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【女子アジアカップ】日本がミャンマー相手に5得点の快勝!【グループC 第1節】

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今回は女子アジアカップ、グループリーグ第1節 日本対ミャンマー戦を観戦しましたのでレビューを書いていきたいと思います。

ちなみに両チームのスタメンとハイライトはこちら。

【前半戦】


・序盤から圧倒、狙いが明確な日本

池田太監督の就任から、初めてのアジアでの闘いとなる女子アジアカップ。
前半戦の序盤から、日本は明確なゲームモデルを持ってプレーをしていました。

最終ラインから丁寧なビルドアップをしていこう、という狙いが見えた日本。
CBからSBに展開し、SBからサイドハーフ、特に長谷川へと繋いでいくことで攻撃を展開していきます。
幅を取るのはSBに任せ、右の長谷川は内に絞ってボールを散らしていき、右で詰まったら左の宮澤へ展開、大外からドリブルで突破していく、というのが日本の形でした。
右SBの清水は大外を使い、左SBの三宅は偽SBとして長野の左横からウイングの宮澤へ展開、という左右非対称の攻撃を仕掛けていきます。

対するミャンマー代表も攻撃を仕掛けようと、最後尾のCBからビルドアップしようとしますがSBにボールが入るのをトリガーとして日本が猛然とプレスを仕掛けます。
ミャンマーは右サイドから展開していこうとしますが、日本は即時奪回・回収の為にゲーゲンプレスを仕掛けていきます。
ミャンマーもパスワークでプレス回避を試みますが、日本もプレスが速く、ミャンマーもなかなか前に進めなくなっていき、日本は即時奪回・回収を何度も成功させていきます。


・ロングボールで最終ラインの『固定』を図る

日本は今回、ミャンマー代表の押し上げを阻害するために最終ラインの『固定』を図っていきます。

固定とは、ロングボールや楔のパスを使うことで選手を前にポジショニングさせない、動けなくする、というのが狙いです。
固定することでCBならボールを運ぶドリブルをさせない、SBならオーバーラップやサイドハーフへの早めのアプローチをさせない狙いがあります。

日本がこの『固定』を行うことで、パスワークをより円滑に出来るようになりました。
日本からすれば中盤の距離感を近く取ることが出来、ミャンマーからしたら間延びした展開になっていきました。
その展開の中から、先制点が生まれます。
前半22分に長谷川から送られたクロスが中央で待っていた植木にピッタリと合い、頭で先制点を取りました。


・右肩上がりになっていく日本

先制点を取った22分前後から、日本が圧倒的にポゼッション出来るようになっていきます。
日本は長谷川へボールが入ることをトリガーとして、一気に選手が動き出していきます。
その長谷川へと繋ぐためのCB→SB→長谷川、という流れがあまりにも容易になってしまったせいか、攻撃が右肩上がりとなっていき、左サイドの宮澤を殆ど使わず長谷川偏重になってしまい、それに伴って大外の清水を使うこともより容易になりました。

そのことで、攻撃が単調な右サイドからのクロスが多くなってしまい、セントラルMFがボールを握って更にボールポゼッションを進めていく、変化をつけていく、ということが殆どできず、90分通して横パスが圧倒的に多い、という結果になってしまいました。
怪我で途中交代した林、途中出場の猶本、スタメンで90分フル出場した長野にしてもプレーメーカーというよりは守備のタスクを多くこなし、長谷川に早めにボールをつける、という役割に終始してしまい、今後に課題を残すこととなりました。

特にミャンマーは4-1-4-1を採用していたことからアンカーの左右には広大なスペースがありましたが、そこを使えていない、というジレンマがありました。
長谷川は比較的使おうとする動きを見せてはいましたが、長谷川ひとりで完結してしまう動きが多くなってしまい、イマジネーションについてくる選手が居ませんでした。
ついてくる選手、若しくは長谷川を内と外のアクセントとして使えるプレーメーカー型のセントラルMFが欲しい、と思ってしまうことが多々ありました。

【後半戦】

11 田中 OUT 13 遠藤 IN

・バランスを改善した日本、攻撃陣爆発!

日本は4-4-2→4-2-3-1に後半開始時から変更したことから長谷川がアンカーを固定させ、脇のスペースを両ウイングが使える形にもなりました。

そこから早速、攻撃陣が躍動し始めます。
47分に長谷川が中央突破から、52分にはセントラルMFの猶本が直接FKを決めて突き放しにかかります。
対するミャンマーも左サイドを使って反撃を仕掛けようとしますが、宮澤と清水のペアでゲーゲンプレス→即時奪回・回収→ポゼッションを更に高めていくことで、63分頃にミャンマーの足が止まり始めます。
これで更にバリエーション豊かな攻撃が展開されるかと思いきや、逆に単調になってしまいました。


・リズムに変化をつけられる選手の不在

効果的にリズムが変化出来ない、ボールポゼッション『だけ』が極端に高くなる、長谷川へのボールが早めにつけられてしまうことからどんどん攻撃が単調なものになっていきました。

パスだけでリズムに変化がつけられない場合、ボールを前に運ぶ選手がいるとマークがズレていき、更にバリエーションが生まれてくるのですが、CBが前に運ぶドリブルよりも早めのパスを選択してしまい、しかも運動量が落ちたミャンマーが常に4-1-4-1でセットしてしまっているせいで中を崩す動きができず、更に単調な攻撃になっていく、という悪循環に陥っていきました。

選手の力量自体には差があるため、70分に途中交代出場の成宮がゴールし、後半ロスタイムには長谷川がこの試合2得点目を記録し、5-0と快勝を収めました。


・おわりに

この試合を見る限り、日本が目指すゲームモデルはバルセロナやマンチェスター・シティのようなゲームモデルを目指している、と考えられます。

ただ、現在は合わせる時間が限られていることもありますが、ポジショニングやパスワーク、ゲーゲンプレスに関しては特に緻密さが求められます。
それに対して現在はパスのズレや3人目の動きがサイド、中央共に少なく、今のプレー内容では改善点が多々見られます。

このアジアカップでは、アジアでの真剣勝負の中で試合経験を積むと共に、ゲームモデルを更に磨いていくことに期待していきたいと思います。

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