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枯れた蓮を見てちょっと泣いた話【INFJの無職】
諏訪湖のすぐそばに、蓮でいっぱいの川がある。
諏訪に越してきた際に、その川を覆い尽くす蓮の大きな葉と、
所々に咲く美しい蓮の花を一度だけ見た。
その川は天国に見えた。花が本当に仏様の台座のようだった。
私は会社を1日で辞めた悲しき無職。無職になったのはこれで2回目。
折角紹介で入社させてもらったのに、入社日に
本能で合わないと悟り一瞬で辞めてしまった。
今日はとてもいい天気で、家に篭ると余計に
「また無職になってしまった…私はなんて社会不適合者なんだろう…」
「なんで入社前に合わないと気付かなかったんだ…迷惑をかけてしまった…」など
過ぎたことでクヨクヨ鬱々としてしまうので、家から飛び出し
例の蓮の川沿いを散歩してみた。
その川に早速着いて、私は驚いた。見渡す限り、枯れた茎。
いつか見た天国のような光景が地獄に変わっている。
蓮が枯れ切って無惨な姿になっていた。
茎は痛ましくぽっきりと折れていて、
黒い蜂の巣のような、グロテスクな蓮の実が沢山水に浮かんでいた。
その実はぶつぶつしていて、ものすごく気持ちが悪かった。
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こんなに枯れていて、蓮は果たして生きているのだろうか。
こんなになっていたら二度と復活しないんじゃないのか。
私は蓮の生態を全く知らなかった。
ネットで少し調べたてみたら、蓮は枯れ切った状態から復活するとあった。
あまりにも無惨な様子だったので、ちょっと信じられなかった。
蓮は7月が花の見頃で、冬の間はこんな風に枯れ切っているらしい。
諏訪はとても寒いので4月まで冬なのだった。
冬の間も、蓮は泥の中でレンコンの大きな穴から強かに呼吸し、
暖かくなった頃に泥から這い出し美しい花を咲かせる。
私はそれを知ってこの花のことを好きになった。
さっき醜いとかぶつぶつ気持ち悪いとか思ってごめんなさい。
今まさに泥の中にいる気分だった自分にとって救いだと思った。
枯れ切った蓮の川は今の自分の心の様子を写したように見えた。
だから地獄だと思った。でも多分蓮の花みたいに復活できるんだ。
蓮は寒い間も川底で泥にまみれながら頑張って息してるんだ。
泥から出てきた花は泥には汚れず、
真っ直ぐな茎を天に伸ばして、清らかな花を咲かせる。
蓮の花言葉は「清らかな心」と「休養」だ。
多分清い心であるためには、余計休養が必要になる。
蓮の花は再生の象徴とも言われている、とネットに書いてあった。
こんな光景から再び美しく復活するんだから神聖な花とされるのも納得だった。
先日noteで繋がっている方に、無職になって落ち込んでいた私に
私のnoteを読んで「再生」という言葉が浮かびました、
と凄く元気になる暖かいコメントをいただいたのをふと思い出した。
再生の象徴の枯れた蓮を今日見に行ったのは多分偶然じゃないと思う。
いただいた「復活」という優しい言葉と、いつか咲いていた
美しい蓮の光景が重なってちょっと涙が出た。
私は2回も無職になっていて、
折角大学出たのに、折角留学したのに、
折角一回死にたい頃から這い上がったのに、
折角良いキャリアが積めそうな会社に入ったのに、と
自分で自分の心を傷めつけ続けて、泥の中にどんどん沈んでいた。
もう一回消えたい気持ちになりかけていたが、
でもそれでも泥臭く生きたいと思った。
蓮だってこんな荒廃した姿になっても
泥から這い上がって綺麗に花を咲かせるんだ。
大丈夫だ、なんとか生きていける。
人間泥に浸かったような気分の日は必ずある。
そして私は多分人よりも泥期間が長い。
それでも息はできている。
世の中益々めちゃくちゃで泥まみれで最悪になっていくように
感じることも多いけど、地獄みたいな光景から希望を見出せるんだから大丈夫だ。
7月になったら、綺麗な蓮の花を見に行こう。
その頃には私もゆっくり休み休み前進して、
泥から這い上がっていけるようにしたい。
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