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C-C-B楽曲レビュー㊶「シェリー」

田口さんがアップした解散後の渡辺さんとのライブ動画の中で、
「C-C-Bの曲で名前が入ってる曲は何曲ある?」
みたいな話をしていた時があって、
「ジル」とか「ラリー」とか田口さんが言ってましたが
(「ラリーは違うだろ」って感じですが。笑)、
そう言えば昔は名前の入った曲って多かったですよね。

長渕の「順子」、サザンの「いとしのエリー」、
アルフィーの「メリー・アン」・・。

そして「シェリー」もその一つ。

「シェリー」と言うと、
同年代では尾崎豊のイメージが強いかもしれませんね。
(「I LOVE YOU」も尾崎と被ってるんだよなー。)

尾崎のイメージが強いけれども、C-C-Bの「シェリー」も、
ファンにとっては大変意味のある重要な曲なのです!

「シェリー」はブレイク前の
まだ「ココナッツ・ボーイズ」名義だった頃のアルバム、
「Boy's Life」に収録されている曲です。

そしてなんとこの曲、作詞作曲が笠くんなんですね〜。
珍しいっ。

笠くんは作曲は何曲かやってますが、
作詞はC-C-B時代も合わせてこの曲だけ。

そう、貴重な一曲なんです。

80年代当時はたぶん私はこの事は知ってたとは思いますが、
その後すっかり忘れていて、
大人になって「へー!そうなんだ」と思いました。

なんで他に作詞しなかったんですかね?
「シェリー」の歌詞、なかなか良いと思うし、
笠くん作詞の曲もっと聴きたかったよ。

でもってこの歌の歌詞はとってもSweet。

意外とC-C-Bになってからの笠くんは、
甘めの曲は歌ってないんです。

悲恋もの、現実離れしたファンタジー、
女の子に振り回されつつも形勢逆転を虎視眈々と狙う男の子
みたいな曲が多く、どストレートなラブソングって無いんですよね。
(どストレートなラブソング向きの声なのに)

でもココナッツ・ボーイズ時代はわりとラブソングも歌っています。
「好きさ・・・リンダ」なんて激甘です。

そんな笠くんが歌うストレートなラブソング、「シェリー」。

サウンドの方は、
イントロと間奏はマイナー調で少し暗めの曲かな?と思わせますが、
歌は大人しめながらも明るい音です。
ピュルルル〜と「うる星やつら」のラムちゃんが飛ぶ時のような
効果音が印象的です。

少し懐かしい、70年代のグループ・サウンズの曲に
ありそうな雰囲気もありますね。

素朴な感じなんですが、電子音っぽいのも入っているので、
独特な雰囲気に仕上がっています。

では笠くんが書いた歌詞も見てみましょう。

片思いの男の子の心情なのかな?と思わせる世界観ですね。

こんな乙女チック?に片思いしてる
若い男の子っているのかな?ってくらいピュアな世界観です。

ダイヤモンドが好きなら いつでも僕に言ってよ

好きな子が望むなら何でもしてあげたくなっちゃう気持ちを
とても素敵に表現してるなぁと思います。

愛しすぎていいなら 暖かいコートで
君を抱きしめてあげたい

ここもポイントですね。

「愛しすぎて」なんてさそり座的な表現!

愛情深いんでしょうね。
愛しすぎてしまうのは本当なのではないでしょうか。

人によってはその愛情を重く感じてしまう人もいるから
普段は遠慮してしまうけど、
それでもいいよと言ってくれるのならとことん愛してしまうんだろうな。

星よりもっと輝き 月よりもっと優しく
君を抱きしめて あげたい

さらにポイント。
2番の同じ所でも「抱きしめて あげたい」と言っていますね。

好きな人は包んであげたいんだろうな〜。

そして星と月。

笠くんはソロ時代の曲は作詞もやってるんですが、
その中には星がわりと出てくるんですよね。
(私が持ってるCDは星だけですが、月が出てくる曲もありそう)

相当ロマンチストでもあるのかなと感じます。

この音に、歌詞に、笠くんの声が乗って、
なんて優しくきれいな曲なんでしょう〜と言う感じです。

若干、舌ったらずな感じもありますが、
そこが初々しくもあり。

そしてこの曲の最大のポイントは、
筒美京平氏がこの曲の笠くんの声を聴いて
「この子がボーカルじゃなきゃ曲を書かない」と言った点ですね。

「このハート みつけて」の部分の透き通ったハイトーンボイス。

甘く優しい、可愛い歌声。
こんな声で歌える人はそうそういない。

膨大な数の曲を聴いてきた筒美氏の直感は間違っていませんでしたね。

この後笠くんは猛特訓の末「Romanticが止まらない」の
リードボーカルを務める事で大ブレイクを果たします。

実際、この声に魅了された人は多いのではないでしょうか?
(私もその一人)

そんな一人の人間の人生、グループの運命を分けた一曲です。

良かったら聴いてみて下さい。


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