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【ラ・リーガ】L・デ・ヨングは劇薬?繋げないバルサがもがきながら勝ち点3を掴む!【第22節 アラベス対バルセロナ】

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今回もラ・リーガ第22節、アラベス対バルセロナ戦を観戦しましたのでレビューを書いていきたいと思います。

スタメンとハイライト、両チームのシステムは以下の通りになります。

【前半戦】


・らしくないバルセロナ

今さら言うことでもありませんが、バルセロナと言えばショートパスを最終ラインから丁寧に繋いでいく『ティキタカ』が代名詞。

シャビ政権下でもパスを繋いで試合を支配していくゲームモデルの浸透と、ポジショナルプレーを各ポジションで共有している最中です。
試合ではアンカーに据えられたブスケツを軸にして、スペイン代表のペドリ、オランダ代表のF・デ・ヨング等が絡んで3トップの選手が仕上げる、という流れを見せます。

しかしこの試合では、全ての攻撃で起点になるブスケツが殆ど目立つ場面がありません。
元々目立つポジションではありませんし、守備であまり目立つのはチームがピンチ、という事でもあるので、あまり好まれるものでもありません。
ただ、今回の『目立たない』は、バルセロナにとってあまりリズムが良くない、繋げていない、という事を意味します。

何故かというと、普段ならブスケツをまず見るところが、皆が違うところを見てしまっていたのです。
それはL・デ・ヨング。
皆がそこにボールを送り込み、レイオフを受けようと群がってしまった結果が間延びした中盤と繋ぐことが出来ない状況でした。
まさに『らしくない』バルセロナがそこには居ました。


・付け入るタレントが居ない、隙を突けなかったアラベス

対するアラベスは、ポゼッションにはあまり拘ること無くカウンター狙いでした。

元々受けて立つだけの守備力がないバルセロナが相手だっただけに、繋ぐことが出来ずにもがく状態は絶好の機会だったはず。
ここを突けなかったのはアラベスにとって非常に勿体無い、と感じるものがありました。

ただ、レイオフが成功した時の破壊力はなかなかのもので、26分、29分、31分と連続してチャンスを作り出します。
特に26分、29分のチャンスはL・デ・ヨングのレイオフからウイングの突破→セットプレーから作り出されたもので、一定の効果はありましたし、上図のようにCBとセントラルMFを前進させない、固定させる、という効果もありました。

しかし先程も言ったように、所詮は付け焼き刃に過ぎない今回の戦略はアラベスにとっては付け入る隙になっていただけに、勇気を持ってトップ下のポンスや1トップのホセルにボールを入れていれば、もしかすると結果は反対になっていたかもしれません。


【後半戦】


・反撃に出始めたアラベス

後半もバルセロナがボールポゼッションを高め、更にプレッシャーを掛けていくのですがいかんせん、確率の低いL・デ・ヨングのレイオフを多用することでまたロストが増えていきます。

前半戦では鳴りを潜めたアラベスも、後れ馳せながら勇気を持って前進し始めました。
52分にはホセル→ポンスが惜しいシュートを放ちます。
そして77分には最大のチャンスが訪れます。
右サイドを持ち上がったジェイソンからのクロスがホセルの頭にドンピシャで合い、バルセロナゴールを強襲しますが、これもボール1個分ずれてしまい、ゴールには至りませんでした。

重ね重ね、前半の慎重さに加えて勇敢さを持って前進出来ていたら、もしかしたら…と考えてしまい、アラベスにとっては悔やまれる結果となりました。


・L・デ・ヨングとジュグラは共存し得るか?

アラベスの慎重さと過剰なリスペクトにより、なんとかスコアレスを保って後半戦に入ったバルセロナ。
後半戦でもL・デ・ヨングを軸に縦のボール→レイオフを拾ってポゼッションを高めていきます。

すると60分頃から中盤が間延びし始めます。
原因として考えられる事は2つあって、まずロングフィードも織り交ぜながら攻撃をしてきた成果が出始めた事。
もうひとつは前半から行っていたのですが、ピケやアルバが出していた斜めのロングフィードによってSBを固定していったことで、アラベスのSBとサイドハーフの距離が間延び→消耗もあり、距離を詰められなくなっていった事が考えられます。

何はともあれ、パスが繋がり始めるといよいよバルセロナが覆い被さるようにプレッシャーを掛けて来ます。
69分にはまたもやセットプレーからL・デ・ヨングが頭で合わせますがこれはDFに弾かれてしまいます。

痺れを切らしたバルセロナは遂にアブデとL・デ・ヨングを下げ、ニコとジュグラを投入します。
その交代から3分後、決勝点が生まれます。
アルバのサイドチェンジ→フェラン・トーレスがポケット侵入、クロス→F・デ・ヨングが押し込みゴール!
皮肉ではありますが、L・デ・ヨングが押し下げ、間延びさせた恩恵をチームが受け、L・デ・ヨングが下がった後にゴール、という何とも言えない形になりました。

これは個人的な考えではあるのですが、L・デ・ヨングを起用していくのであればジュグラをセットで起用した方が、よりバルセロナの攻撃がバリエーション豊かなものになるのでは?と思っています。

何故ならこの試合だけでなく他の試合を見ていると、L・デ・ヨングの持ち味はポストプレイではなく空間認知能力の高さを活かしたダイレクトプレーにあると思っています。
それに対して、ジュグラはウイングの役目をこなしつつハーフスペースでレイオフ→ポケット侵入、若しくはゴール中央でも勝負が出来ます。
更に、ハーフスペースで抜ききらない内にシュートを撃つ事も出来ます。

この事から、L・デ・ヨングとジュグラをセットで起用することでジュグラのレイオフ→ゴール前ではダイレクトプレーに秀でたL・デ・ヨングとジュグラに任せる、という形を作ることが出来ますし、何よりL・デ・ヨングをフィニッシャーに専念させる事が出来ます。
シャビ自身も『ジュグラは9番タイプではなくエストレーモ(ウイング)だ』と話している事から、奇抜なアイデアではないと思っています。

ここはどうなるか、私個人としては注意深く見守っていきたいと思います。

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