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塩の味

精製塩として売られている塩は、安いけれど味の奥行が足りないように思います。

精製の段階で、マグネシウムも除去されています。日本人に一番足りないミネラルであるカルシウムは、マグネシウムと2対1のバランスで摂取しないと、体の外に老廃物と一緒に排出されてしまいます。

マグネシウムは実は苦みがありますから、食品として摂取するときに、ほろ苦いもの、筍のえぐみ、蕗の苦みとして感じられるものです。

精製塩での調理に慣れていると、この苦みを美味しく感じることが難しくなるように思います。

昔の製法でつくる豆腐は、にがりを使っています。このにがりこそ、マグネシウムなのです。苦いから、にがりという訳ですね。

昔の製法で作られた豆腐や塩を食べることで、マグネシウムを摂取し、カルシウム不足を補う土台になるわけです。

煮干しでだしを取り、シラスを食べる。四方を海に囲まれたこの日本でのカルシウムの摂り方として、自然な食事だと思います。

外国の塩は、それぞれ味に特徴があって面白いです。

ヒマラヤの塩は薄ピンクで、ほのかに硫黄の香りがしました。温泉の硫黄というより薄目の、固ゆで卵の黄身の匂いです。

ゲランドの塩(フランスの塩田で作られています)は、色がほんのり灰色で、食材の旨味を引き出します。粗い粒子のと細かい粒子のがありますから、どの料理に使うかで、粒子の細かさを決めるのもよいかもしれません。

モンゴルの塩は岩塩で、綺麗な透明感のするものです。挽いて使っているのですが、穏やかな塩気です。

瀬戸内海の塩、沖縄の塩、と国産の塩が色々売られています。精製塩に慣れている人向けなのか、色も白く雑味がないように思います。

精製塩より高い、といっても塩ですから、手の出ない値段ではありません。

いくつか買って、てんぷらにつけたり、茹で立てのとうもろこしにつけたりして、塩の違いを楽しむのはいかがでしょうか?

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