番外編 降りてきた #文字でスケッチ
首を振って、ため息をつく。
斜め60°くらい上を見上げる。
カーテンレールのもう少し上、天井と壁の境目あたり。
実際、見るために見ているのではないのだが。
そこに答えがないことはわかっている。
わかっているのにこういうとき、なぜ、必ず人は斜め上を見上げるのだろう。
空中を凝視していた視線を、今度はゆっくりと右へ動かし、それから左へ半時計周りに滑らせる。
下ろしてきた目線を次は真下へ向ける。
頬杖をついたまま、しばらくテーブルの木目を眺めたあと、右手の人差し指と中指を眉間に強