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<要約>NVC 〜人と人との関係にいのちを吹き込む法〜

テーマ

相手を評価したり、決めつけたりするのではなく、自分が抱いている感情、自分が必要としていることに耳を傾けられるようになるためのコミニケーション論。世界各地のさまざまな紛争や対立に和解をもたらす方法としてNVCは活用されている。

要約

◯NVCについて
NVCはわたしたちに本来そなわっている力=人を思いやる気持ち
を引き出すことで、自分自身と、そして自分以外の人々との交流を容易にする自分自身を表現する方法、そして耳を傾ける方法を見直すプロセス

具体的には、次の4つのことに意識を集中させる。
①観察すること
②感情に気づくこと
③必要としていることを明確にすること
④自分の人生を豊かにするために要求すること

自分自身を受け入れるために、人との絆を深めるために、仕事や政治の領域で効果的な人間関係を築くためにNVCは役立つ。

◯現状のコミニケーションの課題
「心の底からの訴えを遠ざけてしまうコミュニケーション」を身につけて話したり行動したりするようになっている。
→自分自身も自分以外の人も傷つけている。

ex)まちがっている」「悪い」と道徳的な判断をする
  他者との比較を持ち込むetc..

①観察すること
評価をまじえないことが重要
NVCは時間と状況を特定して観察を表現する。
ex)
通常
→「スミスはへぼなサッカー選手だ」という

NVC
→「スミスは20試合出場してゴールを一度も決めていない」

②感情に気づくこと
感情を表現する語彙を増やすことで、自分の気持ちを特定して的確に示せるようになり、もっと容易に人と気持ちを通い合わせることができる。

③必要としていることを明確にすること
人の言動はわたしたちの感情を「刺激」するかもしれないが、原因となることは決してない。相手が否定的なメッセージを送ってくる場合、わたしたちの対処法としては次の4つの選択肢がある。

・自分を責める
・相手を責める
・自分の感情と自分が必要としていることを知る。
・否定的なメッセージに込められている相手の感情と、その人が必要としていることを知る

*自分の感情を自分が必要としていることに直接つなげることができれば、相手は思いやりをもって反応しやすくなる。

感情を育てる3つのステップ
①「情緒面での奴隷状態」
→自分は人の感情に責任があると信じる。
②「反抗期」
→人の感情や必要としていることを気づかうことを拒否する。
③「情緒面の解放」
→自分の感情には100パーセント責任があるが、人の感情には責任はないという自覚をもつと同時に、人が必要としているものを犠牲にして自分が必要としているものを満たすことはできないという自覚もある状態だ。

④自分の人生を豊かにするために要求すること
あいまい、抽象的、漠然とした言い方を避け、肯定的な行動を促す言葉で要求する。自分は何を要求「しない」のではなく、何を要求「している」のかを述べる。

NVCの目的は自分の思いどおりにするために人を変えたり人のふるまいを変えたりすることではない。
誠実さと共感を基盤とした絆を相手とのあいだに確立し、全員が満たされた状態をつくりだすこと。

感想

この本はとても”いい”本だと、ぼくは思った。
と、ここで”いい”という表現を使ったが、NVC的に言うと、これは漠然としており、自分自身の感情、それに伴う感想が漠然とよく分かっていない。だから、語彙を増やして、もっと的確に伝えられるようになることが大切だと説いている。

ぼくなりの感想でいうと、
自分の苦手な要求するということを再認識させられ、要求しないことでどのような弊害を生み出すのか、では具体的にどのようなやり方で要求をすべきなのかというのを方法論として落とし込み、わかりやすく解説してくれており、実生活にすぐに活かせそう、というのが感想だ。

自分自身の意見、感情、考えをうまく表現できる人はとても少ない。
だからこそ、人から理解されていないと感じたり、自分自身のこともよく理解していないため何がしたいのかわからないという苦しみの連鎖に陥ってしまうかと思う。

コミニケーションで困っている人もそうだけど、自分自身のことをよく理解したという人にもNVCは非常に効果的な方法論だ。
もっと学んでいきたい。

この御恩は100万回生まれ変わっても忘れません。たぶん。