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ショッピングモールの業態いろいろ【0.分類編】

日本のショッピングセンター業界の日本ショッピングセンター協会では、以下の通りショッピングセンターの定義をしています。

ショッピングセンターとは、一つの単位として計画、開発、所有、管理運営される商業・サービス施設の集合体 で、駐車場を備えるものをいう。その立地、規模、構成に応じて、選択の多様性、利便性、快適性、娯楽性等を提供するなど、生活者ニーズに応えるコミュニ ティ施設として都市機能の一翼を担うものである。(SCの定義 | 一般社団法人 日本ショッピングセンター協会

ただ、実際に私達の目の前に見えているショッピングモールの違いはどこにあるかというと、「業態」です。すなわち・・・
・どのような作りをしているか
・どのようなターゲットをもっているか
・どのようなテナントを揃えているか
ということで分類できると思います。これらを踏まえて、より具体的な整理をしてみようと思います。

今回は【分類編】ということでまず分類を行うのと、それらの特徴を簡潔に書いてみようと思います。
分類は、ショッピングモールのありように一番影響を及ぼす立地を最初の切り口に、立地ごとの業態で分類していきます。

ちなみに、先に引用した日本ショッピングセンター協会でも立地ごとに分類を行っています。

中心地域:人口15万人以上の都市で、商業機能が集積した中心市街地
周辺地域:上記中心地域以外の地域
SCの定義 | 一般社団法人 日本ショッピングセンター協会

このnoteはせっかく私が書いているので、業界での分類に必ずしもこだわらず、実際の業態を理解するという視点で、3つの立地ごとに業種分類をしてみようと思います。

※各分類ごとの記事を順次書いていこうと思います。書いたらリンク貼ります!

1.郊外立地型

私は、ショッピングモールと言った場合はたいてい郊外をイメージします。建物が少なく、何なら田畑に囲まれているような立地のイメージです。以下のような業態があります。

1-①大型ショッピングモール(リージョナル型)…「ららぽーと」「イオンモール」はほとんどがこの形態です。車で30分以内に来られる範囲を商圏とするような業態です。家族連れをターゲットにしていることから、良く「金太郎飴」と揶揄されているのを聞きます。実際は結構地方により特徴があると思うのですがね。

1-②アウトレットモール…「三井アウトレットパーク」「プレミアムアウトレット」に代表される、アウトレット品を販売するショッピングモールです。定価販売をしている店(百貨店や路面店)から一定の距離を取っていないとブランドの集積ができないこともあり、大規模なアウトレットモールはほとんどが郊外です。

1-③近隣商圏型モール(CSC)…「イオン」「イトーヨーカドー」「ゆめタウン」などの総合スーパーがいくつかのテナントを伴いつつ、郊外に立地している場合もあります。商圏が潤沢な場合や交通事情が良い(=商圏を広げられる)場合は、1-①の大型ショッピングモールが建てられるのがほとんどです。テナントは、総合スーパーで取り扱わないもの(一部のブランドアパレルや雑貨)、サービス業種(学習塾など)に限られる印象です。

2.近郊立地型

住宅街の中や、市街地の周縁部に立地しているショッピングモールです。規模や構造によってはショッピングモールという認識がされていない施設も含まれます。

2-①近隣商圏型モール(CSC)…1-③と同様ですが、数は近郊立地型のほうが多いと思います。あるいは、1-③として郊外に立地していたのが、周辺の開発が進み、近郊型になっているものもあります。

2ー②小商圏型モール(NSC)…食品スーパーを中心に、いくつかのテナントが集合しているものです。チェーン展開しているのは「イオンタウン」や「フレスポ」といった、平屋建てで駐車場を囲むように建物が並んでいるタイプの施設です。100円ショップやホームセンターなど、単独でもリッチするようなテナントが集合している場合もあれば、少し規模の大きいところだと1-③のようなサービステナントなども揃っていることもあります。

3.中心部立地型

中心市街地に立地するショッピングモールです。ショッピングモールというよりは別の業態として見られているものが多いですが、、私はショッピングモール業界にいるのでショッピングモールとして見ちゃってます。

3-①駅ビル…東京ではルミネ、大阪(梅田)のルクアなどが象徴的な、駅直結の商業ビルです。テナント構成は、人通りの多さからニッチ寄り(価格帯やターゲット)なものも含んでいるのが特徴で、また女性向けに特化している施設が多いのも特徴的です。

3-②ファッションビル…「パルコ」「OPA(ビブレ・フォーラス)」「マルイ」などが有名でしょうか。多層階にわたってテナントを集積しているビルで、共用部があるようなタイプがこう呼ばれているようです。サブカルチャーの発信拠点のようになっていた時代もありますが(今でも「ラフォーレ原宿」や「新宿マルイアネックス」の一部フロアはそうですね)、最近は各社とも市場に合わせるのに苦戦しているようです。

3-③複合開発型…オフィスビルの低層階にショッピングモールを併設しているタイプです。東京丸の内の丸ビルを始めとする各ビル、森ビルの展開するヒルズシリーズ(六本木ヒルズ、虎ノ門ヒルズ)、三井不動産の東京ミッドタウンシリーズ(六本木、日比谷)、南海電鉄のなんばパークスはこれに分類できるかと…。都市部の再開発でどんどん増えている印象です。

3-④百貨店付属型…高島屋の二子玉川や日本橋が有名です。大阪の「あべのハルカス」(核店舗は近鉄百貨店)や奈良にある「ならファミリー」(核店舗は近鉄百貨店・イオン)もそうでしょうか?百貨店の集客力に陰りがある中で、あまり数はないですが、実はSC…という百貨店もありそうです。3-①のファッションビルに近い業態へ転換した例として、立川高島屋SCや西武所沢SCという、もともとは百貨店だったものがSCになった…というのもここに含まれるとみます。

一旦分類をざっっっくりと書いてみました。それぞれの細かい分析を続けていきますね。(1-①のタイプが主戦場なのでそこに偏りそうだなぁ…)

※2020/5/4に誤字修正と情報の追加、読みにくい箇所の修正をしました。

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