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かこたび(中国地方一周編・広島県)

去年の今ごろ、私はまだ学生で
その身分を生かし散々貧乏旅行をしていた。

北は北海道から南は屋久島。

テントで生活するような山登りを趣味にしていたので、旅先で傾斜のない天井に平行な床と、浸水の不安がない天井がしっかりある場所に泊まれれば御の字、冗談のようで本当にこんな気持ちで全国色んなところを旅してきた。

そんなに旅してきて、撮りためた写真をどうにかすることも、胸の内を書き記すことも怠ってきたことを、最近になって気にかけるようになった。なぜかって?

ひまだからだ。

せっかく親に借金をして買ったニコンの4桁。
3桁じゃないくせにわざわざ桁数を言わなくても、なんてツッコミはいらない。

曲がりなりにも良いカメラを持ってピントだけは合ってるような写真を何枚、何百枚と撮り溜めてきたので、ここで少しづつその写真たちに日の目を見せたい。(決まった)

なぜかって?

ひまだからだ。

余談はここまでにして、タイトルに忠実に事を進めて行こうと思う。
端的に言うと卒業旅行と銘打って一人で中国地方一周旅行をした。
期間も予算も決めない。
「親からどこにいるの、帰ってこいと言われたら」
「お金が尽きたら」
この二つを何となく頭に浮かべながら、親の同意も大して得ないままに広島行きの夜行バスに飛び乗った。

広島でやると決めていたことは、以下の4つだ。

弥山登山
アナゴ丼を食べる
お好み焼きを食べる
原爆ドームに行く
尾道に行くこと

一周旅行、とカッコつけてる割にはシンプルだ。なぜなら

お金がないからだ。

そろそろ文字を大きくするのは、やめにしよう。時を戻そう。

朝から宮島へ行き、夕方市内に帰ったので、
潮の満ち引きで厳島神社の鳥居の立ち姿の違いに感銘を受けたのは言うまでもない。
潮の満ち引きという現象をわかっていながらも、狐に化かされたような、そんな気持ちになった。本当にそうなのかもしれない。(は)

弥山登山は驚くほどに人がいなかった。
だってみんなロープウェイに乗るんだ。もん。

頂上までの道のりは「君の名は。」を連想するようなものだった。
頂上は金峰山を連想した。
一人だから連想や妄想をしてばかりだ。

夕方っぽいがこれはまだ昼過ぎだ。

下山して厳島神社へ。
重くなるので写真を載せないが、アナゴ丼も無事食べているので安心して欲しい。

境内には意外なものがあった。

海上に造られた能楽堂としては唯一のこの能楽堂。
神聖な場所に神聖な舞台、ということで意外ではない。前言撤回しておこう。
朱色の鳥居と渡り廊下に挟まれ、舞うシテに響く地謡、どんな踊りが奉納されていたのだろうか。

宮島を船であとにし、原爆ドームを訪れた。
「百聞は一見にしかず」とはよく言ったもので、教科書で何度もみて知った気になっている場所は、実際に見ることで初めて知るのであって、その瞬間「自分は今までなにも知らなかった」という錯覚に陥る。ぜひその場で見ていただきたいものだ。

お好み焼き、美味しかった。

今回の旅はとにかく貧乏、行き当たりばったり旅行なので泊まる場所もその日に決めた。

運良く可愛いゲストハウスを見つけたので、親切な店主さんのもと安心して夜を過ごすことができた。なんでも女性専用なようで、とても綺麗で快適であったが、こちらも時期的なものか閑散としていた。

「ゲストハウス」は不特定多数の人と薄い仕切りで同じ空間を過ごす、という側面から、「プライベートがない」と忌み嫌われるか「知らない人と出会える」未知の出会いに期待する、このどちらかにふれがちだ。
しかし今回利用したときは私以外に人がいなかったため、幸か不幸かどちらにもふれない快適な空間であった。共有のアメニティは無料、共有スペースは専属スペース。私は後者の出会いに期待する方の人間なのでかなり寂しかったが、なにぶん人生で初めてのゲストハウスだ。洗礼としてはちょうどよかったのかもしれない。自分でも何を言っているのかわからない。

次は。。

#ひとり旅 #ゲストハウス #中国地方

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