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虐めにあった小学生時代3

涙、悔しさが怒りに変わる時

エスカレートする虐め・・・というと、悪魔の様な暴力や悪口ってのがイメージにあると思うけど、私の記憶にはそれが無かった。代わりに場所が広がっていく。小学校の中だけの無視や差別は、田舎特有の近所づきあいにも発展していく
「今日はみーちゃん(もーにゃんの姉)の家に遊びに行こう!」
藤子ちゃんは頻繁にそうみんなを誘うようになった。

学校が終わったら我が家にみんなで集まる。家族は歓迎。お菓子やおもちゃを持って2階の子供部屋へ集合。それが日課。

お菓子を配るのも藤子ちゃん。ポテトチップスをあけて、「はーい!しのちちゃん。はい、めぐちゃん!はい、みーちゃんには5枚!」
私の番は来ない。延々とみんながお菓子を食べる。話は盛り上がる。
会話にも入れない。お菓子ももらえない。でもその部屋にいる。寂しい。お腹減った。

自分の部屋なのに、自分の居場所が無いそんな毎日だった。

だんだんと、私は家で嘘を吐くようになった
「今日はね、しんや君が喧嘩売ってきたけど、負けなかったよ!」
嘘。嗤いながら適当に蹴られて、あとは相手にされなかった。
「皆と鬼ごっこして、私は鬼だけど皆捕まえてやったんだよねー」
誰一人捕まえられなかった事が言えない。鬼が自分1人な事も

ただただ家族に見栄を張り、学校では端っこで小さくなって、皆に笑われながら過ごす、そんな毎日。

その日も私1人で皆を追い掛け回してた。誰も捕まらないのが悔しくて、悔しくて・・・私を最初に仲間はずれにしたハルちゃんを、本気で、全力で追い掛け回した。「しつこーい!」「他の子もおっかけなよ!」そんな野次も無視して、疲れるまで追い回して、絶対、絶対捕まえてやる!と飛びついて、ついにタッチした!!私の中で何か満たされ、根拠はないけど「これで苦しい日に勝った!」って興奮した。

その時、4年生のめぐちゃんが壁際で急に泣き出した。

藤子「どうしたの?」
めぐ「もーちゃんが、私の足を思い切り蹴ったの・・・痛いよ・・・」

!?
足にそんな感触は、ない。私は「蹴ってないよ・・・」と力なく呟いた。だって、普通思い切り蹴ったら、私の足だって痛い筈だと思って。
めぐちゃんは泣き続ける。生徒が皆集まってくる。
「ねえ、もーちゃんがめぐちゃんの足を蹴ったんだけど!!」
「「「えーーー!?最低!!!」」」
みんなに取り囲まれて、私は混乱した。はるちゃんを捕まえた事なんて無かった事になってた

「謝んなよ」
「だって、私蹴ってない」
「蹴ったから泣いてるんでしょ!?うそつき!」
「解らない、だって蹴った感触ないも・・・」
「解らないって事は蹴ったんじゃない!謝んなよ!!」

口々に責められて、もしかしたら自分は蹴ったんじゃないかって思ってきて、絶対なんて証明できるものも見つからなかった。こんなんおかしい。おかしいのに、皆に取り囲まれた私は、謝ってしまった

「ごめんなさい」
「え?聞こえない!!」
「ご・・・ごめんなさ・・・」
「聞こえない!きっこえない!きっこえない!」

いつのまにか輪の中でみんなが手を繋いで大合唱していた
大人から見ると笑い話だけど、めぐちゃんに繰り返し謝らなければいけない自分はみじめで、悔しくて、「ごめんなさい」を繰り返しながらぼたぼたと涙を流してしまった。

「もーちゃんの痣はね、臭くて、ぶよぶよしてる汚いものなんだよ?」
コソコソ声でめぐちゃんが話して居たのを思い出す
もしかしたら、本当に胸にあるこれは臭くて、ぶよぶよした汚いものかもしれないと、お風呂で何度も痣をなぞった事もあった

でも私は今めぐちゃんに泣きながら謝ってる

私は男の子育ちをしてた為か「泣くのは恥ずかしい。弱い。泣くな!」と教育を受けてきた。だからいじめで泣くのは、例えて言うならお漏らしをしたくらい恥ずかしい事だった。

全校生徒の前で、お漏らしをしながら囲まれて、嗤われているのである。
この屈辱がお解りだろうか←

一通りべそべそと泣きながら謝った後、飽きたのか上級生は皆帰ってしまった。
残された私には、同級生が、「大丈夫?かわいそう。先生に言いつけにいこ?」と声を掛けてくれて、泣きながら職員室に行くことになった。小便を漏らした姿を先生に晒しに行くという屈辱だ。しかもこれまで自分を虐めていた人達に助けられて。

先生はすぐさま全校生徒を呼びつけて、声高らかに私を庇い、皆に謝るように強く言った。上級生はうんざりした顔で小さく謝った。同級生は正義の味方になれた満足感で嬉しそうだ。

私はこれまで虐めてくる周りに「なんとか受け入れて欲しい、仲良くしたい」という思いを捨てきれずにされるがままだった。
でもこの日の出来事は、私に確実に「憎しみ」と「悔しさ」を生んだ


オチまで書ききれずに申し訳ない!また次回に続きます!(*´∀`*)

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