはんにはお味噌汁、お昼のお弁当には卵焼き。これは鉄則のマイルール。

だから今晩もこんな感じになった。

いかにもつまみ的なメニューだけど、
四連休は、家で映画を観ながら赤ワインばかり飲んでいたので、
お酒はやめてレモン水にする。

レモン水は、大瓶で買っているポッカレモン的なやつに冷水を注いだ休肝飲料。
(何の効能があるということもなく、ただ勝手に休肝日に飲んでいるだけ。)

妻も仕事を切り上げて、食卓に座り、一緒に食べる。

お皿が8割方空いたころ、会話も一段落して、何となくテレビをつけた。

…めっちゃつまらん。

僕ら夫婦はほとんどスポーツを観ない。

オリンピックやサッカーW杯決勝などですら、観ようという雰囲気にもならない。

妻は中垣内の頃、男子バレーにはまったことがあるそうだが、それきりらしい。

僕はと言えば、ある夏だけ高校野球を観まくったり、
ウィンブルドンやツールドフランスを1シーズンだけ釘付けになったりしたけど、
「来年も観るぞ」と思いながら、翌年も観た記憶がない。

つまり、どっちも根っからのスポーツ好きとは程遠いのだ。

HDDをチェックすると、孤独のグルメのシーズン9の第3話が録れていた。
はて、1話と2話はどこへいったのやら。

一話完結型なので、第3話からでも全く問題なし。3話を再生する。

コロナ禍の五郎さん(主人公の名前)はどうしているのかと2人で見入る。

するとマスクをつけて画面に現れた。笑
公園で缶コーヒーを飲んでいる時は、顎にマスクをずらしている。

ドラマなのにめちゃくちゃ普通で、それがむしろリアルな五郎さん。

ん?ふとあることに気付き、改めて五郎さんを観察する。

・五郎さんはひとりでごはんを食べる = 以前からソーシャルディスタンス遵守
・五郎さんはいつも脳内レポートだけで声は発しない = 以前から黙食
・五郎さんはお酒を飲まない = 酒類の提供がストップしていても影響なし
・五郎さんは夕方間際の不思議な時間に食事をする = 20時迄の営業でも問題なし
・五郎さんは前菜からデザートまで想像以上に食べる = 売上貢献度が高い
・五郎さんは食べ終わったらさっさと帰る = 90分も滞在できるなら充分満喫可

彼の食事スタイルはコロナ以前のシーズン1から何も変わっていないのだ。
しいて言うなら、入店時と退店時にマスクを着けるようになったことくらい。

ギスギスする世の中でも、変わらず日々を淡々と過ごす 井之頭 五郎。
コロナ禍どうこう関係なく、そのマイペースさに惹かれていたことを思い出す。

自分をしっかりもっていれば、パンデミックでも揺らがないってことね。

なんか素敵だな。

おかげでこっちまで平和で清々しい気分。


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