優しい女。①
性格を変えることは思考パターンを変えることって、なんかの本の帯に書いてあった。確かに、人には生きていく中で染みついた思考パターンがあって、行動の大半はそれに支配されている気づいた。
私は、普通の女の子よりは比較的モテるし、あまり男性に困ったことはない。ただ、、同じパターンを繰り返す女でもある。
私の彼氏ができるパターンは大抵、出会って男性がなぜか稲妻が走ったように激しく私を好きになる。そんな短時間で、なんで?って思うけど、相手はとにかく私のことを好きになるのだ。そして、私もその瞬間を見逃さない。
「あ、この人いま私に恋したな」って、28年も女をやってれば相手の表情で見て取れるのだ。そして、大抵その勘は間違っていない。
そう、私がそんな風に相手の表情を読み取れるようになったのは、幼少期の親との関わりや、友人関係に起因する。その話は、また今度するとして、幸か不幸か、私は”相手の表情(しかも、眼差し、口の動き等の細かい部分)から気持ちを察して先を読む”という術を身に着けてしまった。
実際は、傷つくことを恐れて、必要以上に相手のことを観察するくせがついてしまったのだけど。
話が脱線してしまったけれど、そんなこんなで男は一瞬にして私の虜になる。「あじ子ちゃん、あじ子ちゃん」と夢中になって、私を捕まえようとする。
私も、悪い気はしないし、来るもの拒まずのスタンスだし、よっぽどじゃない限りはそのまま許容する。そして、私たちは短期間でカップルになるのだ。
ただ、急激に上がる恋ほど短く終わるものはないと思う。毎回毎回、「今回こそは本当の恋」とか「愛」とか考えても、結局賞味期限は2-3か月。そして、あんなに私を愛しているだとか好きだとか、甘い言葉をささやいてきた男性たちから「そんなに好きじゃない」とか「もう付き合えない」と言われ、彼らは突然去っていくのだ。
最近、冷静に考えてみた。なぜ、私は関係が続かないのだろうかと、いくつか原因は考えられて、1つ目は男性との距離の縮め方を知らない(わからない)。2つ目は人を信じられない。3つ目は、自分に自信がない。4つ目は甘え方を知らない。
まず1つ目については、幼少期父親が単身赴任で常に不在だった。家には男性がおらず、高校も女子高。かつ、母親と父親の仲睦まじい様子も見たことがなかった。よって、本来お手本になるはずの両親から、男性との適切な距離感や理想的な関係を学ぶことがなかった。そして、父親は実家の中では空気な存在で、私自身深く関わった記憶はない。
2つ目と3つ目については、お互いに依存関係にある。私は長女として育てられたのだが、母親からの期待は妹ではなくすべて私に注がれた。そして、その期待に応えることで、母親からの何か(愛情?)を受け取っていた。
むしろ、期待に応えないことで嫌われるとか、いらないと思われることが怖かったのだ。だから、高校生までは親の言う通りに生きてきた。それは家庭だけでなく、友人関係でも同じだった。小・中と出る杭で常に目立っていた私は、教師からは良くも悪くも注目され、友人からは嫉まれた。このころの女子は仲間外れをしたがるし、誰かが仲間外れにならないことにはクラスの均衡を保つことは難しかった。その標的に、私がなるという頻度は高かった。
そして、私は強くなった。仲間外れにされていたとしても気にしていない。ようにふるまう。とか、時には言い返す。とか。なにより、中学卒業以降は強く見せることで標的にならないように生きてきた。
ただし、それは去勢をはっているだけで、一対大勢の関係のみ有効であり、自分は誰かのためになにかをしなければ、期待にこたえれなければ評価されない人間だと心のどこかで感じていたのだろう。だから、とても仲良くなった友人さえも主従関係ができていた。正直、窮屈だった。
そして、家庭でも友人関係でも空気を読みすぎることに徹していたため、誰かに甘えるという行為ができなくなった。
すべては、現在の恋愛関係においても影響をしている。
・人を信じられない⇒幼少期の経験から、人の気持ちはころっと変わる、自分のことを好きだと言っていた人が、明日には敵になっているかもしれないという恐怖(彼氏は私の言ってしまったこと、私のいつかのXXの態度で嫌いになってしまうかもしれない)
・自分に自信がない⇒条件付きの親子関係、友人関係を長いことやっていたため、自分は誰かのために何かをしないと価値がない人間だという潜在意識(自分は自分だけに価値がない)
・甘え方を知らない⇒甘えたら、嫌われるかもしれないという恐怖と、自分は基本的に誰かになにかをしてあげることで価値がでる人間と認識しているため、人に甘えていいと思っていない。そして、強くなければ生きてこれなかった、強い私は甘えてはいけない、常にだれかのお手本でいなければならない。
そう考えていた・・・結果的に私が男性に対してどうなったかというと、意識していないのにとにかく「優しい女」になってしまったのだ。
わがままもいわない、意見もいわない、とにかく相手に合わせる、尽くす。甘やかす。。その根底にあるのは自己評価の低さ。
だって、なにか意見を言って、嫌われたら傷つくから、それならなにも言わなければいい。
(ちょっと自分がつらくなってきたから、いったん休憩。②につづく)
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